◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆ 2016/04/09(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は軟調な展開だったといえる。日経平均は節目の16000円も割り込み、2012
年以来となる7連敗も記録した。」

M「ああ。アベノミクス相場始まって初めての7連敗だ。」

T「それだけにアベノミクス相場は本当に終わったんだとの声も聞かれたが、既に
アベノミクス相場の高値は昨年6月に付けており、それから日経平均4000円以上も下げてきているんだ。」

M「ああ。既にかなり前から終わっているとも言える状態だ。」

T「まあ、安倍政権は続いているだけに、これから巻き返して去年の高値超えてく
るかも知れないけどな。」

M「そうなるにしろ現状では、期待はかなり乏しくなっているし、まずは円高株安
の流れが止まらないことにはな。」

T「今週の株安要因は何と言っても為替だろうな。円高が今週だけでかなり進行し
た。ドル円は1ドル110円の節目を割り込み、107円台まで突っ込む場面もあったから
な。」

M「そうだな。ただ急ピッチなだけに、一時的なドルのセリングクライマックスに
なったといえる。だからといって底打ちしたとは言えない状況だが・・・。」

T「ああ。来週にはG20も控えているだけに、円売り介入も絶対に出来ないとの見方
も多い。昨日はさすがに口先介入的な発言が政府要人からあったものの、それが精一杯だろう。」

M「まあ、前回のG20では通貨安競争回避で合意しているだけに、G20前には通貨安に誘導するような円売り介入など出来ないからな。」

T「でも来週のG20で、投機的な通貨売買に対して牽制する話が出てくれば、面白い
かもな。」

M「どうだろうな。今回のG20では、パナマ文書問題がメインになるんじゃないのか
。」

T「確かにそれも議題に上がるだろうな。国際的な税制問題は議論されるだろう。
でも為替市場の安定も重要問題だけに、投機的な動きへの牽制が出て来ても不思議はない。」

M「そう期待したいところだけどな。今週5日までのシカゴ投機筋の円買い越しポジ
ションは約6万枚となっており、前週より結構増加している。」

T「これも見ても投機筋による円買いが円高を進行させている大きな要因だと言え
るだろう。」

M「ああ。それだけに投機筋が円買いポジション手仕舞いに動いてくるようなら急
速に円安へと戻せる期待もある。」

T「問題はそのきっかけだな。今週は安倍首相がWSJのインタビューで円高容認とも
取れる発言をしたことで円高が加速している。それにイエレンFRB議長は依然として
ハト派的な発言だし・・・。」

M「そうだな。ただ来週には米地区連銀経済報告が公表される。いわゆるベージュ
ブックだ。各地区の連銀が経済状況をまとめたものであり、次回FOMCの参考資料となる。」

T「それで米国経済の強さが確認されれば、ドル買いに繋がる期待がある訳か・・
。」

M「まあさすがに4月の利上げと言うことまでには繋がらないが、6月には利上げさ
れるのではという思惑に繋がる可能性はあるかもな。まあ6月までは日柄あるだけに
、それで即ドル買い要因となるかは分からないが・・・。」

T「でも円高牽制にはなる期待はあるだろう。ただ逆に米経済の弱さが示されるよ
うだと、やっかいだが・・。」

M「その可能性は低そうだけどな。やはり何だかんだ言っても米経済はしっかりし
。ドル安も追い風になっているしな。」

T「来週には米小売売上高も発表されるな。他にも幾つか経済指標あり、それらも
為替に影響を与えそうだ。」

M「それに米国では週明けのアルコアを皮切りに企業決算発表が始まる。まだ来週
は少ないものの、それらも日本株に影響与えるだけに注目だろうな。」

T「日本では小売企業の決算発表が来週は多い。今週はファーストリテイリング
ネガティブ決算出して派手に売られただけに注目される。」

M「ああ。昨日はファーストリテイリングの下落だけで日経平均を150円超押し下げ
たからな。良くそれで昨日は日経平均プラスで引けられたよ。」

T「確かに・・。ファーストリテイリングの下げなければ、日経平均は220円以上も
上げていることになるのか。」

M「昨日の後場には公的資金の買いが入っていたとの観測が聞かれている。来週以降も公的買いが続くかは微妙だが、更に下げれば思惑は出てくるだろう。」

T「そうだな。ただいずれにしろ円高進行が止まらないことには、公的買い入った
ところで戻りも限定的だろうな。」

M「ああ。それだけに来週は円高進行が止まるのかが大きな鍵になりそうだ。G20
含めて為替に影響与えそうなイベントや経済指標発表もあるだけに、要注目だな。」

T「そうだな。期待したいモンだ。」