◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2012/10/06(土)発行

=================
◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
=================
T「名実共に下半期入りした今週の相場は揉み合いだった。」

M「ああ。水曜日まで続落続け、週末にかけ下げた分を戻すという展開だ。」

T「今週は米国で重要な経済指標が目白押しだったことや、中国が国慶節で休場だ
ったと言うこともあり手控え感強い1週間だった。」

M「そうだな。日本でも月曜日には日銀短観が発表された。市場予測より良かった
ものの、9月中旬辺りから強まった反日デモの影響が織り込まれていないだけに好感
する動きにはならずだ。」

T「ああ。日中関係悪化しており、反日デモは落ち着いたものの中国での日本製品
不買運動の動きや、経済制裁的な動きも見られており、実害が出てきている企業も
多い。」

M「それだけに、再度調査すれば全然違った数字になるのではという見方も多いか
らな。」

T「米国の経済指標は結構良かったといえる。月曜日のISM製造業景況指数は市場予
測も上回り、景気の分かれ目とされる50を久々に上回った。」

M「ああ。非製造業景況指数やADP雇用統計も強い数字となっていた。そして昨晩発
表された雇用統計は、雇用者数増減は予測とほぼ変わらなかったが、失業率が大き
く低下した。」

T「失業率は今回前回より若干上昇するとの見方だっただけにこれほどの低下はサ
プライズだ。」

M「前回は8.1%で今回8.2%予想が7.8%だからな。失業率が7%台になるのは、約4年ぶ
りだ。」

T「まさに驚きの数字だな。どうせまた職探しを諦めた人が急増し事から失業率が
低下したんじゃないのかと思ったが、今回は労働参加率は上昇している。」

M「ああ。それだけにかなりポジティブな内容だと言える。雇用者数増減は予測範
囲内だったものの、前回の数字分が大幅に上方修正されている。」

T「前回は雇用統計悪くて、FRBはQE3を決断し踏み切った。でもその雇用統計は実
は悪くなかったと言うことだ。」

M「ああ。そして今回の失業率の大幅低下・・・。作為性を感じるのも仕方ない。」

T「だよな。既に米国では今回の雇用統計をみて、オバマ陣営によって数字が改ざ
んされたのではとの見解を示している向きもいるようだ。」

M「大統領選前だけに、そういう向きが出てくるのも当然だけどな。確かに出来す
ぎだけに、そう思われても仕方ないと言えるが・・。」

T「実際は改ざんされたのかどうかなんて解らないだろうし、明らかになんてなら
ないだろう。それだけに、何言われようが、オバマ大統領にとっては追い風になる
のは間違いない。」

M「確かに・・・。今週発表された米経済指標は軒並み強い数字となっており、こ
れら見る限り、米国経済懸念するほど悪くないといえる。」

T「ましてガンガン金融緩和している状況で、今後も更に緩和を続ける見込みだ。
こりゃ米国株が強いのも頷ける。昨晩の米ダウは小幅ながら上昇し、4年10ヶ月ぶり
の高値となった。」

M「でも、これだけ強い経済指標出ている割には今週の米国株は上値重かったとい
える。上げてはいるが・・・。」

T「そうだな。昨晩はダウはプラスで引けたが、ナスダック指数やS&P500指数は小
幅に下落している。まあ週末要因もあるんだろうけど・・・。」

M「米国株は6月くらいから何だかんだ言いながら上昇してきているからな。高値警
戒感も強まってはいるんだろう。それに来週から企業決算がいよいよ始まる。それ
が意識されている面もあると思われる。」

T「そりゃあるだろうな。今回の決算はあまり良くないとの見方も多い。既に下方
修正を出してきている企業も出てきているし、市場の警戒感は結構高いのかも知れ
ない。」

M「ああ。中国景気や欧州景気の減速がいよいよ米企業に出てきたと言うことなん
だろうけど・・・。」

T「問題はそれが長引くのかどうかだろうな。今回の決算が悪くても、次回から改
善していくとなれば、大した問題じゃない。株価だって下値も限定的だろう。」

M「ああ。ただ次回以降も業績減速が続くとなれば、話は別だ。」

T「その判断がすぐに出来るなら問題ないけどな。その為には中国景気の減速がど
こで止まるかが重要となる。また欧州の債務問題も、これ以上悪くならないと言う
ことが解れば良いのだが・・。」

M「最悪なのが、中国景気減速や欧州債務問題による景気減速が、米経済へも大き
く悪影響を与えてしまうことだ。」

T「まあとりあえず来週から始まる米国企業の決算は注目だな。」

M「ああ。日本市場も来週はもっと強い動き見せて欲しいけどな。今週は米経済指
標強く、為替が円安へと進行していた。ドル円だけでなくユーロ円も円安進行して
おり、日本株にはもっと追い風になっても良いのだが・・・。」

T「でも輸出株など見ると、まだまだ上値重い銘柄目立っていた。」

M「やはり中国経済減速や、日中関係悪化による影響が意識されている面もあるん
だろう。」

T「確かに幾ら円安気味になったとしても、減収になるようなら意味はない。」

M「それに円安になったと言っても、輸出企業に言わせれば、まだまだ十分な円高
水準だ。全然楽観視できる状況ではない。」

T「そうだな。来週も円安基調が続いていくようなら良いけどな。」

M「ああ。期待したいモンだ。」