◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆ 2016/06/11(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は不安定な揉み合い相場だった。」

M「ああ。先週末、米雇用統計が波乱的な結果となり、為替も大きく円高進行した
ことで今週はどうなることかと思ったが・・・。」

T「そうだな。月曜日は安く始まったが、売り一巡後は下げ渋った。結局、月曜日
の安値が今週の安値となっている。」

M「公的買いの観測も週前半には出てきており、それが売りにくさを強めたとも言
えるだろう。」

T「それに米国株がしっかりだったからな。早期利上げ懸念が後退したことで、米
国株には追い風となったようだ。」

M「それに原油相場の上昇も今週は米国株に追い風になっているだろう。WTI原油
先物は久々に1バレル50ドル台に乗せてきたからな。」

T「ああ。ただ日本株円高懸念があり上値の重さも見られていた。やはり上げて
くれば売りも出やすいし、何よりも買いが入りにくくなる。」

M「まあメジャーSQ週と言うこともあったんだろうけど、来週以降重要イベントも
控えているだけ積極的な買いは入れにくいんだろう。」

T「そうだな。来週は日米の金融政策会合があるが、いずれも現状維持が想定され
ている。」

M「米雇用統計をうけ米国の6月利上げが無くなったといえるため、良くも悪くも
サプライズは出にくい。」

T「日銀もどうせ現状維持だろうし・・。」

M「まあ、今回は市場も期待していないだけに、逆に追加緩和に動けば大きなサプ
ライズだが・・・。」

T「ただ4月に見送って、今回追加緩和って・・。確かにそんな事になればサプライ
ズだが、もし実際にそうなれば市場は日銀ズレてると疑心暗鬼に陥る恐れもある。」

M「確かにそうだな。ただ為替の水準を考えれば、4月の会合時は1ドル111円台だっ
たが、今は1ドル107円程度だ。来週会合まで更に大きく円高が進行した場合、日銀
は動く理由になるかも知れない。」

T「でも、もし動くならばかなり大胆なことをやらないと、相場の流れは変えられ
ない。」

M「そうだな。一時的に好感されて、円安株高に繋がっても、そこが絶好の逃げ場
となってしまう恐れもある。」

T「中途半端に動くなら、何もしない方が良いだろうな。」

M「ああ。やるなら相場の流れをガツンと変えるくらいの大胆な事をやらないとな
。」

T「でも再来週には英国のEU離脱を問う国民投票控えているからな。今年最大のリ
スクイベントだと言われており、その前に動くのは難しいだろうな。」

M「恐らくな。その英国の国民投票に関して昨日は最新の世論調査が発表された。」

T「ああ。更に離脱支持が残留支持を上回っており、その差は拡大している。これ
だけ見れば、離脱濃厚となりそうだ。」

M「まあアテにならんとは思うが、市場に警戒されるには十分なネタだな。」

T「確かに・・・。幾らこんな世論調査なんてアテにならないと思っていても、や
はり楽観視する事は難しい。」

M「国民投票前に警戒が高まれば高まるほど、無事通過出来たときの安心感は大き
くなる。つまり株高に繋がる期待もあるかもな。」

T「そうだな。だからといって、それに賭けて国民投票前に全力勝負するのは怖い
けどな。」

M「ああ。勝負するにしてもリスク限定でするべきだろう。オプションなどでヘッ
ジしておくのも良いかもな。」

T「23日の英国民投票の結果は日本時間で24日のザラバ中に解るとのことだから、
ある意味チャンスはチャンスか・・。」

M「そうだな。その日はザラバに張り付きたいという人は多そうだな。」

T「ヘッジファンドなど投機筋にしてみれば、ボラティリティ高まることは必至な
だけに格好の投機局面となる。その日は日本市場でかなり暴れそうだな。」

M「為替も大きく動くのは必至だな。特にポンドは・・。」

T「その英国民投票まで、まだ日柄あるだけに、それまでどういう展開になってい
くのか注目される。」

M「やはり警戒の方が強まるだろう。ただ過度な警戒強まれば、事前に勝負賭けて
くる向きも増えてくるかもな。」

T「昨日の欧米株は大きく下落しており、世界同時株安の様相も示している。この
ままリスクオフの動きが強まってくるのか、来週注目される。」

M「まあ日銀会合控えているだけに、円買いもしにくいだろうけど、日銀会合通過
後が警戒かいもな。」

T「そうだな。投機筋にしてみれば、日銀会合通過で円買い安心感に強まる恐れも
あるからな。」

M「再来週の英国民投票への警戒心をネタに、リスクオフの動きを演出してくる恐
れもありそうだしな。」

T「取りあえず来週どういう展開になってくるのか注目したい。」