市場に流れる日産「上場廃止」説 “積極退場”の仰天情報も

市場に流れる日産「上場廃止」説 “積極退場”の仰天情報も

公開日: 2018/12/14 06:00

 日産自動車に対する市場の見方が、日を追うごとに厳しくなっている。

「ゴーン容疑者の再逮捕に加え、日産は法人としても金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)で起訴されました。イメージは一段と悪化したし、肝心のクルマが売れなくなる恐れも大きい。業績悪化は避けられないでしょう」(株式評論家の倉多慎之助氏)

 市場では、日産の「上場廃止」説まで流れている。

 東証は、内部管理体制の改善が必要と判断した企業を「特設注意市場(特注)銘柄」に指定する。条件のひとつに「有報の虚偽記載」があり、日産はこれに該当する。

 過去には、東芝やシャープ、オリンパスなどが「特注銘柄」に指定された。

「もっとさかのぼると、ライブドアカネボウがそうでした。両社とも上場廃止になっています。東証は、日産を特注銘柄に指定するかどうかの検討に入ったと伝わっています。となると、上場廃止もチラつきます」(市場関係者)

■上場維持でも株価下落は不可避

 一方で、日産は売上高や利益など投資家を欺く「重大項目」の虚偽ではなく、虚偽としては、さまつともいえそうな将来の役員報酬の不記載が疑われているため、上場廃止には至らないという関係者も多い。

 ただし、この先、株価は下落していく可能性が高い。

「たとえ上場が維持されたとしても、株価の大幅下落は避けられないでしょう。12日は9円弱上昇しましたが、その前は4日続落でした。今後、特注銘柄になると機関投資家の大量売りが発生し、株価はさらに下がります。直近10年高値の半値水準である700円の攻防が想定されます」(倉多慎之助氏)

 日産サイドがあえて上場廃止を選択するという仰天情報も浮上してきた。

筆頭株主であるルノーは日産株を約43%保有しています。あと7%弱を市場で買い増せば、保有比率は50%を超し、名実ともに子会社化できます。それを避けるために、何らかの形で市場から退場してしまう。考えられなくもないでしょう」(株式アナリストの櫻井英明氏)

 日産株を巡っては、海外ファンドを含め物言う株主が猛烈に買い集めているとの情報も飛び交う。上場廃止となれば、ハゲタカも手を出しづらくなる。“市場からの積極的な退場”はあるかもしれない。