正恩氏妻"処刑"から部下救う
正恩氏妻"処刑"から部下救う
2018年06月07日 06時44分 デイリーNKジャパン
李雪主氏(朝鮮中央通信)
会食の席上、韓国側の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長はヘビースモーカーとして知られる金正恩氏に「たばこは体に悪いので、おやめになったらどうですか」と勧めた。この言葉に、同席していた北朝鮮側の金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長は凍り付いたという。
それもそうだろう。金正恩氏が気に入らない人物を無慈悲に処刑してきたことを、金英哲氏はあまりにもよく知っている。彼とも近しい関係だったはずの玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)元人民武力部長は、金正恩氏によって「ミンチ」にされて殺されてしまった。
しかしこの場には、「救いの女神」がいた。同席していた李雪主氏が「いつもたばこをやめて欲しいと頼んでいるが、言うことを聞いてくれない」と手をたたきながら喜び、その場を和ませたのだ。
韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使の自叙伝『3階書記室の暗号 太永浩の証言』(原題)によると、李雪主氏はかなり前から、このような機転を見せていたようだ。太永浩氏によれば、その出来事は2012年7月25日に起きた。