秘密のSOS、父に筒抜け 専門家「最悪の対応」

秘密のSOS、父に筒抜け 専門家「最悪の対応」

 「お父さんにぼう力を受けています。先生、どうにかできませんか」。千葉県野田市立小4年の栗原心愛(みあ)さん(10)が、平成29年11月の学校アンケートで発した秘密のSOSは、暴力の相手だと訴えた父、勇一郎容疑者(41)=傷害容疑で逮捕=に筒抜けになっていた。子供を守るべき立場にありながら、威圧的な態度で迫る父の言いなりになった形の市教委に、専門家から疑問の声が上がる。
 NPO法人児童虐待防止協会」の津崎哲郎理事長は、市教委がアンケートのコピーを渡した行為について「被害を訴えているのに、加害者本人に見せるなんてあってはならない。子供はまた被害を受けても、学校が親に伝えて悪化することを恐れ、誰にSOSを出せばいいのか分からなくなる」と指摘する。

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 その上で、行政の面会を拒むなど、子供の保護をめぐる親とのトラブルは多いとし、「学校は『お答えできません』とだけ答え、抗議があっても家庭裁判所に申告すればよかった。中途半端な対応で事態を悪化させた上、学校は、子供より自分たちを守ることばかり考えた最悪の対応だ」と批判した。