欧州問題。。

[フランクフルト 11日 ロイター] 格付け会社フィッチ・レーティングスの幹部は11日、欧州中央銀行(ECB)はイタリアを支援し、ユーロ崩壊という「大惨事」を回避するため、国債買い入れを拡大すべきとの見解を示した。

フィッチのソブリン格付け部門を統括するデービッド・ライリー氏は、欧州で開催されているロードショーで投資家に対し、ユーロ崩壊は世界経済に悲惨な結果をもたらすと指摘した。ユーロ崩壊はフィッチの基本シナリオではないものの、イタリアが債務問題への解決法を見い出せない場合、起こり得る可能性があると警告。ユーロは準備通貨であり、金融・政治的安定への影響を踏まえると、崩壊は大惨事になるとの見方を示した。
「イタリアが事態を乗り切れない場合、ユーロ存続を信じることは難しい」とし、多くの関係者がイタリアは政治・経済的重要性が大きく破たんは容認できないとみると同時に、大きくて救済は難しいと認識している可能性があると述べた。

同氏は、ECBがイタリアなど債務問題に陥ったユーロ圏諸国の国債買い入れ拡大に消極的であることや、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)によるECB資金の利用に抵抗を示していることについて、このような姿勢を改めるべきと主張。「ECBの積極的な関与なしにどうやってユーロを救済するのか。率直に言って救済できるとは思わない」と述べ、ECBにはバランスシートを拡大する大きな余地があると指摘した。
その上で、金利に上限を設けたり、金利が7%を超えることは容認しない、あるいはどの水準を上限とみなすかをECBが表明すること、EFSFに銀行免許を付与し、EFSFが市場から資金を調達しなくても済むよう、ECB資金の貸し出しを可能にするといった方策が考えられるとした。

フランスについては、債務危機がくすぶるなか、同国経済は不安定な状態にあると指摘。「フランスは、ユーロ圏の最高格付け保有国のなかで一番弱い」との認識を示し、ドイツとともに、ユーロ圏救済基金の主な担い手として負担が重くなっているとした。
またギリシャについては、今後の行方は予測が難しく、ユーロ圏を危機に陥れる可能性もあると指摘。その上で、ユーロ離脱によって国内に生じる損傷を踏まえると、ギリシャ政府がユーロを脱退することはないだろうと話した。