◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆ 2016/10/15(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は上昇一服となったものの、大きく下げたわけではなく悪くない動きだ。」

M「そうだな。日経平均TOPIXも先週末比より下げて今週を終えたものの、大した
下げではなく、ほぼとんとんだろう。」

T「ただ今週は米国株が結構下げたからな。それを考慮すれば日本株底堅いと言
える。」

M「ああ。先週末の米雇用統計が弱めだったことで警戒されたが、原油相場がしっ
かりとなっており米国株の下支えとなった面もある。」

T「そうだな。ロシアのプーチン大統領OPEC減産合意に参加する用意があると発
言したことが好感されている。」

M「まあ、口先介入みたいなモンだろうけど、WTI原油先物は1バレル節目の50ドル
台をキープしているからな。」

T「懸念された円高も進まなかった。米雇用統計をうけ急速に円高へ戻してきたた
め今週は円高進行が懸念されたものの、今週はドルは対円で下げ渋っていたと言えるだろう。」

M「それが今週の日本株には大きい。支えになったのは確かだろうな。」

T「米雇用統計へ向け、円安基調になっていたが、雇用統計を機に流れが変わると
いうことはあり得たからな。」

M「ただそうなっておらず、相変わらずドルの底堅さが見られている。」

T「特段、新たなドル買い材料も今週は見られていないんだが・・・。」

M「そうだな。恐らくヘッジファンドなどの投機筋がドル買い戻しているんだろう
。CMEの円先物ポジション動向見ると、投機筋は円買いポジションを結構積み上げていた。」

T「ああ。つまり円高方向に行くと想定して円先物を買っていた向きが多かったと
いうことだな。」

M「ああ。ただ先週末に雇用統計発表控えていたこともあり、先週はかなり円買い
ポジションを減らしてきている。」

T「そうだな。朝方発表されたシカゴ投機筋ポジション動向によれば、円買いポジ
ションかなり減った。」

M「ああ。投機筋による円買い越しポジションは前回6万8000枚以上もあったんだが
、それが1週間で4万6000枚近くまで減っている。この1週間で2万2000枚以上減った
ことになる。」

T「そうだな。これは今週火曜日までのデータだが、それまで確かに円安へと振れ
てきていた。その後もドル円底堅く推移しているところを見ると、まだ投機筋によ
る円先物手仕舞い売りが出ているのかも知れない。」

M「まあ投機筋も時期的に手仕舞いする時期だともいえるからな。11月決算が多い
だけに・・・。」

T「来週も円安圧力強い状況続くなら良いが・・。」

M「ただ大きく円安へ進行していく雰囲気はない。1ドル104円台までは乗せるんだ
が、やはり105円の壁がかなり意識されている感じだ。」

T「だろうな。その水準は輸出企業の想定為替レートが多い水準だけに、1ドル105
円越えてくれば結構なドル売り円買い圧力が強まるだろう。」

M「そうだな。それを越えていけるには、やはり材料が必要だ。米国の利上げペー
スが速まるのではと言ったような思惑など・・。」

T「昨日発表された米小売売上高は堅調だった。とはいっても予想通りでサプライ
ズはない。来週は経済指標発表多く、それらがいずれも強い数字ならば、ドル買い
圧力強まるかもな。」

M「ただ来週は米企業の決算発表が続々出てくる。今週アルコアの決算を皮切りに
始まった決算発表シーズンが本格化してくる事になる。」

T「そうだな。アルコア決算は予想下回ったことで、企業業績への警戒感が意識さ
れて米国株は大きく下落したからな。」

M「ああ。昨日の金融機関の決算は良かったものの、やはり警戒すべきは輸出企業
だろうな。来週発表される米企業決算が悪いもの相次ぐと、米国株にはかなり重し
となる。」

T「そうなれば当然リスクオフの動きになりやすく、為替市場ではドル売り円買い
の動きになりやすくなる。」

M「それだけに企業決算発表は注目だな。」

T「ただ既にトランプリスクが大きく後退しているからな。」

M「まあ、トランプリスクはテールリスクと見られていたが、前回行われたテレビ
討論会でもヒラリークリントン氏が優勢だったし、トランプ大統領誕生というトラ
ンプリスクは大きく後退している。」

T「来週には最後となる3回目のテレビ討論会が行われる。それでクリントン氏が
トランプ氏に印籠渡せれば、更に安心感に繋がるかもな。」

M「欧州ではECB理事会もあり、それも含めて来週は色々とイベント多い。それらが
日本株にどういう影響与えるのか注目だな。」

T「ああ。いい加減にこのどっちつかずの展開を終わらして欲しいモンだけどな。
期待したいところだ。」