◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆ 2015/12/12(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週の日本市場は続落となった。メジャーSQ週ということもあったが、仕掛け
的にな先物売りや、手仕舞い売りも目立っていたようだ。」

M「そうだな。日経平均は今月頭まで2万円辺りをウロウロしていたんだが、あっと
いう間に19000円まで突っ込んできた。」

T「でも辛うじて19000円はキープしており、昨日はSQ通過でしっかりと反発したん
だけどな。」

M「ああ。しかも幻のSQ値というおまけ付きで・・・。このまま相場落ち着いてく
れば、年末へ向け再度2万円トライという展開も期待されたんだが。」

T「確かに。SQ値は18943.54円となり、19000円割れとなったんだが、昨日は19200
円台まで日経平均戻していたからな。SQというイベント通過で買い安心感も出てき
たんだろう。」

M「ただ昨日の欧米株がまた派手に下がってしまった。要因は原油相場の下落が止
まらないことで投資家心理に悪影響を与えたようだ。」

T「今週の欧米株の下落要因はやはり原油相場の影響が大きい。それによりエネル
ギー株など資源関連株が売られており、また投資家心理悪化に繋がっている。」

M「先週末に行われたOPEC総会で減産見送りとなったことで改めて原油相場が売られている。それを機に原油先物の売りポジション積み上げている投機筋も増えているようだ。」

T「そうだな。それでもシカゴ投機筋のポジション動向見るとトータル的にはまだ
買い持ちだ。」

M「原油先物は基本的に投機筋は、買い越し状態状況が殆どだといえるが、買い越
し幅は3年ぶりの低水準に落ち込んでいる。」

T「つまり買いポジを減らして、売りポジが増えてきているということか。」

M「ああ。その流れで原油相場の下落が続いているんだろうけど、売りポジ取って
いる投機筋もクリスマス休暇前には買い戻しに動くのではとの見方も多い。」

T「来週の米FOMCを機に買い戻しに転じるとの見方もあるようだ。」

M「結局、原油相場の下落も、欧米株の下落も、来週の最大のイベントであるFOMC
を意識して動いている可能性もあるかもな。」

T「でも利上げが想定されており、ここに来てドルが売られているのはおかしくな
いか。」

M「投機筋はFOMCでの利上げを見込んで、既にドル買いポジションを積み上げてい
る。正確にはユーロ売りポジションや円売りポジションを積み上げてきていた。た
FOMCでは利上げしても出尽くしとなる見方が多く、その動きが早めに出てきてい
ると言うことだろう。」

T「出尽くし警戒感か・・。」

M「それに加えて、やはりリーマンショック後で初の米利上げであり、過去にない
大規模な金融緩和からの大転換となるわけだからな。市場への影響が読めないと思っている向きが多いと言うことだ。」

T「なるほど・・・。市場への影響が不透明なだけに、ポジションクローズに動い
ている訳か。」

M「まあ、そういった動きが波及してきているのは確かだろう。もっと引っ張ろう
と思っていた向きも多いかも知れない。ただマーケットが早くもリスクオフの動き
になってきているだけに、早めに動かざるを得なくなってきているとも言える。」

T「今週はドル円円高進行が非常に進んだ。1ドル123円前後で推移していたんだ
が、今週円高進行し1ドル121円も割り込んできている。」

M「円売りポジション積み上げていた投機筋の円買い戻しの動きだろうな。まあ仕
掛け的にそれを誘発した向きもいるような話もあるが・・。」

T「いずれにしろ、ここに来てリスクオフの動きが一段と強まってしまった。昨晩
の米国株は派手に下落しており、円高も進行して日経平均先物は夜間取引で18500円台まで突っ込む場面も見られている。」

M「ああ。シカゴ日経先物は円建てで18680円で引けているが、週明けは波乱スター
トは避けられない状況だ。」

T「19000円割れも当然避けられず、日本市場でも投資家心理悪化しそうだ。」

M「ただ来週には米FOMCがあるからな。それまでは買いにくさもあるだけに戻りも
鈍くなる恐れはあるが、FOMC通過すれば安心感出てくる期待もあるだろう。」

T「でも利上げにより、更に原油安が進んだり、新興国通貨が下落したり、新興国
株が派手に売られたりすると、更なるリスクオフと言う懸念もあるんじゃないのか
。」

M「ただそれを警戒して既に動いているからな。まあFOMC声明やイエレンFRB議長の会見での発言が、タカ派的な内容となれば別だが・・。例えば次回も利上げするよ
うな事を示すとか・・。」

T「その可能性は低そうだが、やはり見極めたいという向きは多そうだ。」

M「それよりも懸念なのは利上げしない場合だろう。それはそれで波乱要因となる
。」

T「まあ、既に利上げ前提で動いているだけに、確かにパニックになるかもな。」

M「ああ。利上げ見送りを好感する向きも出てくるのかも知れないが、基本的には
波乱だろう。想定外の事が起こるんだから。少なくともドルは派手に売られ、円高
が一段と進む恐れがある。」

T「そういうことも考慮すれば、やはりFOMCまでは積極的なポジションは取りにく
いという訳か・・。」

M「そうだな。逆に、もしもの為にヘッジ的なポジション増やしてくる向きは多い
かもな。」

T「とにかく注目のFOMC結果は来週の水曜日だ。日本時間では17日の朝4時だな。どういう結果となり、市場がどう反応するのか注目だな。」

M「ああ。アク抜けとなるような展開を期待したいモンだ。」