◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆ 2012/01/28(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週もそれになりしっかりの展開だったと言えるだろう。先週は大きく上げてき
ただけに、上値重くなるのも仕方ないが、下げる展開にはなっていないと言え上出来
だ。」

M「そうだな。日経平均は久々に8900円台に乗せる場面も見られたり、このまますん
なり9000円台回復と行きたいモンだが・・・。」

T「難しいだろうな。9000円台なら売りたい向きはえらい多そうだしな。下値でこつ
こつ買っていた、公的年金資金が売ってきても不思議無い水準といえる。」

M「まあそれ以上に海外勢の買いが入ってくれば良いのだが、ここに来て為替が再び
円高懸念出てきているし・・。」

T「海外勢は為替動向に敏感だからな。」

M「ああ。今週はドル円も大きく円安へと振れる場面があったんだが・・・。」

T「31年ぶりとなる貿易赤字を受けて、円売りが加速した。ドル円は78円台まで円安
進行したんだが、円売りの流れは続かなかった。」

M「FOMCでサプライズがあったからな。実質ゼロ金利の時間軸を1年強延長した。株式
市場には追い風要因だが、ドルにとっては売り材料だ。」

T「そうだな。結果ドルが売られ円が買われたため、ドル円はあっさりと元の揉み合
っていた水準に戻してしまった。」

M「戻すだけならまだ良いが、このまま円高が一段と進んでいくという懸念もあるだ
ろう。」

T「まあ更に円高進行すれば再び円売り介入の思惑も出てくるとはいえ、日本株買い
要因にはなりにくい。」

M「そうだな。今週前半に急速に円安へ進行したときは、海外勢による輸出株の買い
が目立っていた。それだけに、あのまま円安基調にならなかったのは非常に残念だ。」

T「やはり円安へ振れれば、日本の輸出株は見直し余地が大きいんだろうな。」

M「そりゃそうだろ。日本株がこれほど出遅れているのは、何と言っても円高という
要因が大きいからな。ある意味、この円高状態で日本企業は良く頑張っているといえ
る。」

T「確かにそうだな。ただ長期化するとなると厳しくなる。」

M「しかしドルもユーロも今後一段と緩和する可能性が高い状態であり、相対的に円
は買われやすい状態だ。それだけに緩和状態から判断すれば、今の為替水準が決して
異常ではないとも言える。ある意味、適正といって良いのかも知れない。」

T「今までの円安が異常だったと・・・。」

M「まあ、その時はユーロもドルも今ほどは緩和していないからな。それはそれで適
正だったんだろう。」

T「つまり今の水準が適正であれば、このままなら円安へと大きく戻していく期待は
殆ど無いと言うことになる。」

M「ああ。欧米が金融引き締めに転じない限り、円安進行しても限定的になりそうだ
。」

T「だったら日本が欧米以上に緩和すれば良いんじゃないのか。」

M「それをしてくれるなら問題ないんだけどな。何故かそうしようとしない。」

T「まあ、来週為替動向がどういう展開になるのか注目だな。せめて今の水準で落ち
着いてくれれば良いのだが・・・。」

M「昨晩の米国市場は高安まちまちとなった。ダウは結構下げたものの、ナスダック
は終始しっかりの展開だったな。」

T「そうだな。GDPが予測より悪かった事が嫌気されたようだが、企業決算も昨日は良
くないものも目立っていた。」

M「ああ。フォードやシェブロンが決算嫌気し売られており、相場の重しとなってい
る。」

T「ギリシャ債務交換協議は依然として合意されずだ。報道では昨日の内には合意さ
れるなんて事も言われていたが・・・。」

M「でも合意近いなんて報道は先週末の時点でも出ていたことだ。一昨日には翌日に
も合意されるなんて報道もあったが、結局昨日も決まらずだ。今晩も協議続けるよう
だが・・・。」

T「そうだな。月内合意を目指すとの事だが、それもどうなるか不透明だろうな。」

M「結局、合意されても中途半端な妥協案となる可能性が高く、市場に好感されるか
は解らない。」

T「逆に嫌気されたりしてな。」

M「内容次第ではそうなる恐れもあるだろう。まあ、いずれにしろ懸念を少しでも減
らすためにも早期合意が望ましい。」

T「昨晩はフィッチがイタリア、スペインなど格下げしたな。でも、その割にはユー
ロ売りとなっていない。」

M「ああ。ユーロはギリシャ問題が合意されるとの期待感から買い戻しが続いている
格好だろう。それにフィッチによるイタリアなどの格下げは、想定されていたと言う
こともあり目新しいことでもない。」

T「そうだな。フィッチは既にイタリアの格下げは相当高いと指摘しており、月内に
も見直し結果を発表すると公言していた。」

M「ああ。その後にはイタリアは2段階の引き下げもあるとも言っており、今回の2段
階の引き下げは織り込み済みだ。」

T「昨晩の米国市場の重しとなった面もあるだろうけど、言うほど嫌気する動きは見
られていないしな。あとは来週、イタリア国債入札があるが、問題なくこなせるかど
うか注目だな。」

M「まあ、LTRO効果が出ているだけに、問題なくこなせるんじゃないのか。」

T「ただ週明けの入札は5年・10年物だ。確かに短期債はLTRO効果が出ているが、果た
して格下げされた直後に中長期債入札を順調にこなせるのかどうか不安もある。」

M「まあ確かにイタリアは10月中旬以降、10年以上の国債発行していない。それだけ
に注目されるのは確かだな。10年物入札が不調となると一気に欧州懸念強まるという
懸念もある。」

T「だよな。イタリアは2/1にかなりの額の国債償還を控えている。2-4月だけでイタ
リアはかなり国債償還があり、再びその懸念が意識される恐れもあるかもな。」

M「まあ問題なく償還出来る期待は強いが、心理的にやはり来週の長期再入札と国債
償還は意識されそうだ。」

T「まずは、それを無事に乗り切れるかどうかだな。無事通過できれば安心感出てく
る期待もあるからな。」

M「ああ。期待したいモンだな。」