◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2014/09/13(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週もしっかりとした展開だった。日経平均は節目の16000円まで近づいたし、
TOPIXはついに年初来高値を更新した。」

M「ああ。今週米国市場はいまいちの動きだったといえるが、日本株はそれを吸収
し、しっかりだったといえる。」

T「そうだな。多少は重しとなっているものの、以前のように米国株の動向に過剰
に反応する動きは見られていない。」

M「如何せん為替が凄かったからな、今週は。ドル円は1ドル105円前半から今週だ
けで107円突破してきている。」

T「ああ。それに個別株見るとようやくと言っていいと思うが、円安メリットをう
ける輸出株に買われてくる銘柄目立ってきた。」

M「そうだな。反面、円安が原材料高に繋がる恐れがある小売株など内需系に弱い
モノが目立ってきている。その点は懸念だな。」

T「だろうな。今週は黒田日銀総裁と安倍首相の会談もあり、更に黒田日銀総裁
テレビに生出演し、そこでの発言も円安へ拍車をかけた。」

M「今のところ、円安が日本経済にマイナスだとは思わないと黒田日銀総裁が発言
したことで懸念は限定的だ。ただ更に円安へ進行すれば、懸念を口にする要人が続
々出てくる恐れがある。」

T「でも、それで大きく円高へと戻す可能性は乏しいだろ。」

M「もちろんそうだが、一時的な巻き戻しの動きが起こる懸念はあるだろう。最近
ドル円も値動き大きくなっており、ハイボラティリティなってきている点は注意
だろう。」

T「確かに乱高下しやすい状況かもな。それによって日本株も荒い展開になる恐れ
はありそうだ。」

M「まあ、足下は急ピッチな円安進行だけに、そういった水を差す要人発言などで
冷やされるのも悪くはないけどな。中長期的な方向は円安だという点には変わりな
いだろうし・・・。」

T「昨晩、米商品先物取引委員会いわゆるCFTCが発表したCME取引データによれば、
投機筋の円売りポジションが4週ぶりに縮小したことが明らかになった。」

M「ああ。これは意外だな。今週火曜日までのデータだが、火曜日までも円安進行
しており、投機筋の円売りポジションは更に増加していると見られていたからな。


T「あまり増加しすぎると、巻き戻しの警戒も強まると言われていたが、取りあえ
ず一服という感じだ。」

M「ただこれは好感出来るだろう。足下の円安は投機筋による円売りの動きだけじ
ゃない可能性があるからな。ある意味、中長期的な円売りの動きも出ている可能性
がある。」

T「なるほど。投機筋の一部手仕舞い、つまり円売りの買い戻しが出た格好だが、
それを吸収し更に円安へ振れている訳だからな。」

M「ああ。投機筋の円売りポジションが積み上がってきているだけに、今怖いのは
その巻き戻しが急激に起こることだ。つまり円売っていた投機筋が一斉にポジショ
ンクローズして円買い戻しに動くことだ。」

T「そうなれば、円高へ急速に戻す恐れがある。」

M「ああ。投機筋の円売りポジションが積み上がれば積み上がるほど、ポジション
クローズの動きが一気に出やすくなるからな。それだけに、今回投機筋の円売りポ
ジションが減ったのは好感出来る。」

T「そうだな。来週更に円安へ進行するか注目されるが、来週は為替市場に影響与
えそうなイベントもあるからな。」

M「米FOMCだな。FOMCという大きなイベントを目処にポジション作ってくる投機筋
も結構多いからな。いわゆるイベントドリブン型のヘッジファンドだ。」

T「そう言う向きはFOMCを機にポジションクローズしてくる恐れがあるからな。」

M「まあ、内容次第とも言えるんだが・・・。いずれにしろ来週も為替相場は大き
く動く可能性はあるというわけだ。良くも悪くもな。」

T「それによって株式市場も大きく動く恐れはありそうだ。」

M「ただここに来て日本株の見直し買いも見られており、多少下ぶれたとしても結
構しっかりするかもな。」

T「なら良いのだが・・・。」

M「今週メリル日本証券が都内で機関投資家向けのカンファレンスを実施しており
、それで日本株に興味をしめした機関投資家が来週辺り日本株を本格的に買いに来
るのではとの思惑も強まっている。」

T「なるほど。今週商いも増えてきて主力系株に買いも見られているからな。来週
この動きが更に強くなるようだと面白い。」

M「まあ、米国株が軟調気味で来週も懸念されているだけに、それが重しとなる恐
れはありそうだが・・・。」

T「ただ以前ほど米株安に反応していないだけに、それが重しとなっても知れてい
るだろう。」

M「そうかもな。まあ日本株も下げたら下げたで、ある意味買い場になるかも知れ
ないからな。」

T「ああ。今週、東証1部の騰落レシオが久しぶりに120%を越えてきている。過熱感
を意識する声も聞かれるが、騰落レシオ120%越えてくると、暫く好調な相場が続く
ことが非常に多いからな。」

M「ああ。高止まりすることは確かに多い。少なくとも過熱感を意識する状況では
ないといえるだろう。」

T「日本は今週末は連休となるが、連休明けとなる来週もしっかりとした展開を期
待したいモンだ。」