大事な事はなぜ報道されない?戦後日本の禁句に立ちすくむメディアや識者

【世界大炎上】大事な事はなぜ報道されない? 戦後日本の禁句に立ちすくむメディアや識者

2017.02.16

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 連日の報道により、情報も出尽くしたかと思われる安倍晋三首相の訪米と日米首脳会談だが、実は報道には相当偏りがある。報じられない重要な事柄や言葉があり、それらをつなげてみると面白いことが見えてくる。

 第1は、安倍首相がワシントン郊外のアーリントン国立墓地で、米国の戦没者に献花した際の全容である。一部メディアで、首相が献花したという事実と、花輪を掲げる瞬間の写真は辛うじて流れたが、これでは事の本質が伝わらない。

 アーリントンでの献花の際、日本国総理大臣は、米国の陸、海、空、海兵隊の四軍による特別儀仗(ぎじょう)という栄誉礼で遇された。四軍の士が整列するところへ、大きな日章旗とともに安倍首相が現れ、軍楽隊によって日本の国歌・君が代が演奏される。続いて米国国歌が奏でられた後、首相は献花台へと歩を進めたのだ。

 一連の動作、情景は厳粛でかつ美しかった。が、多くの日本国民は見ていない。たまさか筆者は、ワシントン・ポストフェイスブックに上げられた映像で見、1人でも多くの人が見るべきと思いシェアした。

 第2は、日米共同声明の内容についてである。

 沖縄県尖閣諸島が、日米安全保障条約5条の適用範囲と明記されたことはいうが、声明の冒頭に「核と通常戦力の双方によるあらゆる種類の米軍の軍事力」で日本の防衛にコミットすると書かれてあることには触れない。いわゆる核の傘の言明である。

安倍首相はアーリントン国立墓地で、無名戦士の墓に献花した=10日、米ワシントン郊外(AP)【拡大】
 共同声明文は外務省のウェブサイトに公表されているのだから、国民各自が読めばいいとはいうものの、従来のマスメディアや左派識者の核アレルギー体質を思うと、このくだりが完全に無視されることは不自然極まりない。

 さらに、この日米共同声明を、日本側の要望のほぼすべてが盛り込まれた「満額回答」などと高く評価する識者はいるが、日本の要望の大半が、実は明記されていない「中国」に向けられたものだとはっきりと解説しない。

 日本の国旗国歌、軍による栄誉礼、核、そして中国という脅威。

 並べてみれば、すべて、マスメディアと識者らが「禁句」としてきた事柄、言葉ではないか。戦後日本の禁句はまだ生きていて、マスメディアや識者はその前で立ちすくんでいるのだ。

 安倍首相が、ドナルド・トランプ米大統領をパートナーとして仕掛けた共同戦線は、その禁句に象徴される「戦後レジーム」を壊す戦いである。

 仮にテレビが一斉に、わずか数分のアーリントンでの全容を放映していたら、政権の支持率はさらに上がったにちがいない。

 今月初めの国会で、民進党辻元清美衆院議員が「首相は人がいいのかしら、私より。(ロシアに)ここまでやられて」とただし、安倍首相が「私は確かに辻元さんよりも人はいいかもしれませんが…」と答える一幕があった。

 取るに足らない批判を繰り返して自党の支持を下げ続ける辻元氏らよりも、安倍首相ははるかに「人が悪い」ことは確かである。