◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2018.07.28

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週もやや波乱含みだったものの、週間ベースでは日経平均TOPIX共に続伸した。」

M「ああ。週明けは米国による貿易摩擦懸念や、日銀が金融政策を修正するとの報道が重しとなり、やや波乱的な動き見せたのの、その後はしっかりとした展開だったといえる。」

T「そうだな。その後、貿易摩擦懸念は、米国とEUがひとまず合意に漕ぎ付け、貿易戦争は回避され、懸念後退している。」

M「まあ先行き不透明感は残しているが、ひとまずEUがやや引いた格好だろうな。」

T「EUは米国から大豆と液化天然ガス、つまりLNGの輸入拡大を約束してしな。それにトランプ大統領EUとは貿易戦争避けたい印象もあるんだろう。」

M「EUと貿易戦争になれば、米国経済にも大きなダメージだ。それに米国内からも批判的な声が非常に多く、トランプ大統領はそれを考慮した可能性もありそうだ。」

T「それに今週は国内で日銀の金融政策への思惑が市場に結構影響を与えていたといえるだろう。」

M「ああ。先週末に、日銀が金融政策の副作用を考慮して柔軟化させることを検討すると複数のメディアで報じられている。」

T「現在の長期金利はゼロ%になるよう誘導して日銀が長期債などを購入しつつづけているが、その誘導金利を柔軟化させるのではとの思惑に繋がった。」

M「この報道により週明けから債券市場では債券が売られ、金利が上昇している。」

T「ある意味、テーパリングになるのではとの懸念にも繋がった面もあるのかもな。」

M「まさか現状で日銀がテーパリングだと市場に思われるような修正を行うとは思えないけどな。」

T「ああ。ただ柔軟化させるということは、市場がそういう受け止めてしまう恐れもあるだろう。」

M「さっそく日銀は債券下落、金利上昇を食い止めるため、指し値オペを実施した。しかも今週、23日と27日に2回も行っている。」

T「市場が先走っている思惑を、まるで否定するかのような感じだな。」

M「そうだな。来週の日銀会合で果たして長期金利誘導目標を本当に柔軟化させるのか注目される。」

T「金融政策の柔軟化は、ETF購入に関しても含まれるとも報道されている。市場では日経平均連動型ETFの購入額を減らして、その分、TOPIX連動型などを更に増やすのではとの見方に繋がった。」

M「ああ。それに関しては、26日には日経新聞でも報じられている。」

T「それにより、今週は日経平均寄与度の大きな銘柄が売られて、TOPIX寄与度の大きな時価総額大きい銘柄が買われる動きが見られていた。」

M「そうだな。その影響で今週は日経平均よりTOPIXの方が強かったといえるだろう。まあ、それまでは日経平均の方が強くTOPIXが出遅れていたといえ、それが是正される格好となった。」

T「ああ。日経平均TOPIXで割ったNT倍率が今週低下してきている。それまでは過去にない高水準となっていた。」

M「先物でも日経先物ロングで、TOPIX先物ショートという、つまりNTロングポジを取っていたヘッジファンドなども多いようで、今週はその巻き戻しの動きが見られている。」

T「そのようだな。まあ良いことだろう。今までがある意味、いびつだったといえるだけに・・。」

M「そうだな。日銀がETF購入に関して柔軟化させるのは悪くはない。トータル的な買入金額は修正しなければの話だが・・・。」

T「それを減らすようならテーパリングだろう。」

M「ただ減らさないとしても、現在の年間6兆円を目処という水準を柔軟化させてくる恐れもある。例えばもっと幅広くレンジで決めるとか・・。」

T「場合によっては金額が減るという可能性も出てくることになる訳か。」

M「まあ市場がどう受け止めるのかは分からないが、いつかは減らさざる得なくなる。このまま今のような規模を買い続けるわけにはいかないだろう。」

T「だよな。国債と違って、償還がないだけに、いずれは売却する必要が出てくるものだからな。」

M「買い続ければ続けるほど、出口戦略が難しくなる。」

T「そうだな。まあ来週の会合で日銀は本当に柔軟化に踏み切るのか、踏み切るならどう柔軟化するのか注目だな。」

M「ああ。その結果次第では来週の相場、波乱となる恐れもあるかもな。」

T「だろうな。無事通過してくれれば良いのだが・・。期待したいモンだ。」