◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆ 2012/02/11(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週もしっかりの展開だった。日経平均は3ヶ月ぶりに9000円台に乗せ、大きく崩
れることもなく高値圏揉み合いとなった1週間だったといえる。」

M「ああ。相変わらず米国市場が下げそうで下げずに上げるという動きを続けており
、その恩恵を受け日本株もしっかりだったといえる。」

T「海外勢の買いも続いていたしな。やはり欧米市場がしっかりだと日本市場でも海
外勢の買い気が強くなる。」

M「そうだな。海外勢が買っていれば日本株もしっかりとなれる。国内機関投資家
個人投資家の戻り売りをこなせるんだ。恐らく今週も国内勢は売り基調だろうけどな
。」

T「ただやはり日経平均9000円辺りでは国内勢の売り圧力も一段と強くなるようだ。
今週商いもしっかりだったが、それでも上げきれないのはそれだけ売り物も多いと言
うことだろ。」

M「そうだな。それをこなして更に上昇して行くには、更なる海外勢の買いが必要と
なる。そのためには、やはり欧米市場の強さが続いていくことが必要だ。」

T「今週は為替も円安へと振れており日本市場の追い風にもなった。ギリシャ問題に
振り回された1週間だったが、その割にユーロの強さが目立っていた。」

M「ああ。この動きを見る限り、ギリシャ問題を本気で懸念しているとは思えない。
問題収束へ向かうという見方で、ユーロ買い、まあ買い戻しだろうけど、それが続い
てた状況だ。」

T「確かに・・。既にギリシャ問題収束を織り込みに動いていたといえそうだな。」

M「ところが、ここに来て二転三転してきている。9日はギリシャ支援の条件となる緊
縮策を受け入れることをギリシャ連立与党が合意した。しかしユーロ圏財務相会合で
ギリシャへの追加融資は決定されず先送りにされた。」

T「ああ。緊縮策のギリシャ議会での承認と、追加歳出削減策を策定すること、更に
もし政権交代した場合でも緊縮策を維持することを保証するという3点を追加支援の条
件にした。」

M「ただ昨晩には、ギリシャ連立与党の1党である国民正統派運動のカラザフェリス党
首が緊縮策には賛成できないなんて言い出した。」

T「ああ。これをうけユーロが売られる展開となり、昨晩の米国市場の下落要因の一
つになった。」

M「前日には連立与党で合意したくせに、また余計な事を言い出した。」

T「でも、仮にその党の議員が全て反対票を投じたとしても、緊縮策は可決されるん
だろ。」

M「ああ。ただ、これを機に造反議員が続々出てきても不思議はない。なんせ4月には
総選挙を控えている。ギリシャ国民には緊縮策に反対する向きも多いだけに、選挙を
睨んで、緊縮策に素直に賛成しないという議員が続出しても不思議はない。」

T「でもギリシャEUIMFから追加支援受けられないと来月控えている大規模償還を
こなせない。そうなれば文句なしのデフォルトとなる。」

M「そうだな。例え議会で承認されても、すんなり支援決定となるかは不透明と言う
こともある。追加融資条件として3億2500万ユーロの追加歳出削減策を策定する必要も
あるし、総選挙後も緊縮策続けるとの保証することも求められている。」

T「それでまた一悶着あっても確かに不思議はない。」

M「それに昨晩、独ショイブレ財務相ギリシャ債務削減の目標は達成できないとの
見解を示している。ドイツ国内でもギリシャ支援に反対する声は多く、今回の支援を
行っても結局、近い将来破綻すると見る向きも多い。」

T「なら無駄金使わず、さっさとデフォルトさせた方が安上がりだなんて声もあるよ
うだな。」

M「ああ。今までだって計画通り債務削減出来ておらず、例え今回新たな緊縮策が承
認されても、実現出来るのか不透明だ。結局、その次の追加支援の時にまた揉めるの
は目に見えている。」

T「だよな。そんな状況では、いつまで支援続けなければいけないのか解らない。そ
う考えればドイツなど支援する側にしてみれば、デフォルトして貰った方が安上がり
だと思うのも解る気がする。」

M「ああ。ただデフォルトすると、金融市場がどうなるか皆解らないというのが怖い
んだろう。連鎖的に財政懸念が強まるのか、それとも特に混乱もなく短期間で落ち着
くのか・・。それだけにギリシャを切り捨てたくても切り捨てられないと言うことも
あるんじゃないのか。」

T「確かにそうだな。」

M「まあ例えギリシャデフォルトとなり、市場が混乱したとしても一時的で落ち着く
とは思うけどな。」

T「そうだな。ECBは今月末に2回目の資金供給オペを実施するし、欧州の金融機関は
昨年から資産圧縮などにより自己資本比率を高めてきている状況だ。それだけに欧州
の金融市場は以前よりは間違いなく抵抗力は付いている。」

M「まあ、来週ギリシャ問題がどういう展開になっていくのか注目だな。まだまだ二
転三転しても不思議はなさそうだ。」

T「いずれにしろ株式市場は一服場面が欲しいところだったと言えるし、良い調整と
なれば、まだ良いけどな。」

M「そうだな。これを機に米国市場もテクニカル的な過熱感を冷ませれば悪くはない
。」

T「来週どういう展開になるか注目だな。」