◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2014/03/22(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は反発する場面も見られたんだが、週末には売られて結局行って来いの相
場展開となった。」

M「ああ。ウクライナ情勢懸念はアク抜け的に一服感見られたものの、買いも続か
なかった。依然としてウクライナ問題は先行き不透明ということもあるが、今週は
FOMCがあり、それも重しとなったと言えるだろう。」

T「そうだな。FOMCは市場関係者の多くが想定していた通り、追加の緩和縮小を決
定した。ただ会合後に行われたイエレンFRB議長の記者会見が嫌気されてしまった。」

M「ああ。発言の内容から利上げ、つまり金融引き締めが思っていたより早まるの
ではという見方に繋がった。」

T「このペースで緩和縮小していけば、今年の後半にも量的緩和が終わることにな
るが、その後も長い期間実質ゼロ金利状態が続くと言う見方が多かった。」

M「そうだな。実際にバーナンキFRB議長なども、そういう発言は何度もしている
からな。」

T「ああ。具体的な時期や期間などは明言していないが、市場では緩和終了後、1年
くらいはゼロ金利状態続けるのではと言う見方になっていた。」

M「ところが今回の記者会見でイエレンFRB議長は、記者から質問され6ヶ月位だと
具体的に期間を発言してしまった。」

T「市場が今まで感じていた期間と、FRBが考えていた期間が大きく違うことが明ら
かになった格好だ。」

M「そうだな。仮にイエレンFRB議長がいうようにFRBは6ヶ月という事を念頭に置い
ているのであれば、来年春先にも利上げに踏み切る可能性があると言うことだ。」

T「早くても来年半ば、だいたい来年秋という利上げ時期を見込んでいた市場には
ショックが走った感じだ。その発言をうけダウは一時的に急落する動きを見せたか
らな。」

M「イエレンFRB議長が適当に6ヶ月という期間を出してきたわけではないだろうし
、個人的にもそう言う認識はあったんだろう。それを思わず口にしてしまった感じ
だ。」

T「でも、あくまでも現状で大体その程度だと思っていると言うことだろ。今後の
状況次第では利上げ時期なんて大きく変わるだろうし・・。」

M「ああ。その通りだ。そもそも、まだ量的緩和すら終わっていない。利上げ時期
を気にするのは、せめて量的緩和政策が終わってからだろう。」

T「だよな。緩和縮小がこのペースで進めば今年後半にも量的緩和は終わるが、そ
れ自体も後ずれする可能性は当然あるわけだからな。」

M「ああ。ただマーケットというのは、いつだって先読みして動くモンだから、仕
方ないとも言えるんだが・・。ただ、それを睨んで今から警戒するなんて動きは無
いだろう。」

T「だよな。つまり、今後もイエレンFRB議長の発言が相場の重しとなり続けること
は無いと言えるかもな。」

M「ただ、今後の発言には注目されるだろうな。次のFOMC後の記者会見は6月だが、
その前にも講演など発言する機会があるかも知れない。そこでも改めて利上げ時期
に言及するようだと、改めて嫌気されると言うことはありそうだが・・・。」

T「まあ、米国の利上げが意識されてくれば来るほど、為替は円安へと向かいやす
くなる。それだけに日本株には追い風となる期待はあるだろう。」

M「どうだろうな。木曜日の動き見ると、とてもそんな感じはないけどな。木曜日
は米株安も円安好感で買い優勢で始まったが、結局売り込まれている。」

T「やはり米株が下げてしまうと円安でも買われにくい感じか・・。」

M「まあ、今の状況だとそうだな。ただ昨年前半のように日本自体に期待するもの
が、また別だ。為替だけじゃなくてな。」

T「そうだな。現状はアベノミクスへの期待もかなり後退してしまったし、日銀に
よる追加緩和の期待も先週の黒田日銀総裁発言で後退している。」

M「ああ。先週の海外勢は日本株を大量に売り越しており、黒田日銀総裁発言に失
望した向きも多いようだ。」

T「それに日本は来月から消費増税だからな。早期追加緩和が無いとなれば、積極
的に日本株を今買おうという向きは確かに乏しいといえる。」

M「やはり日本株が外部要因に左右されにくく、しっかり買われて行くには追加金
融緩和が必要不可欠な状況だ。」

T「少なくとも海外勢はそれが無いと積極的には買ってこない感じだな。」

M「ああ。せめて市場に追加金融緩和を期待させて欲しいモンだ。それだけで海外
勢の動向も大きく変わってくるんだからな。」

T「そうだな。来週はいよいよ年度末であり、27日からは実質新年度相場入りとな
る。」

M「ドレッシング的な買いへの期待も強まりそうだが、海外の中長期資金による買
いは期待薄だけ期待は乏しい。国内勢の投資家心理も結構悪くなっているからな。」

T「特に個人投資家の心理は良くないな。新興市場が大きく下落してきており、投
げ売り的な動きも見られている。」

M「ただ逆に言えば、アク抜けも近いと言えそうだ。見切り売りが一巡してしまえ
ば、それなりのリバウンドはあるだろうからな。ただ、リバウンド後、更に買いが
続くかは、また別の話だ。」

T「そうだな。」

M「目先期待があるとすれば、空売りの買い戻しだろうな。最近は空売り比率が目
立っており、結構空売りも増えてきている。個人投資家の投げが一巡してしまえば
、需給が大きく改善するという可能性もある。」

T「それにメジャーSQ通過しているだけに裁定買い残は大きく減っており、今後は
積み上がりやすい状況だ。」

M「ああ。つまり先物に強い買いが継続的に入ってくれば、裁定取引や売り方の買
い戻しによって意外高という可能性もある。」

T「ある意味、仕掛けるなら売り仕掛けより買い仕掛けの方が面白くなりつつある
と言えるかもな。」

M「その通りだ。去年11月に英国大手のヘッジファンドが買い仕掛けたように、突
如そのような動きが出てくる可能性もあるかもな。」

T「今の日経平均水準も、ちょうど去年の11月に仕掛けられた水準だ。ただ来週は
配当落ちがあるだけに、配当権利取り後、更に見切り売りが強まらなければ良いの
だが・・・。」

M「確かに・・・。取りあえず来週はしっかりと反発できるのか注目したい。期待
したいモンだ。」