◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆ 2011/12/24(土)発行

=================
◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
=================
T「今週は不安定な揉み合いだった。日経平均は8300円割れとなる場面もあったが
、その水準では下げ渋った。ただ上値も限定的でSQ値は超えられずだ。」

M「まあ、完全に様子見ムードだったし、年末も近いことから積極的にポジション
とる向きも乏しかった。」

T「今週も欧州問題に振り回された感じだな。先週末にはフィッチがフランス格付
けをネガティブに変更し、既にネガティブとなっているイタリア、スペインなどは
格下げ方向で見直すと発表した。」

M「S&Pに続き、フィッチまで格下げしてくると言う懸念が強まり重石となった。」

T「それに月曜日に行われたユーロ圏財務相電話会合ではEFSFとESMの上限引き上
げに関し、合意できず失望を誘った。」

M「でも20日に行われたスペイン国債入札が好調だったことから、欧州債務懸念も

一時的に和らいだ。しかし翌日に行われたECBによる3年物資金供給が銀行から想定

以上の需要があり、改めて欧州問題の深刻さを意識させられた。」

T「ただこのECBによる資金供給により、銀行の流動性リスクは後退したことにな
るだけに、好感されても良いようなモンなんだけどな。」

M「それだけ市場心理も不安定だということだろう。ただ一昨日と昨晩の米国市場
は共にしっかりと上昇しており、欧州債務懸念も和らいでいる格好だ。」

T「そうだな。週末にはS&Pがいよいよフランスを格下げするとの懸念も強まった
んだが、結局格下げはなかったからな。」

M「一部報道によれば、S&Pは1月に見直し結果を発表するとのことだ。裏を返せば
、年内は格下げ発表はないということになる。」

T「そうだな。昨晩の米国市場派手に上昇したが、その報道も好感している面もあ
るのかもな。」

M「まあ、それで上げたわけでもないだろうけど、多少影響はあるだろう。昨晩の
米国市場は好調な経済指標と年末で期限切れとなる給与税減税に関して民主、共和
両党が2ヶ月延長で合意した事が好感された。」

T「延長されなければ年末に減税が切れ、米景気に悪影響を及ぼすと警戒されてい
たからな。ただ2ヶ月延長だろ。またどうせ2月末近くになれば懸念視されそうだが
・・・。」

M「ああ。それまでに更なる延長案が合意できればいいが、恐らく次回も期限ギリ
ギリまでもたつくんだろうな。」

T「まあ、何はともあれ暫くは懸念材料にならなくて済む。欧州債務懸念も取りあ
えず年内はこのまま落ち着いていきそうだし、こりゃ年末へ向け全体的に上昇して
終わるという期待も出て来たかもな。」

M「取りあえずシカゴ日経先物は8500円以上で返ってきているし、週明けは8500円
超で始まる期待はある。そうなれば25日移動平均線もSQ値も上回ることになるだけ
に、心理的には大夫良くなると言えるだろう。」

T「もちろん上値を買っていく展開にはならずとも、売り込まれる懸念も乏しいと
言える。」

M「来週は国内相場は更に閑散相場となるが、米国では重要な経済指標も多い。そ
れらが引き続き好調なもの目立てば、薄商いの中、少ない買い物で年末株高という
展開もあるかも知れない。」

T「ああ。最近の米国の経済指標は良いものが非常に目立つ。一昨日に発表された
新規失業保険申請件数は36万4000件となり、3年8ヶ月ぶりの低水準となった。市場
予測よりも少なかったし、米雇用は着実に改善しているといえる。」

M「雇用が改善すれば、個人消費も増加するだろうし、それが米経済を回復させる
。更に住宅関連指標も結構良いものが多い。」

T「昨晩は米新築住宅販売件数が発表されたが31.5万戸となり、市場予測をやや上
回った。20日に発表された住宅着工は非常に強い数字だったし、21日の中古住宅販
売は市場予測は下回ったが、前回より増加していた。」

M「米経済が本格的に回復へと向かうには雇用関連と住宅関連の回復が必要不可欠
といえ、それらがここに来て回復鮮明になってきたことは非常に好感できる。」

T「欧州債務懸念の影響はいうほど米経済には出ていない格好とも言える。」

M「まあ、今後出てくる恐れはあるけどな。中国経済には欧州債務懸念による影響
が着実に出て来ているだけに、中国経済減速強まれば米経済にも影響は当然出てく
る。」

T「時間差で影響が現れると言う懸念は確かにありそうだ。」

M「ただ雇用と住宅がこのまま良くなっていけるならば、それが国内景気が良くな
る事に繋がり、中国経済減速の影響を打ち消す期待はあるかもな。」

T「ある意味、QE2の好影響がここに来てようやく出てきた可能性もあるのかも知
れない。」

M「確かに。昨年11月から今年6月まで実施されたQE2が本当に米経済に好影響だっ
たのかという疑問抱く向きは多い。その疑問が乏しくなれば、ある意味QE3もやり
やすくなる。」

T「でも、このまま米景気回復が鮮明になっていけばQE3はやらないだろう。」

M「いや、この景気回復を腰折れさせずに本格的な回復へと向かわすには、やはり
QE3で追い討ちをかけるべきだろう。欧州債務懸念だって今後強まることになるの
は避けられないんだから。その影響が米経済に本格的に出てくる前に、米国は手を
打つという期待はありそうだけどな。」

T「そうなれば良いけどな。」

M「まあ来年の次回FOMCで、FRBはどういう見解を示すのか注目だな。次回QE3に踏
み切るという可能性は乏しくなっているといえるが、その可能性を示すのかどうか
・・・。」

T「そうだな。取りあえず今年も残すところ1週間だ。今年は色々あったが、最後
はしっかりと上昇し来年相場へと繋げたいモンだ。」

M「ああ。期待したいモンだ。最後、1週間気を引き締めて相場に取り組みたい。」