熊本地震、復興へ政府が旅行券 九州向け最大7割引き

熊本地震、復興へ政府が旅行券 九州向け最大7割引き

 政府は31日、熊本地震対策として導入する「九州観光支援旅行券」の詳細を発表した。180億円の国費を投じ、7月から12月までの宿泊を伴う旅行商品を最大7割割り引く。1人あたりの割引上限は交通つき商品の場合、1泊2日で2万円、2泊3日以上で3万円。九州7県が宿泊予約サイトや旅行会社を通じて7月上旬までに売り出す。

 個人は割引後の商品を購入し、付与された予約番号をホテルなどに伝える。外国人も利用できる。被害が大きかった熊本、大分両県の割引率は7~9月に平均50%、最大70%、10~12月は平均25%、最大50%とする。福岡県など他の5県の割引率は7~9月に平均20%、最大50%、10~12月は平均10%、最大40%とする。


 観光庁によると、九州では地震の影響で約75万人分の宿泊にキャンセルが出た。政府は旅行券で150万人分の需要をつくる。菅義偉官房長官は31日の記者会見で「夏の観光シーズンに向けてスピード感をもって対応する必要がある」とした。

 政府は旅行券のほか、ホテルや旅館の耐震改修を支援したり、海外の旅行関係者を九州に招待したりする。地震前より魅力的な観光地になるよう熊本城や阿蘇神社などの復旧も支援していく。