49%の職業 「将来、機械や人工知能で代替可能」

49%の職業 「将来、機械や人工知能で代替可能」

10年から20年後には、今、日本で働いている人の49%の職業が、機械や人工知能によって代替することが可能だとする分析を民間の調査研究機関がまとめました。技術の進歩によって近い将来なくなる仕事があるのか、関心を集めそうです。

この分析は、野村総合研究所がイギリスのオックスフォード大学の研究者と共同で行ったもので、601種類の職業について、技術の進歩によって将来、機械や人工知能が代替できる確率を計算しました。

職業ごとに必要な知識や技能を数値化したデータを基にコンピューターで分析した結果、10年から20年後には235種類の職業が代替できる確率が高いと分析されました。

具体的には、スーパーの店員や一般事務員、タクシー運転手、ホテル客室係、警備員などとなっていて、これらの仕事をしている人は合わせておよそ2500万人に上り、今、日本で働いている人の49%に当たります。

一方、医師や教師、美容師、それに観光バスガイドなど、人とのコミュニケーションが重要な仕事や、映画監督、音楽家など創造性が特に必要とされる仕事は、機械が代わって行うのは難しいと分析されています。

この分析では社会情勢の変化などは考慮されていませんが、技術が進歩し機械の導入が進むことで、近い将来なくなる仕事があるのか、関心を集めそうです。

野村総合研究所の寺田知太上級研究員は「今後、労働人口が減っていくなか、人手不足をテクノロジーで解決する可能性を示したもので、議論のきっかけにしてほしい。将来は、機械に多くの仕事を任せる一方、人は創造性やコミュニケーションがより求められる仕事を担うようになるのではないか」と話しています。