◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆ 2016/11/05(土)発行

=================
◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
=================
T「今週は名実共に11月相場入りとなったが、反落となった。」

M「ああ。先週末に突如、大統領選の民主党候補ヒラリークリントン氏のメール問
題が再燃したからな。それにより懸念されたように共和党の候補であるドナルドト
ランプ氏との支持率が拮抗してきた。」

T「そうだな。どこの調査も支持率は両者拮抗しているといえ、大差はない。こう
なると、どう転ぶのか本当に選挙終わってみなければ解らない状況だ。」

M「それにより今週はリスクオフの動きになっている。今までトランプ氏が勝利す
るというシナリオはテールリスクとしてほぼ無いと見られていたが、その可能性が
出てきたんだからな。」

T「そうだな。それによりクリントン氏勝利というシナリオでポジション組んでい
た向きは、そのポジションを修正せざるを得なくなる。」

M「ああ。少なくともポジション減らす動きが強まるのも無理はないだろう。」

T「それにより米国株は今週全敗だ。ダウは18000ドルも割り込んでいるし、昨日ま
でで7日続落となっている。」

M「ナスダック、S&P500指数なんて9日続落だからな。」

T「S&P500指数の9日続落は1980年以来、36年ぶりだそうだ。」

M「普段起きないことがここに来て起こっている。何かの予兆なのかも知れないと
警戒する声も少なくない。」

T「そうだな。もしかすれば、長年続けてきた米国株の上昇基調が本当に終わって
しまうのかも知れない。」

M「その懸念は確かにある。これは別にトランプ氏が勝利せず、ヒラリークリント
ン氏が勝利となってもあり得る事だ。」

T「確かにそれは言えるだろう。米国株は依然として割高だと指摘する向きも少な
くない。やはり大規模な量的緩和政策によって、押し上げられている面も強いから
な。」

M「ああ。ただその金融政策も既に引き締めに向かっている状況だ。市場への影響
を配慮して急ピッチな利上げはあり得ないと思うが、緩やかながら引き締めていく
方向に今は向かっている。」

T「それだけ米国経済が拡大していくなら良いのだが、既に今の米国株はある程度
の経済拡大は織り込んで買われているとの見方も多い。」

M「それだけに、米国経済拡大していっても、米国株が上げていくとは言い切れな
い。」

T「まあ米国株の上昇基調が例え止まったとしても、揉み合いならばまだ良いけど
な。」

M「そうだな。下落基調になって行かなければ日本株には言うほど重しとはならな
い期待あるからな。」

T「米経済がしっかり拡大していければ、米国株上げられずとも下落基調になって
いくことは考えにくい。」

M「ああ。ただ次期大統領がもしトランプ氏になった場合、米国経済に多大な影響
を与えるのは必至だ。それが悪い方に動くなら、米国株の下落基調あり得ない話で
もない。」

T「まあ、今の状況ではトランプ大統領誕生となった場合、米国経済にはマイナス
だとの見方が殆どだ。」

M「まあ今までのトランプ氏の発言など聞く限り、米国経済にマイナスになると見
られても仕方ない。」

T「ああ。ただ実際に大統領になった場合、どういった政策をしていくのかは不透
明な面も多い。」

M「その通りだ。それだけに必ずしも米経済にマイナスになるとは限らない。もし
かすれば、凄い手腕を魅せて米経済に大きく貢献するかも知れない。」

T「何せ政治経験がないだけに、予測不能ともいえるからな。」

M「ああ。もしかしたら大化けするかも知れない。良い方に・・。」

T「そうだよな。そもそもトランプ氏が公言している無茶な政策が全て実現できる
わけでもないからな。」

M「まず議会を通らないだろう。例え連邦議会選挙で上院、下院、共に現状のよう
共和党過半数押さえたとしても、共和党の中にはトランプ氏に賛同する人ばか
りではないからな。」

T「だよな。共和党の議員でも今回の大統領選はヒラリークリントン氏に投票する
と公言している人も居るくらいだ。」

M「もちろん、今回の大統領選でトランプ氏が勝った場合、マーケットへの波乱は
避けられない。悪材料織り込み済みとはならないだろう。ただ、波乱一巡後はどう
なるか解らんぞ。」

T「確かに・・・。人によってはトランプ氏が大統領になった方が、期待が出来る
と考えている人も結構居るだろうからな。」

M「ああ。トランプ大統領により、米国が変わることになる可能性があるが、良い
方に変わる可能性もあるだけに、そっちに賭けている人達がトランプ氏に投票する
んだろうな。」

T「いわゆる変革に期待する人達がトランプ氏に投票するというわけだな。」

M「クリントン氏では、今までの米国からは大きくは変わらないだろう。極端に悪
くもならないだろうけど、極端に良くもならない。ならトランプ氏に賭けるという
米国民も多いのかも知れない。」

T「確かに、その考え方も解るような気もする。」

M「まあ泣いても笑っても数日後には結果が出てくる。まずはそれを見極めて、そ
の後のシナリオを考えていきたい。」

T「大統領選は8日だが、日本時間では9日の午後に結果がわかるだろうな。ただ接
戦になれば、9日の夜まで結果が解らない恐れもある。」

M「そうだな。9日の午後の早い時間に大勢が判明すれば日本株は大きく動くことに
なるだろうな。後場に・・。」

T「いずれにしろ9日の日本市場は思惑で動き見せるだろう。結果出ずとも大統領選
の途中結果が流れるたびに・・・。」

M「だろうな。果たしてどっちが勝利するのか見物だな。しっかりと見極めたい。」