◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆ 2016/10/08(土)発行

=================
◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
=================
T「今週はしっかりとした展開だったと言えるだろう。週末こそ下げたものの、そ
れまでは日経平均TOPIXも4連騰だ。」

M「ああ。昨日も下げたとはいえ、小幅安程度だった。日経平均は25日移動平均線
を上回り、約1ヶ月ぶりに200日移動平均線も上回ってきた。」

T「そうだな。まあ日経平均は先月も200日移動平均線上回ったが結局維持できず、
その後下げてしまったが・・。」

M「ただ先月の時はTOPIXは200日移動平均線を越えてない。ただ今週、TOPIXも越えてきている。これはえらい久しぶりの事だ。」

T「まあ日銀ETF買いの内訳がTOPIX型に傾くという期待もあるんだろうけどな。」

M「新しい枠組みは今月から始まるだけに、日銀ETF買いの影響が注目されたが、今週は一度も日銀ETF買い入らなかった。」

T「まあ堅調だったということもあるだろう。ただ昨日は下落しており、前場引け
の段階では日銀ETF買いが後場には入るとの期待も強かったんだが・・。」

M「結局入っていない。まあその割には昨日は底堅かったと言えるだろう。3連休前
で、週末には色々とイベントも多かった割に・・。」

T「そうだな。昨日は注目された米雇用統計が発表された。非農業部門雇用者数が
15万6000人増となり、市場予測を下回った。」

M「失業率は5.0%となり、これも市場予測より悪化している。」

T「ただ言うほどのブレでもない。なんせ雇用統計はブレの大きな指標で有名だ。
ある意味、予想の範囲内だったといって良いかもな。」

M「そうだな。ただ3ヶ月平均で20万人を割り込んでしまっている。」

T「内訳見るても賃金は伸びているが予想は下回った。」

M「まあサプライズは乏しいといえ、年内利上げのシナリオに大きな変化はないだ
ろうな。」

T「確かに・・。ただ11月の利上げはほぼ消えたと言えるかもな。」

M「もともと11月利上げという可能性は非常に低いと見られていたが、今週発表さ
れたISM製造業景況感指数や非製造業景況感指数がえらい強かったからな。これで昨日の雇用統計が極端に強ければ11月の利上げもあり得るのではという見方に繋がっていた可能性はある。」

T「ただ今回の雇用統計でそれは無くなった。」

M「ああ。かといって年内利上げ見送られるほど弱い数字ではない。もちろん11月
や12月頭に発表される雇用統計次第とも言えるんだが・・・。」

T「そうだな。12月のFOMCまであと2回雇用統計確認できるんだ。それ次第となりそ
うだな。」

M「いずれにしろ年内1度の利上げはある程度は織り込んでいる状況だ。例え12月に利上げしても、その後は暫く利上げできないとの見方が多い。」

T「そうだな。ある意味、米国にとっては程よい雇用統計の結果だったと言えるの
かもな。極端に強ければ利上げペース早まると言う懸念が出てくるし、逆に極端に
弱ければ米経済減速懸念が意識される。」

M「ああ。緩やかな経済拡大という感じで、確かに程よいと言えるのかも知れない
。」

T「ただそれでは、なかなかドル買いの動きも続きにくいとの声も多い。」

M「今週はドル買い円売りとなっており円安進行したことが日本株の支えになった
といえるが、昨日の雇用統計をうけ再び円高へと戻している。」

T「まあ今週発表されたISM製造業景況感指数や非製造業景況感指数が強かったことがドル買い要因だが、やはり週末の米雇用統計へ向けてのドル買い戻しの動きが結構あったようだ。」

M「そうだろうな。シカゴ先物動向見ると、投機筋の円買いポジションは結構積み
上がっている状況だ。それだけに、週末の雇用統計へ向け、買い戻しに動いてきた
投機筋が多かったのかもな。」

T「だとすると、雇用統計通過後は再び円買いポジション積み上げてくると言う懸
念もあるのかもな。」

M「まあそこまで弱い雇用統計ではないだけに、再び円買いポジション積み上げて
くるかは不透明だが・・・。」

T「取りあえずイベントとしては9日の米大統領候補によるテレビ討論会だな。第
2回目だ。」

M「日本は連休中となるが、前回同様にヒラリークリントン候補が優勢な討論会と
なれば、リスクオンの動き強まりドル買い円売りになる期待はありそうだが・・。」

T「逆にトランプ候補が優勢な展開になると、リスクオフの動きでドル売り円買い
という動きになる。」

M「それによってどっちにも転びそうだな。」

T「それにきな臭いのがポンド安だ。今週はポンド安の流れとなっており、昨日な
んて波乱的にポンドが売られた。」

M「ああ。色々と言われているが、根本的にあるのはやはりブレグジットだろうな
。英国のメイ首相が来年3月までにEU離脱を正式に通告する方針を明らかにした。」

T「ああ。まだ時間的に猶予はあるが、もしかすれば通告せず再度の国民投票でブ
レグジットやめるなんて事もあるのではという見方もあった。」

M「ただその可能性は消えたといえそうだ。もともとメイ首相は年内の通告はしな
いと言っていた。ただその先には言及していなかった。」

T「今回来年の1-3月中に通告することを明らかにしており、いよいよブレグジット
が本格的に意識されてくるかもな。」

M「まだ時間的猶予はあるが、昨日のポンド急落などは、やはりブレグジットが背
景にあるのかも知れない。」

T「今後もこのような事は起きる恐れもあるだろうな。ブレグジットを巡っての思
惑などで・・・。」

M「ああ。それを利用して仕掛けてくる向きも出てくる恐れはあるだろう。」

T「取りあえず今は、米国の利上げ問題や大統領選という大きなイベント控えてい
るだけに、ブレグジット懸念は再燃して欲しくはないけどな。」

M「そうだな。来週から米国では企業決算発表が始まる。それも非常に注目だろう
。」

T「ああ。8日のアルコアから本格的に決算発表シーズン入りだな。幸先の良い決算
魅せて欲しいモンだ。」

M「まずは、9日の米大統領候補によるテレビ討論会、波乱無く通過して欲しいとこ
ろだ。」

T「そうだな。期待したいモンだ。」