＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝◆◇地場者の立ち話～番外編～◇◆＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
Ｔ「今週の日本市場も週間ベースでは反落となった。これで2週連続の下落だ。」
Ｍ「ああ。今週はイベント目白押しだったからな。
手仕舞い売りも出やすかっただろうし、手控え感も強まりやすかったといえる。」
Ｔ「日経平均は節目の19000円も割り込んで18600円台まで下落する場面もあった。
今年の高値から見れば、およそ1000円下げたことになる。」
Ｍ「そうだな。今週は週前半が波乱的な動きで軟調だった。
英国のメイ首相がブレグジットに関して演説を火曜日に行ったが、その警戒感から売られていたといえる。」
Ｔ「既に先週からEU単一市場からの撤退を示唆する発言があるのではと警戒はされていたんだが、火曜日には演説でそれを表明することが明らかになった。」
Ｍ「EUからの完全撤退と目指すとのことでハードブレグジットになるとの警戒も強いからな。」
Ｔ「為替もリスク回避の円買いになっており、円高へ進行していた。1ドル112円台まであったからな。」
Ｍ「それにより日本株も大きく売られたが、演説後はアク抜け的な動きになっている。」
Ｔ「ああ。演説へ向け売られてきていたポンドも反発する動きになっており、ドル円も円安へと再び戻してきている。」
Ｍ「メイ首相演説を受けてアク抜けとなったことに加えて、翌日の水曜日にはイエレンFRB議長が講演を行い、継続的な利上げを示唆したことがドル買いに繋がり円安要因となった。」
Ｔ「確かにハードブレグジットへの懸念はあるが、実際に英国がEU離脱するのはまだまだ先の話だからな。」
Ｍ「ああ。英国は3月までに正式に離脱をEUに通達し、それから2年間の協議期間に入る。
2年後には正式に離脱となるが、段階的な離脱の可能性も高いと見られており、完全離脱には5年くらいかかるのではとの見方もある。」
Ｔ「ある意味、今後も波乱材料になりそうだが、取りあえず今から懸念してリスクオフの動きが続いていく訳じゃないからな。」
Ｍ「そうだな。ただ今回、完全離脱を表明したことで、英国から他のEU国に拠点を移す企業は増えてくるだろうな。」
Ｔ「ああ。それにより英国経済は減速していくという恐れはある。」
Ｍ「まあ、一気に英経済悪化ということでもないだけに、世界経済への影響は限定的だろうけどな。」
Ｔ「取りあえずポンド安が英国経済を支えるという期待もあるわけだし。」
Ｍ「次ブレグジット問題が警戒されるとすれば、やはりEUに正式通達する時だろうな。
それから離脱交渉が本格的に始まる。」
Ｔ「ひとまず今回はアク抜けとなったが、今後もこのブレグジット問題は注目しておくべきだろうな。」
Ｍ「ああ。今週はもう一つ、大きなイベントがあった。米新大統領の就任式だ。」
Ｔ「これで正式にトランプ氏が第45代米国大統領に就任した。警戒と期待が交錯する中、日本株は取りあえず週末へ向け上げてきている。」
Ｍ「週前半ブレグジット問題で売られていただけに、切り返した格好だ。今週は空売り比率も高まっていたし、買い戻しの動きも出やすかったんだろう。」
Ｔ「米国株は、ダウは弱含みで5日続落するなど警戒感も見られていたが、S&P500指数やナスダック指数は揉み合いだったといえ、全体的にはやはり売り買い交錯だったようだ。」
Ｍ「注目された就任式は、取りあえず無事終わった。かなりの抗議デモなどがみられ、懸念もされていたが・・・。」
Ｔ「そうだな。演説内容は、特段目新しさはなく、ほぼ想定されていたような内容だった。」
Ｍ「ああ。これをうけ米国株は上昇している。ただ再びトランプラリーが始まったというような動きではなかった。」
Ｔ「午前中は結構期待感から上げていたんだが、昼前には失速して演説始まると不安定な動きとなっていた。」Ｍ「無事演説が終わったあとは、やや強含みの揉み合いだったという感じか。
引けにかけては買い戻しの動きなのか、上げてきて引けている。」
Ｔ「まあ前日までダウ5日続落していたわりには、強い上げとは言い難い。」
Ｍ「週末だし、この日は米国は大統領就任式の祝日だからな。参加者乏しかったということもあるんだろう。」
Ｔ「そうだな。それだけに週明けの動きの方が注目かもな。新たにトランプ政権への期待から買いが強まるのか、それとも手仕舞い売りが優勢になってくるのか・・。」
Ｍ「手仕舞い売り優勢の動きになってくるようだと、トランプラリーは本格終了という恐れもあり得る。」
Ｔ「ただ月末には一般教書演説を控えているし、2月には予算教書もあるからな。」
Ｍ「そうだな。それまでは期待感も燻り続ける期待は確かにあるかもな。あとは内容次第と言うことになるか・・。」
Ｔ「米国株は就任式をうけしっかり上昇したが、為替市場ではドル売りになっている。ドル円は円高気味だし、来週もドル売り続くようだと日本株には重しとなるかもな。」
Ｍ「ああ。それだけに為替も動きも週明け注目だろうな。」
Ｔ「それに来週から日本でも本格的に企業決算発表が始まる。好決算相次げば日本株を見直す機運になる可能性もあるだけに期待したいモンだ。」
Ｍ「ただ円安により特に輸出企業の決算期待も高まっているだけに、期待に届かないと怖いかもな。」
Ｔ「まあ期待したいモンだ。」
