◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2014/11/22(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は日経平均5週ぶりの下落となった。」

M「ああ。先週までは日銀のサプライズ緩和に加え、消費増税見送りというサプラ
イズもあり、日経平均は4週連続で上昇してきた。」

T「その4週間で日経平均は約3000円も上げているんだ。ある意味、今週の下落は当
然というか、必然だったと言えるのかもな。」

M「まあ、短期間でかなり急ピッチに上昇してきただけに、テクニカル的な過熱感
は異常値に達していたからな。25日移動平均線乖離率なんて10%を越える場面もあっ
た。」

T「昨年5月に暴落する直前に、やはり過熱感強まり25日移動平均線乖離率が10%程
度となっていた。ただ今回は昨年の5月とは状況はかなり違うけどな。」

M「ああ。昨年の時は主力株だけでなく中小型株や新興市場までかなり過熱してい
た状況だ。それにアベノミクス相場で随分と長期間上昇基調続けていた。」

T「そうだな。前回解散する前には日経平均8000円台だった。それが半年程度で
16000円近くまで上昇したんだ。」

M「今回はその時の水準より高くなってはいるが、今年に入ってから随分と日柄調
整はこなしている。」

T「ああ。ただ足下急速に上げてきたことでテクニカル的な過熱感が高まっただけ
だ。新興市場はまだまだ出遅れていると言えるし、個別株にはテクニカル的な過熱
感高まっているような銘柄は言うほど多くはない。」

M「騰落レシオも今週ようやく高水準と呼べるレベルまで上がってきたところだ。」

T「そうだな。騰落レシオは通常120%越えてくると過熱感高まっていると言われる
が、実際それを越えてから、120%以上で推移する期間は結構長くなることも多い。」

M「ああ。120%越えてきたら、調整近いと言うことは確かに無い。平気で1ヶ月程度
120%越え状態を続けることは良くあるからな。」

T「確かに・・・。逆に騰落レシオが70%割り込んでくると売られ過ぎ感が強まって
いると言われているが、その低水準の状態というのはあまり長くは続かない。」

M「ああ。希に50%台まで突っ込むこともあるが、確かに70%割れ状態が長く続くこ
とは殆ど無い。」

T「それだけに騰落レシオというのは、どちらかと言えばそう言った売られ過ぎ状
態で参考になることが多いと言えるかもな。」

M「いずれにしろ、今の状況は日経平均的には過熱感がまだ冷めていないと言える
ものの、全体的に過熱している状況ではないと言うことだ。」

T「それだけに日経平均上げていけなくても、個別株には上げていける銘柄がまだ
まだ多いとも言える訳だな。」

M「ああ。結局は全体的に底上げしていくことになるんだろう。」

T「今週はGDPショックと言われ月曜日派手に下落したときは市場に懸念も走ったが
、あっさりと落ちつき取り戻したからな。それだけ買い意欲はまだ旺盛と言うこと
だ。」

M「日経平均は高値圏だが、良い感じで売りと買いが交錯していると言えるのだろ
う。警戒から手仕舞い売りも出ているものの、それを受け止める買いもしっかりと
入る状態だ。」

T「確かに・・・。幸い米国市場も堅調続けており、ダウ、S&P500指数は揃って史
上最高値を更新中だ。日本株もまだまだこれからだろう。」

M「そうだな。ある程度、日柄調整こなしたあとには再び上値追っていくような展
開を期待したいところだ。」

T「来週はいよいよ11月最終週となるが、11月最終週は上場するというアノマリー
がある。過去14年間連続で上昇している。」

M「ああ。米国株も堅調となることが多い週であり、今年も期待したいところだな
。」

T「そうだな。まあその週は米国が感謝祭があり、ブラックフライデーがある。つ
まり年末商戦が本格的に始まるって事であり、その期待感が相場を強めさせるとの
見方だ。」

M「懸念があるとすれば今年は米国株も日本株も高値圏で11月最終週を迎えると言
うことだ。つまり米国の年末商戦への期待も既に織り込まれているとも言える。も
っと言えば11月最終週のアノマリーすら織り込まれている恐れもある。」

T「つまり11月最終週は上昇するというアノマリーで、今週まで買っていた向きも
居るって事か。」

M「どうだろうな。今週は先週末比では下落したとはいえ、随分と底堅さを見せて
いた。来週の上昇を見込んで買い向かっていた投資家が多ければ来週アノマリー
れる恐れはあるかもな。」

T「でも、それだけが今週の底堅さに繋がっているとは言えないだろう。来週だけ
の上昇の見込みで買っていた向きも少なからず居るかも知れないが、やはりもっと
先の上昇を期待して買っていた向きも多いんじゃないのか。」

M「まあ、そう期待したいけどな。ただまだ言うほど中長期資金は入ってきていな
いとの見方もある。結局、売られたところでは日銀買いもあるし、GPIFの思惑も強
まることで、すぐに反発することを見込んで買いに来ている短期資金が中心という
見方だ。」

T「選挙期間中は株も好調というアノマリーもあるし、例え来週上げられなくても
下値は限定的だろう。」

M「ああ。それはそうだろうな。日銀買いやGPIFの思惑はこれからも続いていくん
だからな。ただ選挙期間中は上昇するというアノマリーは今回はあまり期待しない
方が良いかもな。過去の選挙時は状況が結構違う。」

T「確かに・・・。解散前に株価がこれほど上げていたことも殆ど無いからな。」

M「それに、今回の解散には疑問抱く海外勢も多いようだ。消費増税見送りは好感
されているものの、解散する必要があるのかどうか。」

T「ああ。与党は今より議席数減らすのは避けられないと見られているからな。結
局、ここから4年という期間を得るための選挙なんだろうけど。」

M「今のところ不透明さを嫌気する海外勢の売りは見られていない。それが幸いだ
けどな。ただ選挙前に買い上がっていく海外勢が果たしているのかどうか。」

T「確かに・・・。怖いのが選挙の結果が出て、海外勢が売りに走ることだな。」

M「ああ。与党の議席が減って、それを嫌気し海外勢が売りに走ると言う懸念はあ
るかもな。選挙の結果次第では。」

T「そう言ったことを考えれば、確かに選挙期間中は積極的に上値は買えない。」

M「もちろん想定外に与党が大勝するようならば、改めてアベノミクスへの期待か
ら海外勢が買い向かうという期待もあるけどな。」

T「一部の証券会社では自民党が300議席獲得すれば日経平均は今年度中、つまり来
年3月までに2万円越えてくるとの予想を出している。」

M「現状以上に議席伸ばすのはさすがに厳しいだろう。」

T「例え現状程度の議席数取れれば、それでも日経平均は年末までに19000円行くと
予想しているようだ。」

M「現状維持すら難しいと見られているけどな。とにかく選挙は水モノだ。蓋を開
けてみるまでは何とも言えないだろう。」

T「そうだな。取りあえず過去14年間負けなしの来週11月最終週の相場に注目だな
。期待したいモンだ。」