◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2012/03/10(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は荒い展開となった。先週は上値の重さも目立っていたこともあり、今週は
日経平均TOPIXは大きく崩れる場面もあったが、終わってみればいずれも今年の高値
で引けている。」

M「まさにスピード調整といった感じだ。」

T「週前半3日間は下落したが、週後半2日間で全戻しどころか更に上値取っているか
らな。日経平均は去年8月以来の1万円を付ける場面も見られた。」

M「前半は中国が今年の経済成長率目標を引き下げたことや、ギリシャ債務交換への
警戒感などから軟調だった。しかし後半は米国でQE3期待が復活したことやギリシャ
務交換無事通過が買い材料になった。」

T「ただ日本市場の戻りは欧米株に比べて随分と早いし大きい。それはやはり為替だ
ろうな。」

M「そうだな。今週はドル円が更に円安へと進行した。やはりこれが大きい。昨晩の
外市場では更に円安が進行しており、1ドル82円台半ばまで円安が進行した。」

T「昨晩は米雇用統計が発表されており、それが想定より強い数字になったことがド
ル買いに繋がったようだ。」

M「ああ。失業率は予想通りだったが、非農業部門雇用者数が予測をやや上回る数字
となった。ただ前月分が大幅に上方修正されており好感された。」

T「でも、経済指標の強さは米追加金融緩和への期待が後退する事に繋がりかねない
。それで昨晩はドルが買われたといえる。」

M「そうだな。先月末、バーナンキFRB議長が議会証言でQE3に言及しなかったことか
ら、嫌気される状況になったんだが、今週WSJFRBは新たな量的緩和策を検討してい
ると報じたことから、QE3期待が復活していた。」

T「ああ。それだけに今回の雇用統計をうけ再びQE3への期待がやや後退と言うことに
なる。」

M「まあ失業率は依然として高水準であり、まだまだ本格的に改善している状況じゃ
ないけどな・・。」

T「でも、実際雇用統計をうけドルが大きく買われたんだ。市場はQE3への期待が後退
したと見ていると言えるだろう。」

M「まあ、それに関しては来週FOMCがあるし、バーナンキFRB議長の講演も控えている
。そこでQE3への期待匂わせれば問題はない。」

T「雇用統計良かったといえるものの、昨晩の米国市場は言うほど強くはなかった。
それもやはりQE3への期待が後退したと見ているからじゃないのか。」

M「まあ、それもあるだろうけど、昨日の米国市場が重かったのは、やはりギリシャ
問題がまだ不透明だという見方が多いためだろう。」

T「単なる出尽くしで売りも多かったと言うことじゃなく、警戒もまだあるという訳
か・・・。」

M「ああ。債務交換参加率が90%超となれば、強制的に債務交換するCAC発動しなくて
も済んだ可能性があるんだが、実際の参加率はそれに届かずCAC発動することになった
。」

T「そうだな。でもある程度は想定されていたことだからな。」

M「ああ。これをうけ国際スワップデリバティブズ協会いわゆるISDAが、CAC発動はギ
リシャCDS決済を引き起こす信用事由になると発表した。」

T「でも発表後の米国市場では動きはあったが、言うほど大きくは動いていない。上
値の重さに繋がったのは間違いないが、売り買い交錯といえる。」

M「そうだな。それだけに、CDS決済もある程度は想定されていたことだと言えるだろ
う。ただ不透明感は残るわな。金額的にも懸念するほどではないと報じられているし
、問題はなさそうだが、不透明感は残る。」

T「それが上値を抑える要因になった感じか。まあCDS相対取引だけに不透明な面も
確かにあるからな。でも、その割にはシカゴ日経先物は強かった。」

M「そうだな。前日比で大幅高で引けており、円建てでも9950円となっている。週明
け、シカゴ日経先物終値にサヤ寄せして始まれば、日経平均は1万円を越えてくること
になる。」

T「ああ。配当落ち分が80円以上あるから、10030円以上になる計算だ。一気に昨日の
高値も超えてくることになるわけだ。」

M「シカゴ日経先物がこれほど強かったのは、やはり為替だな。今や欧米市場よりも
為替への影響が強いようにも思える。」

T「確かに。欧米市場が上げて行かなくても、円安さえ進行すれば日本株は買われて
いく感じだ。まあ問題は欧米市場が下落しても、円安進行すれば買われるのかどうか
だな。」

M「基本的には欧米市場が大きく下落し、円安進行という流れは考えにくい。ただ円
安進行止まっても欧米市場が上げていく場合はある。そうなったとき、日本株はどう
なるのか・・。」

T「関係なく上げるんじゃないのか。」

M「まあ確かに、今の日本市場の心理だと、良いとこ取りとなりそうだ。」

T「米国市場の上値の重さは気掛かりだが、来週は上げずとも底堅い推移続けて欲し
いモンだ。米国市場上げなくても円安となれば日本株は恐らく買われるんだろうから
な。」

M「そうだな。節目の82円も突破しているだけに、更に円安進行していくという期待
は出てきた。そうなれば、震災後の戻り高値つまり10200円辺りまで付けてくるという
可能性もある。」

T「一部では今月中に震災前の高値、つまり昨年来高値10800円台まで行くと予想する
向きもいる。」

M「そりゃびっくりだな。今の懸念は、日本市場が総強気なムードになってきたと言
うことだな。皆が強気になればなるほど、ピークが近づく。」

T「でも今の状況、弱気にはなれないぞ。」

M「弱気になるのは悪くもないが、だからといってショートポジション取るのは危険
な状況なのは確かだな。まあ、あくまでも個別株の話でなく全体的相場の話だが・・。」

T「そうだな。正確には下方向へ強気になるべきではないと言うことだな。」

M「ああ。ちょっとした下落を狙うって言うならまだしも、大きな下落を想定しそれ
にベットする状況でないのは間違いない。いずれそういう局面が来るとしても、今は
明らかに時期尚早だ。」

T「とりあえず来週もしっかりとした展開続けられるのか注目だな。来週末には日経
平均1万円台となっているのかどうか・・。」

M「そうだな。期待したいモンだ。」