◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2019.08.03

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は波乱の相場となった。」

M「ああ。今週は注目された米FOMCがあり、それが波乱の幕開けになった格好だ。」

T「FOMCでは、想定されていたとおり政策金利を0.25%引き下げた。」

M「ただパウエルFRB議長が記者会見で、継続的な利下げを否定し、追加利下げを明確に示唆しなかった。」

T「まあ追加利下げの可能性は排除していないんだが、市場では思ったよりパウエルFRB議長はタカ派姿勢だと受け止めたようだ。」

M「だろうな。今回の利下げも一部では0.5%もあり得るのではとの期待もあったようだし、0.25%でも良いから、取りあえず追加利下げをもっと明確に示唆して欲しかったんだろう。」

T「そもそも今回の利下げに反対する投票メンバーが2名おり、全員一致での利下げではなかったからな。」

M「そうだな。反対した2名は利下げせず現状維持を訴えていた。せめて反対理由が0.5%引き下げるべきだという反対なら良かったのかも知れない。」

T「利下げ必要ないというメンバーが複数名いる以上、パウエルFRB議長は追加利下げを明確に示唆できなかったという面もあるだろう。」

M「まあそうだな。」

T「でもバランスシート縮小の停止を当初予定されていた9月末から2カ月前倒しすることも決めた。」

M「まあこれもある意味、想定はされていたと言えるだろう。そもそもバランスシート縮小というのは金融引き締めにあたる。」

T「まあそうだな。ただ利下げは金融緩和だな。」

M「利下げという金融緩和をしたにもかかわらず、バランスシート縮小を続けるというのも変な話だ。」

T「利下げする以上、バランスシート縮小を停止するのは、ある意味当然か・・。」

M「それだけにバランスシート縮小の停止を前倒しするのも想定内といえ、今回のFOMC結果はサプライズはなかったと言える。」

T「まあ米国株は利下げ期待で随分と上げてきたからな。FOMC後に売られるのも無理はないか・・・。」

M「ああ。別に追加利下げが否定されたわけではないからな。現に翌日には、弱いISM製造業景況感指数をうけて、追加利下げ期待から米国株は大きく反発していた。」

T「そうだな。トランプ大統領が余計なこと言うまでは・・。」

M「その日の午後に、トランプ大統領が対中関税第4弾発動を表明したことで、米国株は急落している。」

T「FOMC後にやや波乱となった米国株が、翌日には早くも落ち着きを取り戻していたところに、トランプ砲がぶちかまされた格好だ。」

M「その日のダウは300ドル超の上昇から、一転して300ドル超の下落となる場面も見られた。久々に見るジェットコースター相場だ。」

T「しかし、ここでのトランプ大統領の対中関税第4弾発動表明は、意表付かれた面は否めない。」

M「ああ。米中閣僚級通商協議を終えたばかりだ。別に決裂したわけでもないし、次回は9月に米国で協議を行うことは合意している。」

T「まあ進展は見られなかったが、そもそも今回の会合での進展は期待されていなかった。」

M「ただこの会合を終えて帰国したムニューシンやライトハイザーがトランプ大統領に報告した後に、対中関税第4弾発動表明している。」

T「協議状況から、中国側に譲歩する気がないと言うことを感じ取ったのかも知れない。それによりトランプ大統領が牽制してきたという感じか。」

M「取りあえず9/1から3000億ドル分の中国製品に10%の関税を掛けるとのことだ。しかも段階的に関税率を引き上げる可能性も示唆している。」

T「これをうけ昨日の米国株も大きく下げており、週明けの日本市場も波乱含みだ。」

M「まあ仕方ないだろう。当面、発動はないと見られていた対中関税第4弾が発動される恐れが急に浮上したんだから。」

T「トランプ大統領は8月相場早々に波乱要因をぶち込んできた。それでなくても8月相場は荒れることが多いのに・・・。」

M「そうだな。今後は中国の動向だろう。トランプ大統領の発言をうけて中国政府は遺憾の意を示しており報復措置も示唆している。」

T「どういった報復措置に動くのか、それとも報復措置を匂わせ続けるだけなのか・・。」

M「いずれにしろ報復措置に動くのは、対中関税第4弾発動後だろうな。それまでにどういった報復をするか明らかにするのかしないのかは分からない。」

T「取りあえず来週もこの米中問題がかなり意識されそうだ。来週末には落ち着き取り戻していればいいのだが・・。」

M「そうだな。期待したいモンだ。」