◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2015/06/06(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は揉み合いの展開となった。日経平均連騰記録は途絶えてしまったけどな
。」

M「そうだな。月曜日は日経平均一時150円超の下落となり、絶対連騰無理だという
状況となっていたが、それでもプラスに転じ連騰続けただけに新記録も期待された
んだが・・・。」

T「結局12連騰で終えている。連騰ストップした日にはドル円が1ドル125円付けた
ことで、達成感的に円高へと振れたからな。それが重しとなり、その日下げてしま
った。」

M「まあ連騰新記録作れなかったのは残念だが、だからといって相場の状況は変わ
らない。これだけでも連騰するくらい今の相場は強いと言えることには変わりない
だろう。」

T「そうだな。連騰が止まった後も底堅さは見せているし、依然として高値圏での
推移になっているわけだからな。」

M「ただ上値の重さは感じられる。連騰止まったからと言うわけではなく、やはり
急ピッチに上昇してきた警戒感もあるんだろう。」

T「それに買いも一巡感が出てきている面もありそうだ。個別銘柄見てみると、大
型株から中小型株に物色の矛先が移ってきている印象だ。」

M「そうだな。市場では出遅れている銘柄へと投資家の目線が移ってきた可能性は
あるだろうな。」

T「でも良い流れじゃないのか。そうやって全体的に底上げしてくることは・・・。」

M「循環物色となっており、確かに良い流れだ。今までは結構特定の銘柄やセクタ
ーだけに資金が集まっている感じだったからな。」

T「新興市場も良くなってきているし、マザーズ指数は今週年初来高値を更新して
きている。」

M「直近IPO銘柄の一角にも見直し買いが見られてきているし、個人投資家好みのゲーム株にも強い銘柄目立ってきた。」

T「ああ。個別材料株への物色意欲も旺盛で海外投資家による主力株買いが一巡し
て来ても、個人投資家が相場を牽引していく期待もありそうだ。」

M「そうだな。これからボーナスシーズンだし、新たに投資を始める個人投資家
増えているようだ。待機資金と言われるMRFの残高は過去最高水準に積み上がっている。」

T「個人投資家は今年に入ってからも売り越し基調を続けている。相場上昇で長期
投資家の利食い売りが継続している格好だ。それだけに待機資金がどんどん積み上がってきているんだろうけど、その一部が中小型株へと流れてきている面もあるのだろう。」

M「主力株もある程度調整してくれば、買いに来る個人投資家も多いのだろうけど
、今は出遅れている中小型株へと資金が向かってきているんだろうな。」

T「特に新興市場なんて個人投資家が売買シェア断トツでトップだからな。個人投
資家の買い気が強まれば、新興市場はどんどん強くなってくる。」

M「海外市場など外部要因懸念が依然としてあることから、主力株は買いにくくな
っているという面もあるだろうな。あまり外部要因に左右されにくい新興銘柄や個
別材料株へと物色の矛先が向かいやすい。」

T「外部要因といえば、ギリシャ問題だが結局IMFへの支払いは先延ばしになったな
。」

M「ああ。今月、ギリシャIMFへの返済期日が次々到来する。合計4度あるのだが
、それをまとめて月末に払うことになった。もともと、このような措置はIMFは認め
ていたんだが、ギリシャは要請していなかった。」

T「ところがギリギリになって要請したようで、結局月末に一括で支払うことにな
ったわけだ。でも月末には年金支給や公務員給与の支払いもある。時間稼いだとこ
ろで結局、EUなどから支援を受けられないと払うのは不可能だ。」

M「そうだな。ある意味、時間を稼いだとはいえるものの、懸念を先延ばしにした
に過ぎない。」

T「さすがに今度は待ったなしだろうからな。月末まで支援受けられなければデフ
ォルトということになる。」

M「早いところEUなどと合意し支援にこぎ着けられれば良いけどな。」

T「もう一つの懸念としては、やはり米国の利上げ時期を巡る問題だろうな。それ
を決めるのに重要な経済指標が昨日発表された。」

M「5月雇用統計だな。結果は非農業部門雇用者数が28万人増となり、市場予測の
22.5万人増を大きく上回った。」

T「ああ。しかも弱い数字が出ていた3月分が上方修正されている。内容的にも悪く
ない。」

M「そうだな。失業率は前回より悪化したものの、就職活動に復帰した向きが増え
たための失業率増加であり、良い状況になっているといえる。更に賃金も上昇して
いるし、米国の労働市場は良くなってきているのは確かだろう。」

T「こりゃ9月の利上げ濃厚っぽいよな。」

M「まあ、今後出される経済指標、特に雇用統計が突如悪化しなければ9月利上げとなるかも知れない。」

T「この雇用統計をうけドル高が進行し、ドル円は大きく円安へと振れている。そ
れが日本株には追い風となりそうだが、米国株には重しだな。」

M「ああ。景気先行き期待には繋がるものの、利上げ懸念が重しとなるだろう。ド
ル高も米輸出企業には重しだし、米長期金利も上昇している。」

T「こりゃ今月のFOMCは注目だな。まさか今月の利上げはないだろうけど、今回の
強い雇用統計をうけ、どう声明文が変わるのか、またイエレンFRB議長の発言に変化が見られるのか・・・。」

M「市場に安心感を与えるのか、懸念を強めさせるのか・・。どちらかにはなりそ
うだけどな。」

T「それまでは米国株は積極的な買いも入れにくいかも知れない。となれば売り買
い交錯で方向感乏しい展開になるのかもな。」

M「米国では利上げ問題、欧州ではギリシャ問題、そういった問題で積極的に買え
ない状況だけに、日本株へと資金が向かってくるようだと面白いけどな。」

T「確かにそうだな。まあ欧米に懸念があると、日本株も買いにくいという見方も
出来るが、比較的に買いやすいのは確かだろうからな。」

M「ああ。来週どういう展開になるのか注目だな。期待したいモンだ。」