元慰安婦招待、日米政府に相談なし トランプ氏歓迎会
韓国政府が7日に主催したトランプ米大統領の歓迎夕食会に、元慰安婦の女性が招待され、日韓が領有権を主張する竹島の韓国名を冠した「独島(トクト)エビ」が出された問題で、韓国大統領府は、外交省や日米両政府に対して元慰安婦の招待を事前に相談しないまま行事を推進していた。
複数の日米韓関係筋が明らかにした。大統領府は夕食会前日の6日夜、記者団にメニューや招待者を説明。ソウルの日米両大使館にも伝わった。
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韓国政府は米側に対し、この女性が2007年2月に米下院の公聴会に出席したことがあり、米韓の友好関係を象徴する存在だったと説明したという。女性は9日、韓国CBSラジオのインタビューで「トランプ氏に慰安婦問題の解決を訴えたかった」と説明。日本側の批判に対して不快感を示した。
また、夕食会で出された「独島エビ」はトランプ氏がロブスターを好むため、似た食感の食材を提供したという。大統領府側から、日米両政府に対してエビの使用についての相談はなかった。
一方、韓国外交省報道官は9日、「メニューと招待対象者は、諸般の要素を総合的に勘案して決めた。問題提起は適切ではない」と述べた。報道官は、こうした反論を外交チャンネルを通じて日本側に伝えたことを明らかにした。河野太郎外相は8日、この問題を巡って韓国の康京和(カンギョンファ)外相宛てに抗議していた。
米国務省朝鮮部長を務めたデビッド・ストラウブ・韓国世宗(セジョン)研究所・世宗LSフェローはこの問題について「大きな問題とは言えないが、米国にとっては韓国も日本も友人。利己主義的と言われても仕方がない」と語った。
韓国の専門家の一人も「国内行事ならわかるが、韓日の争いを国際行事に持ち込むのは幼稚ではないか」と語った。(ソウル=牧野愛博)