◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆ 2016/01/09(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「いよいよ本格的に2016年相場が始まったが、新年早々波乱の幕開けとなった。」

M「ああ。日経平均は年初から5日続落で、下げ幅は1300円超となった。一時1500円超となる場面もあった。」

T「年初から5日続落は観測史上初めてとの事だ。イヤな感じだな。」

M「まあ今週はサウジとイランなどの中東リスクが浮上してきたことや、北朝鮮
水爆実験もあり地政学リスクが高まった。それに加えて中国景気減速懸念による中
国株安に人民元安も重しとなった。」

T「更に原油安も止まらない状況で、為替は円高が大きく進行し悪材料が目白押し
だ。」

M「2016年相場は大反乱となるようなことを示唆しているとの見方も増えており、
先行き懸念が強まっている。」

T「そんな地合の中、強かったのが小型株のテーマ株だな。フィンテック関連株に
は依然として上昇続けている銘柄もあり、ドローンや民泊、マイナンバーといった
他のテーマ株にも派手にされた銘柄も見られている。」

M「それだけに、地合悪い割には個人投資家の心理は悪化していない。ただ、心理
悪化していない個人投資家は主に短期投資家が中心だろうな。」

T「ああ。やはり中長期投資家は主力株を持ち続けている向きも多く、そういった
個人投資家の心理はかなり悪化しているだろう。」

M「既に追い証が発生しているようだし、それに絡んだ投げ売りが来週加速する恐
れもある。」

T「相場を主導すると言われる海外投資家は売っている印象だ。売っているのは主
ヘッジファンドなどの投機筋だと思われるが、かなり腰を据えて売っているとの
見方もある。」

M「そうだな。年初から空売り比率が40%越えが続いている。昨日辺りなど買い戻し
も結構入ってくるかと思ったが、引き続き空売りしてきている向きもいるようで、
確かに腰を据えて売っている向きが居るのかも知れない。」

T「今週はSQ週であり、それに絡んだ売り仕掛けも先物には入っていたようだ。中
国ネタなどを背景に仕掛け的に先物売り、相場の押し下げ要因になっている。」

M「恐らく円買い、株先売りという動きをしている投機筋がいるんだろう。先ほど
発表されたシカゴ投機筋の円先物ポジションは、投機筋が円買い越しに転じている
。」

T「そのようだな。」

M「投機筋が円先物を買い越しに転じたのは3年超ぶりのことだ。アベノミクスが始
まる前、以来となる。」

T「投機筋は円買い方向にポジション傾けてきたということは、これから円高方向
に行くということに賭けてきたというわけだな。」

M「そう見ている向きが居るのかもな。それはつまり日銀の追加緩和の可能性はも
う無いとの見方が強まっているとも言える。」

T「もっといえばアベノミクス相場は終わったと見ているのかも知れない。いずれ
にしろ投機筋のポジション動向は注目だな。」

M「ああ。ところで昨日のSQ値は17420.01円とかなり安く決まった。ザラバ中、日
経平均付けていない値であり、いわゆる幻のSQ値だ。これを割り込まずに昨日は引
けていただけに、一時的な底打ち感は結構意識されたんだが・・・。」

T「そうだな。ただ昨日の米国市場、下げ止まらなかった。朝方発表された米雇用
統計は市場予測を大幅に上回る強い数字になったにもかかわらずだ。」

M「ああ。前回までの雇用者数も上方修正されており、非常に強い雇用統計だった
といえる。ただこの発表をうけ買われたのは一時的だ。為替もドル買いの動きにな
ったのは一時的だ。」

T「あの雇用統計でもドル高にならず株高にならないとなれば、どうやったら上げ
るんだ。」

M「それだけ市場には先行き懸念が強いと言うことなんだろう。」

T「最近発表された米国の経済指標は弱いモノが目立っており、米景気の減速懸念
も意識されていた。でもその懸念も強い雇用統計で払拭されると期待したんだが
・・。」

M「そうだな。雇用統計強かっただけに、最近の景気の減速は一時的だとの見方も
出来る。ただ逆に、雇用統計は遅行指数だけに、これから悪化してくるのではとの
見方も出来る。」

T「昨日の米国株や為替の動向見ると、どうも市場は後者の方を懸念しているのか
もな。」

M「いずれにしろ昨日は派手に上げると期待された米国株が下げて引けている。シ
カゴ日経先物は円建てで17280円で返ってきている。」

T「幸いにも週明け月曜日は日本市場は休場だ。それだけに月曜日の米国株が派手に反発すれば良いのだが・・。」

M「逆に更に下げるようだと、連休明けの日本市場は波乱スタート必至だな。節目
の17000円も意識されてくるかも知れない。」

T「ただ目先売られれば売られるほどチャンスは強まるとの見方も出来る。テクニ
カル的なリバウンドはいつ起こっても不思議はない状況だし、リバウンド前に下げ
れば下げるほどリバウンドは大きくなる。」

M「もちろんそうだが、タイミング間違うと簡単に大怪我となる恐れもある状況だ
けどな。これだけボラティリティ大きくなっているんだ。ハイリスクハイリターン
状況になっていると言える。」

T「そうだな。それに更に下げると追い証も更に発生するだろう。ある意味、セリ
ングクライマックス状態になる可能性はありそうだが・・。」

M「ただ、更に地合悪化してくるとさすがに小型株にも警戒は出てくるだろうな。
テーマ株物色にも既に派手に下げてきた銘柄も見られているだけに、警戒は必要だ
ろう。」

T「それに、これだけ下げてくれば主力系株の値頃感も意識されてくる可能性もあ
る。」

M「そうだな。まあ為替や景気先行き懸念を意識すれば主力系株を強気で買う向き
それほど出てこないようには思えるが、機関投資家など買わなければならない向き
は買ってくるだろうな。」

T「投資家が総悲観になってくれば、そこが買い時というし、来週はしっかりと底
打ち魅せて欲しいところだ。」

M「そうだな。期待したいモンだ。」