◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2019.02.16

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週はしっかりと反発した。」

M「ああ。日経平均は先週まで越えられなかった21000円を超えていく場面も見られたな。」

T「そうだな。きっかけはドル円相場だ。ドル円も1ドル110円という節目がなかなか越えきれなかったが、日本が祝日だった11日に急進した。」

M「謎のドル高円安だな。関係ないとは思うが、その日スイスフランが急落する場面が見られた。投機筋による仕掛けとの見方だ。」

T「まあすぐに戻したけどな。」

M「ドル円の上昇が投機筋による仕掛けというわけではないだろうけど、今週はドル円が1ドル111円台まで乗せる場面もあったからな。」

T「今週の日本株は円安が好感されて日経平均21000円台まで上昇が、米国株がしっかり上昇したことも追い風になった。」

M「先週は、米中協議への不透明感から売り込まれたが、今週は一転して期待感に転じたからな。」

T「ああ。トランプ大統領は先週、米中首脳会談は3/1まで行われないとの見解を示したことで警戒されたが、今週は交渉期限の延長の可能性を示したことで安心感に繋がった。」

M「それに予算問題で、米与野党が新予算の暫定案で基本合意したことも好感された。」

T「そうだな。トランプ大統領は満足していないとの見解を示したものの、譲歩する姿勢も示しており、再度の政府機関閉鎖は回避されるとの見方に繋がった。」

M「その予算案が議会で可決し、トランプ大統領が署名し無事成立した。」

T「ただトランプ大統領は、まさかの非常事態宣言に踏み切った。」

M「驚いたな。あんな予算案でトランプ大統領がよくあっさりと譲歩したと思ったが、まさか非常事態宣言に踏み切るとは・・。」

T「成立した新予算案には、メキシコ国境の壁ではなく、フェンスを作る予算が盛り込まれた。13億7500万ドルだけであり、トランプ大統領が求めていた57億ドルには全く及ばない。」

M「その為、トランプ大統領は、足りない分を非常事態宣言をして予算捻出する考えのようだ。」

T「やはりフェンスではダメだということか。」

M「意地でも壁を作りたいんだろう。というか、公約だからな。トランプ大統領のコアな支持者達をつなぎ止めるためにも、壁を諦めるわけにはいかないんだろう。」

T「でも民主党はさっそく法廷闘争の構えを見せている。それだけに、この問題は法廷へ持ち込まれることにあり、その結果が出るまでは壁作れない。」

M「非常事態のために確保している財源を、本当に壁建設費用に充てて良いのか、確かに疑問だ。そもそも本当に非常事態なのかどうか・・。」

T「ただ司法も判断難しいかもな。何しろ非常事態宣言に関して明確で具体的な定義がないんだから。」

M「長引く恐れもあり、そうなれば壁建設も始められない。」

T「結局それが狙いなのかもな。トランプ大統領も公約だけに引けなくなっているが、本当に壁建設が必要だと思っていないかも知れない。」

M「法廷闘争になることで、この問題が先送りされることになるからな。もし法廷で負けても、それは仕方ないということになる。」

T「ああ。建前的に壁建設にこだわり続けたわけだし、公約を果たせなくても仕方ないということになる。」

M「いずれにしろトランプ大統領は強硬策に出たんだ。政局不安は一段と強まったと言える。」

T「でも米国市場では殆ど嫌気されていない。」

M「そうだな。正式に非常事態宣言した昨日も嫌気される動きは見られなかった。」

T「昨日は米中摩擦懸念が後退したことが好感され、非常事態宣言による政局不安懸念は打ち消された格好だ。」

M「米中協議は来週米国で継続する方針が示され、更にトランプ大統領は、合意できれば関税撤廃の可能性も示唆している。」

T「これもビックリだな。更なる関税引き上げしないだけでなく、今までの関税も撤廃する可能性を示すとは・・。」

M「関税撤廃となれば、中国景気減速懸念も後退する期待もあり、米国経済にも追い風になる。」

T「まあ不透明感は当然あるが、関税撤廃を示唆したことはやはり大きい。」

M「そうだな。それにより昨日の米国株はダウが派手に上昇した。中国摩擦懸念が重しとなっていた銘柄が派手に買われてダウを押し上げた。」

T「一部の議員からハイテク企業の過度な節税への批判が出たことで、ハイテク株には売られるものが見られたが、それでもナスダック指数はしっかりプラスで引けている。」

M「しかし、米中摩擦解消への期待を示唆して、一方で非常事態宣言だろ。トランプ大統領が意図的にやっているとすれば、ある意味大したモンだ。」

T「今までもトランプ大統領は、市場への懸念を強めるような発言したり、かと思えば期待させる発言をしたりと、それを繰り返している。」

M「ああ。今後も恐らくそうだろうな。そう考えれば、米中問題もあまり楽観視しない方が良いかもな。」

T「確かに・・。再び懸念を抱かせるような発言するかも知れないしな。」

M「取りあえず来週、しっかりとした展開に期待したいモンだ。」