◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2019.03.23

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「年度末となる今週の日本市場は大きく下落した。」

M「ああ。先週末の米国株が派手に売られたことから、週明け早々日本株は大きく売られてしまい、その後その下げを戻しきれなかった。」

T「そうだな。先週末に米国債券市場で米10年債利回りと3ヵ月債利回りが逆転し、いわゆる長短金利で逆イールドとなったことが一時的なリスクオフに繋がった。」

M「過去の例から、長期金利の逆イールドとなった後、必ずと言って良いほどリセッションに陥っている。それだけにその懸念が意識された。」

T「でも逆イールド発生してから、実際にリセッション入りとなるのはかなり先だ。おおざっぱに言えれば1~2年後といえ、そんなんたまたまじゃないのかとも言える。」

M「それにリセッション入りするまで、株価が軟調と言うわけでもない。逆イールド前の高値を超えることもあり、逆イールドで株が売られるという理屈もおかしい。」

T「だよな。まあ心理的手仕舞い売りに繋がったと言うことだろう。まさか今後来るかも知れない1~2年後のリセッションに備えて、保有株を全て手放すなんて人は居ないだろう。」

M「そうだな。ただその後は逆イールド懸念も落ち着いているし、昨晩は米10年債と3ヵ月債の逆イールドも解消されている。」

T「ああ。今週は米国株が強かった。先週末は逆イールド発生により派手に売り込まれたものの、今週はしっかり上昇している。」

M「まあ先週末の下落分は取り戻せなかったが、今週は落ち着いていたといえるだろう。」

T「そうだな。今週は米中の閣僚級通商協議が再開されており、米中合意への期待感が支えとなった面もあるだろう。」

M「ああ。昨日もそれで米国株はしっかりと上昇した。来週は今度は米国で協議行う予定だが、いよいよ大詰めという期待も高まっている。」

T「依然として不透明な点もあるとはいえるが、今は懸念よりも期待の方が強い状況だ。」

M「日本市場は米国株がしっかりだったことが支えとなったものの、今週は月曜日の下落が響き、週間ベースで下落となった。」

T「でも今週は配当の権利落ちもあったからな。それを考慮しても今週は下落となっているものの、大した下げでもない。」

M「そうだな。英国ではブレグジット問題が依然として混沌としているが、嫌気する動きも大してみられていないしな。」

T「ああ。昨日は英議会で、離脱案が再び採決されたが、またしても否決されている。」

M「これで3度目の否決だ。昨日は離脱協定案だけを抜き取って採決するという奇策に出たものの、楽勝で否決された。」

T「まあ前回より賛成と反対の票数の差は縮まっているとはいえるが、まだまだ大きな差がある。」

M「これにより、離脱期限は4/12までとなった。離脱協定案だけでも可決されれば5/22まで延期されたんだが・・。」

T「Xデーは4/12か。もしかすればハードブレグジットとなる可能性も十分あると言うわけだ。」

M「ああ。英国内ではもうハードブレグジットで良いよという声も増えているようだし、本当にハードブレグジットになってしまう恐れもあるのかもな。」

T「ただ離脱自体をやめるよう求めている声も多いようだし・・・。」

M「そうだな。それだけに難しい問題だし、実際にどうなっていくのか、かなり不透明だ。」

T「英国は4/12までハードブレグジットするのか、それとも打開策を打ち出すのかという選択肢を迫られることになる。」

M「ただ打開策となるような代替案がそう簡単に出せるのなら、こんな状況にはなっていないと言えるだろう。」

T「だよな。例え代替案が出されても、EUが認めなければ意味はない。EUは英国の都合の良い離脱案など認めるわけがないしな。」

M「まあ内容にもよるだろうけど、まあ認めないだろうな。」

T「それを認めてしまうと、今後EU離脱する国が続出すると言う懸念もある。」

M「ただ今回問題になっているのは、基本的に英国特有とも言えるけどな。アイルランドが英国領の北アイルランドがあることから、ややこしくなっている。」

T「まあそうだな。」

M「それだけに打開策なんてそう簡単に出てくるわけがない。結局はハードブレグジットするのか、もしくは長期的な延期を余儀なくされるかの二択だろう。」

T「長期的な延期を決めて、解散総選挙するなり、国民投票で再度EU離脱を問うなりするしかないのかもな。」

M「そうだな。ただ長期的な延期するなら、ハードブレグジットするべきだとの声も強まる恐れもある。」

T「まあ離脱推進派の議員には、ハードブレグジットもやむ無しとの考えも多いようだし・・・。」

M「いずれにしろ、このハードブレグジット問題は来週以降も懸念として燻り続けることにはなりそうだ。」

T「来週から名実共に新年度相場入りとなる。色々と懸念も多いが、取りあえず好スタートを見せて欲しいモンだな。期待したい。」