◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2012/03/03(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週の日本市場は先週同様しっかりの展開となった。先週の時点でも過熱感高く
今週は一服だとの見方も多かったが、しっかりと上昇した。」

M「ああ。今週は日経平均1万円が見えてくる水準まで上げる場面もあったが、さすが
に上値の重さも見られ始めたな。」

T「そうだな。上げたと言っても、日経平均は陰線が目立っているし、8800円台に3日
連続でザラバ乗せながらも弾かれている。」

M「ザラバ9860円台付ける場面もあり、まさかの1万円が現実味を帯びてきたんだが・
・・。」

T「ここまで来たら、行ってしまえと思うが、この過熱感強い状況で1万円付けてしま
うと、それこそ達成感強まってしまう。」

M「ああ。この辺で揉み合い続けて過熱感冷ましてからトライするのがベストといえ
ばベストだけどな。」

T「週初にはエルピーダが破綻し、市場ムードを冷やすのではという警戒があったん
だが、たいした影響は無かったな。」

M「まあ個別株にはそれなりに悪影響が見られているといえる。個人投資家が買って
いたと思われるネット株やマザーズ株などには今週売られている銘柄も目立っていた
。」

T「確かにそうだな。エルピーダで損失出してしまった個人投資家などが、他の銘柄
の換金売りに動いたということか・・。」

M「まあ、エルピーダ株は信用買い残もかなり多く入っていたことから、追い証など
も発生してしまった人も結構いるだろう。それに絡んで他の保有株を売らざるを得な
い人も多かったと思われる。」

T「破綻の数日前には、同社は減資と発行株式可能拡大枠拡大を決めるための臨時株
主総会開催を発表していた。それだけにタイミング的にはかなりサプライズとなった
ようだ。」

M「ああ。あれで早期の破綻はないと見られたからな。結局、破綻したためにその臨
株主総会も中止となった。まあ同社に言わせれば、会社更生法適用を決める直前ま
で、何とかしようと頑張っていたんだろうけど・・・。」

T「まあ同社は2/14には継続企業の前提に関する事項の注記を発表していただけに、
それをうけ機関投資家などは結構同社株整理していたようだが、個人投資家は逆に買
い向かう人も多かったようだ。」

M「ああ。まあ継続疑義銘柄を狙うのは良いとしても、やはり最悪こういう事を想定
して狙うべきだと言うことだな。」

T「つまり投資額をそれなりに抑えて投資するとかと言うことは最低限必要だろうな
。」

M「まあ、リスク管理は別に継続疑義銘柄だけの話でもないけどな。破綻するのは継
続疑義銘柄だけとも限らないし・・。」

T「確かに・・。このエルピーダの事を機に、個人投資家は改めてリスク管理を徹底
するべきかもな。大事な資産を守るために。」

M「ああ。」

T「ただ、エルピーダ問題で被害受けた個人投資家も多い中、全体相場には言うほど
水指すこと無かった。それはやはり、今の買い主体が個人投資家ではなく海外勢だと
言うことなんだろうな。」

M「ああ、依然として海外勢の買いが継続している格好だ。特に今週は先物の買いが
目立っていたように思える。」

T「そうだな。先物主導で動く面が何度もあった。」

M「投機筋による仕掛けもあったようだが、それだけなく単純に日本株を買いたい海
外勢が先物買ってきてる面もあるようだ。」

T「なぜ先物を?」

M「とりあえず先物を買って、後からそれを現物株に持ち替えるということだ。長期
資金が日本株を新たに買うとなった場合、やはりしっかりと銘柄を選別する。しかし
、時間的にそんな余裕が無いときは、とりあえず先物を買っておくと言うことは良く
やることだ。」

T「なるほど。ということは、そういう向きは日本株を買う事を急遽決めた感じか・
・。」

M「まあ、そういう海外勢も多いだろう。今まで日本株に見向きもしなかった向きも
、ここに来て買わざる得なくなった向きも多い。」

T「やはり日銀が追加緩和に踏み切ったことがきっかけか・・。」

M「もちろんそうだろうな。それにより円高基調が明らかに止まった。日本株を見送
っていた向きの多くが、円高、デフレということを見送り理由としている。その流れ
が変わるなら、日本株の見直し余地が出てくると言うことだ。」

T「なんせ日本株は今まで出遅れ感が強かったんだからな。」

M「そうだな。」

T「そういった海外勢の先物買いが今週は相場を支えていたのかもな。個別を見ると
今週買われていたのは、円安メリットがある輸出株と言うよりは、主に内需株だと言
える。セクター的には陸運、倉庫運輸、医薬品、情報通信の上昇が比較的に大きい。」

M「そうだな。逆に弱かったのが鉱業や鉄鋼、海運だ。新興国関連と言えるセクター
が弱くなっていた。それに機械や自動車、ハイテクなどの上値の重さが目立っていた
。」

T「でも良い感じじゃないのか。外需株が上値追えなくなって来ても、その代わりに
内需株が上値を追ってくる。それにより全体相場が上がっている。」

M「循環物色となっており、確かに良い流れだ。ただ外需、内需とも買われた後は?
ある意味、物色にも一巡感が出ているとも言えるけどな。」

T「確かに・・。それに今まで日本株に見向きもしなかった向きまで日本株買いに動
いてきたというのも、海外勢買いも一巡か?という懸念もある。」

M「まあ目先調整は必要だろうけど、問題はどのような調整になるかだろうな。」

T「ああ。値幅や日柄がどの程度の調整になるかが今後の焦点だな。スピード調整と
なれば良いけどな。」

M「来週は欧米で色々とイベント多いだけに、手控え感も強まりそうだ。どういう展
開になるのか注目しておきたい。」

T「ああ。期待したいモンだ。」