◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆ 2012/02/04(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は底堅い揉み合い相場だった。まあ上値も重かったといえるが、それまで急
ピッチに上昇してきていただけに過熱感もあったため仕方ない。」

M「そうだな。上値重いのは仕方ないだろう。日経平均は節目の9000円も近いわけだ
し・・・。それよりも底堅かったと言うのは好感できる動きだ。」

T「企業決算も本格化する中、手控える向きも多かっただろうし・・。ただその割に
は売買代金もそこそこしっかりあったし、需給はまだまだ悪くないという印象だ。」

M「確かにそうだな。東証1部の売買代金は今週火曜日から連日1兆円越えを続けてい
る。まあその割には株価上げていかないが、その分戻り売りや利食い売りをこなして
いると言うことだからな。」

T「今週は東証システムトラブルなど、投資家心理冷やすような事もあったが、その
日もしっかり1兆円越えていたし、結構活発に動いている向きも多いようだ。」

M「やはり売買代金増えてきたというのは、それだけ大型株が動き出してきたと言う
ことだろう。決算発表シーズンだけに動きやすいのは当然だが・・・。」

T「そうだな。それまでは、やはり活発に売買されているのは中小型株という印象が
強かったが、今週は主力系株に結構動き見せる銘柄が目立っていた。」

M「ああ。民生電機メーカー株や海運株、それに商社株にも商い集まっていた。また
トヨタなども強さ見せており、内容的にも悪くはない。」

T「ただ果たしてそれらの買いが実需的な買いなのかは微妙だよな。」

M「そうだな。単なる買い戻しの動きと見る向きも多い。ただ今週から中国が旧正月
明けとなっており、アジア勢が結構動き出しているとの見方もある。」

T「なるほど。それは確かにあるかもな。日本市場は海外勢の売買シェアが高いが、
その中でも去年辺りからアジア勢の参加が増えてきているからな。」

M「ああ。欧米勢は日本株に対してまだまだ強気という向きは少ないが、アジア勢に
は結構日本株に強気な向きもいるようだし、ここに来てアジアの実需筋が日本株を買
ってきているという期待もあるのかも知れない。」

T「だとすれば今後も面白くなりそうなんだけどな。」

M「この水準は結構空売りも入りやすい状況だ。個別株見ても空売り結構増えてきて
いる銘柄も見られており、強い買いによって下げずに上げていくようになれば踏み上
げ的な動きに発展する期待もある。」

T「そうだな。ただ国内勢は依然として売り姿勢だろうな。個人投資家は基本的に戻
り売り姿勢だろうし、国内機関投資は今後年度末へ向けまだまだ売ってくると思われ
る。」

M「ああ。それだけに、株価が更に上げて行くには、それ以上の買い手が出てこない
と難しい。それに企業決算だが、想定以上に厳しい決算が目立っており、どこまで上
値を買う向きが出てくるかも不透明だ。」

T「でも悪い決算でもアク抜け的に買われるという動きも見せている。」

M「ああ。しかしアク抜けだけで果たして上値をどんどん買っていけるのか?」

T「そうだな。やはり今後業績が改善していくという見方にならないと厳しいかもな
。」

M「ああ。今が最悪で今後は大きく改善していくとなれば良いのだが、先が見えない
という企業も少なくない。」

T「輸出企業にはやはり為替がネックだな。今回の決算で如何に今の円高状態が厳し
いのか、改めて示された格好だ。」

M「ただ昨日米国で発表された雇用統計は随分と強い数字となりポジティブサプライ
ズとなった。これにより昨晩はリスク回避の巻き戻しによってドル円もユーロ円も円
安進行し返ってきている。」

T「ああ。雇用統計は驚いた。ADP雇用統計がいまいち良くなかったことから、政府発
表の雇用統計の予測を引き下げるアナリストも出ていたからな。」

M「失業率も想定以上に改善しており、米国景気は良い方向に向かっているというの
が改めて示された格好だ。」

T「最近は、米国の経済指標にも予測下回る物が目立ち始めていた。それだけに昨日
の雇用統計の上ブレは懸念を払拭した格好だな。

M「日本としては、やはり米国や中国の景気が強く改善していくのが好ましい。今ま
ではどちらといえば金融緩和期待の方が強かったが、それだと為替は円高圧力になり
日本株の重しとなるからな。」

T「そうだな。金融緩和強めて、結果景気が回復していくよりも、金融緩和せずに景
気回復して行く方が為替は円安になりやすく、日本株には追い風になるといえる。」

M「ただやはり景気回復を本格的にする意味でも、更なる金融緩和を行って欲しいけ
どな。それにもし金融緩和期待が大きく後退すると、米国株の重しとなる。」

T「確かにそれはいえる。」

M「今回の雇用統計をうけQE3への期待は大きく後退したとの見方を示す向きも多く、
市場全体にそういう見方が強まってくれば、米国株には重しだ。昨晩の米国市場はダ
ウはリーマンショック後の高値を更新し、ナスダック指数なんて11年ぶりの高値とな
った。ある程度の景気回復は既に織り込まれているとの見方ある。」

T「なるほど。それだけに更に米株上げて行くには金融緩和期待が続いていく必要が
あるわけか・・・。」

M「ああ。まだすぐに緩和期待が後退するとは考えにくいけどな。とりあえず今後の
バーナンキFRB議長など要人発言には注目だろう。」

T「日本市場は来週9000円トライとなりそうだが、かなりの鬼門となる恐れはあり、
やはり更なる米国市場の上昇が望まれる。」

M「あとは欧州問題だな。依然としてギリシャ問題はまとまらない状況続いており、
それが急速に進展すれば追い風になる。」

T「そうだな。来週はそれらの動向がどうなっていくのは注目しておきたい。」