◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2014/10/11(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週も相場は波乱的な展開となった。」

M「ああ。週初は米雇用統計が良かったことで大きく上昇したものの、それから4日
続落となっている。」

T「ついこないだ日経平均は16000円台前半で推移していたのに、はやくも15000円
台前半での推移となっている。」

M「今週はオプションSQを週末に控えていたこともネックとなった格好だ。相場が
下げればヘッジ的な先物売りが出やすくなり、それだけボラティリティが大きくな
りやすい。」

T「それを見込んでか、投機筋による仕掛け的な売りも出ていたようだ。」

M「ヘッジファンドだろうけど、奴らは抜け目ないからな。ここぞとばかり勝負か
けてくる投機筋も少なくない。」

T「今週は複数の懸念が出てきたり強まったりしてきたことも影響している。」

M「そうだな。IMFが世界の経済成長見通しを下方修正したり、それを裏付けるかの
ようにドイツの弱い経済指標が出てきたりした。」

T「それに加えてエボラ問題だ。このまま感染が色々な国で拡大してくれば世界経
済にも悪影響を及ぼすという懸念も意識された。」

M「国内では来週に大型IPOリクルート上場を控えて換金売りも重しとなった面も
あるようだ。まあ、結局は心理的なモンだけどな。」

T「確かに・・。心理悪化してきているだけに、リクルート上場に伴う換金売りへ
の警戒も意識されやすい。」

M「米国市場も随分と激しい展開だった。火曜日にダウは272ドル安、水曜日には大
きく反発し274ドル高、木曜日は334ドル安とまさにジェットコースター相場だ。」

T「日に日にボラが大きくなっていくような動きだ。そして昨日は続落となってお
り、ダウこそ115ドル安だが、ナスダック指数の下落が酷い。」

M「ああ。前日以上の下落となり、102ポイント安となっている。率にすれば前日比
で2.33%安となっている。」

T「半導体メーカーのマイクロチップテクノロジーが下方修正を発表したことで、
これから始まる半導体関連企業の決算警戒が強まったようだ。」

M「そうだな。下方修正要因として中国需要の弱さを示しており、やっぱり世界景
気減速しているという見方に繋がった面もあるようだ。」

T「半導体関連株が総じて売られており、ナスダック指数の大幅安に繋がっている
。」

M「昨日の下落でダウは年初来でマイナスに転じた。つまり年末の水準を下回って
きた。」

T「まあ、ダウは8月にも年初来マイナスとなっているけどな。ただS&P500、ナスダ
ック指数は依然として年初来ではプラス維持している。」

M「日本株にも半導体関連企業は多く、日経平均への影響も大きな銘柄も幾つかあ
るだけに週明け懸念だな。」

T「そうだな。シカゴ日経先物は円建てで15065円で引けている。日本は月曜日休み
だけに、月曜日の米国市場しっかり反発出来ればいいのだが・・・。」

M「月曜日、米国はコロンブスデーの祝日だからな。まあ、株式市場などマーケッ
トは通常通り開くが、銀行や政府機関は休場のため参加者も乏しくなりやすい。」

T「小動きと言うこともあるかもな。まあ参加者少ない状況だけに大きく動きやす
いと言うことも言えるが・・。」

M「昨日の下落が酷いのは米株だけじゃなく、欧州株も軒並み安だ。特にドイツの
下落が大きくなっている。」

T「ああ。ドイツのDAX指数は2.4%も前日比で下落しており、年初来安値を更新して
いる。」

M「ドイツ経済の減速懸念が強まっていることが要因だ。今までもドイツなど欧州
経済の減速は意識されてきたが、最終的にはECBが量的緩和政策を打ち出し食い止め
ると言う見方が強く、相場を支えていた面もある。」

T「でもその期待がここに来て剥落してきているようだな。」

M「ああ。先週のECB理事会も期待外れとなったし、ドラギECB総裁は量的緩和政策
の可能性は今まで通り示唆しているものの、突っ込んだ発言は見られていない。」

T「そうだな。何よりも量的緩和政策にはドイツが反対姿勢を崩していないからな
。」

M「ああ。先日もショイブレ独財務相は、米国のような政策は行うべきでは無いと
発言している。」

T「ECBがドイツの意向を無視して量的緩和政策に打ち出すことは出来るはずもなく
、そう言った要人発言などにより量的緩和政策への期待が大きく後退してきている
ということだな。」

M「それだけに欧州経済減速懸念が今まで以上に重しとなってきたと言うことだろ
う。」

T「ある意味、催促相場とも言えなくもないが、いずれにしろすぐに無くなる懸念
ではないだけに先行きも不透明だ。」

M「ああ。ただ日本もそうだが、米国も欧州株安にいつまでも付き合うことはない
だろう。今の時期は海外ヘッジファンドやミューチュアルファンドの換金売りが出
やすい時期だ。」

T「まあ、今年だけのことではないけどな。」

M「今年は欧州経済減速懸念など色々な懸念がこの時期に強まったことで、米国株
日本株は過剰に売られてしまっている面もある。」

T「確かにそうだな。」

M「それだけに、中旬過ぎれば売り圧力が乏しくなってくる可能性はあるだろう。
まあ、懸念が色々とあると、売り圧力乏しくなっても買いが強まるかは不透明だけ
どな。」

T「そのタイミングで米国企業の好決算が相次ぐようだと見直し買いのきっかけに
なるんだけどな。」

M「来週は米主力企業の決算発表が目白押しだ。シティG、JPモルガンなどの大手金
融機関に加え、インテル、グーグル、それにGEなども決算発表を予定している。」

T「それらが、今のイヤな流れを変えるきっかけとなればいいけどな。」

M「期待はあるだろう。足下は警戒の方が強まっているだけに、ハードルは下がっ
てきている格好だ。」

T「日本株も来週は反発を期待したいモンだ。テクニカル的な売られ過ぎ感も出て
きているし、ちょっとしたきっかけで流れが変わる期待もありそうだけどな。」

M「ああ。8月のような展開になる事も想定しておくべきだろう。期待したいモンだ
。」