◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2014/06/07(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週はさすがに上値の重さ見られていたが、しっかりとした展開だったといえ
る。」

M「ああ。日経平均は節目の15000円台にあっさりと乗せてきたし、その後も殆ど
割り込むことなく維持しているからな。」

T「短期間で日経平均も随分上昇しただけに、上値重くなるのも仕方ない。ただ
個別株見ると幅広い銘柄が買われてきており、全体的に底上げしてきている状況
だ。」

M「そうだな。悪くない動きだ。指数の上値重くなっても、指数への寄与度が小さ
い中小型株がしっかりと買われている。」

T「東証2部指数は12連騰しているし、日経ジャスダック平均も12連騰だ。マザーズ
指数は11連騰まで行ったんだが、12営業日目で下げてしまった。」

M「それでもマザーズ指数の11連騰は過去最高だし、その後も下げた日でも底堅さ
見せており、強さは継続している格好だ。」

T「ああ。投資主体別売買動向をみると、先週も海外勢が新興市場買い越しており
個人投資家が売り越している。この事からも、直近の新興市場の強さは海外勢が
買いに転じた事が背景にあるということが言える。」

M「そうだな。個人投資家は戻り売りや利食い売りを行っている状況だな。これは
新興市場だけでなく、東証1部でも同様だ。まあ東証1部の現物株市場では海外勢売
り越しとなっているが大した額じゃなく、先物は大きく買い越しており、合算すれ
ば海外勢は大幅買い越しだ。」

T「ああ。日経平均の上昇は海外勢による先物買いで上げてきたということだな。」

M「単なる買い戻しだという見方もあるが、取りあえず先物を買っておいて、あと
から現物に変えるという向きも居るとの見方もある。まあ基本的に長期資金だな。」

T「いずれにしろ海外勢の動きに変化が出て来たのは間違いない。」

M「ああ。それも日本株に追い風となる方向にな。」

T「今週は欧米市場も底堅かったからな。欧州ではECBが利下げに踏み切り、マイナ
金利まで導入した。」

M「まあ、想定内と言える範囲だが、会見ではドラギECB総裁は追加緩和の可能性も
示しているからな。市場では欧州もいずれは量的緩和に踏み切るという見方も強ま
っている。」

T「何としてもユーロ高を抑制したい意図が見え隠れしている。ただそうなると円
高に向かいやすくなり、日本でも追加緩和への期待が再び強まるとやっかいだ。」

M「そうだな。日銀が追加緩和を匂わすような姿勢を見せれば、まだ良いが・・・
。」

T「来週には日銀金融政策決定会合があるが、現状維持が想定されており、リップ
サービスすら期待もされていない状況だ。期待されていないならば、それはそれで
良いのだが、期待されてしまうと、失望されやすいからな。」

M「ああ。いずれにしろECBが動いただけに、それをうけ黒田日銀総裁の発言に変化
が見られるかが注目だな。」

T「米国では昨晩注目の経済指標である雇用統計が発表された。非農業部門雇用者
数は前月比21.7万人増となり、ほぼ市場予測通りとなった。」

M「ああ。失業率は6.3%で、これもほぼ市場予測通りといえるだろう。」

T「最近には珍しく予想通りの結果となった。そもそもこの雇用統計ってやつは予
想通りになることが非常に希だ。」

M「かなりブレの多い指標であり、それだけに市場に与えるインパクトも大きくな
りやすい。ただ今回はほぼ予想通りとなり、発表直後は迷いが生じていた動きだっ
た。」

T「ああ。日経先物のナイトセッションや為替は暫く不安定な動きで方向性見えな
い動きとなっている。ただ米国市場は堅調に始まり、寄り後もしっかりと買われる
動きになっている。」

M「予想通りだが、重要イベントを波乱無く無事通過したと言うことも買い安心感
に繋がっているんだろう。」

T「だろうな。結局、ダウもS&P500指数も高値引けとなり、いずれも史上最高値を
更新し引けている。ナスダック指数も年初来高値射程圏まで迫ってきた。」

M「ああ。ダウなんて節目の17000ドルが射程圏だ。」

T「そうだな。今週米国では、現在ヘッジファンド業界でトップといっても過言で
はないデビッド・テッパー氏が先月示した見解を覆す発言をしている。」

M「ああ。先月同氏は米国株の先行きに懸念を示しており、米株投資に関して慎重
な見方を示していた。それによって米株売られる場面も先月あったからな。」

T「ただ一昨日にはECBの決定を受け発言し、米株に対する懸念が部分的に和らいだ
と述べている。」

M「前回懸念を示してから1ヶ月も経ってないよな。まあ、ある意味ECBの決定がテ
ッパー氏にしてみればサプライズだったと言うことなんだろう。」

T「そうなんだろうな。その彼の発言が、週末にかけての米株を後押しした面もあ
るだろうな。」

M「昨晩にはプーチン大統領が米オバマ大統領とウクライナ次期大統領とそれぞれ
個別会談を行ったとの報道も出ており、ウクライナ懸念も和らいできている。」

T「そうだな。色々と懸念があったが、ここに来てそう言った懸念が無くなってき
ている感じもする。それが今の米株が強い要因になっているのかもな。」

M「そうかもな。日本株もこの勢いで出遅れ感を是正していって欲しいモンだな。」

T「そうだな。昨晩の雇用統計通過で為替がさほど動き無く、日本株にとっては期
待外れともいえそうだが、シカゴ日経先物は15200円で返ってきている。それだけに
、週明けは堅調に始まりそうだが、寄り後更に上値追えるか注目だな。」

M「ああ。来週はメジャーSQだけに、先物主導で更に大きく動く可能性もある。オ
プションの建玉残見ると15500円コールが多いだけに、案外その辺まで行ってしまう
のではと見る市場関係者も居る。」

T「いずれにしろ15000円はキープされそうな雰囲気だな。」

M「まあ、15000円コールの建玉残も多いだけに、SQ値は間をとって15250円前後に
なるのではという見方もある。」

T「そうだな。日経平均など指数が膠着でも、個別株には値を伸ばす銘柄が来週も
色々と出てくるだろうな。とにかく来週もしっかりとした展開期待したい。」