「逃げ腰」習氏にトランプ氏激怒、北潰しプロのCIAが韓国で極秘工作 中朝工作員は突然「安倍潰し」活発化

「逃げ腰」習氏にトランプ氏激怒、北潰しプロのCIAが韓国で極秘工作 中朝工作員は突然「安倍潰し」活発化 

2017.7.11
 米中決裂が確定的となった。ドナルド・トランプ大統領は、中国の習近平国家主席が、北朝鮮の「核・ミサイル開発」阻止に動かなかったことに激怒し、対抗措置に着手したのだ。中国への制裁発動と、北朝鮮への軍事オプションの検討指令。こうしたなか、中国と北朝鮮工作員が、日米同盟を弱体化させるため、安倍晋三政権攻撃に関与しているという衝撃情報が入った。東京都議選などで確認された、驚くべき工作員動向とは。ジャーナリストの加賀孝英氏による最新リポート。
 「中国は裏切り者だ! 米国は本気で怒っている。北朝鮮の暴走は中国の責任だ。トランプ氏は陰では習氏を罵倒している。『中国との全面対立』まで語り、関係機関が緊張している」
 旧知の米情報当局関係者はそう語った。

 トランプ氏と習氏は8日、G20(20カ国・地域)首脳会議が行われたドイツ・ハンブルクで首脳会談を行った。
 会談の4日前、北朝鮮ICBM大陸間弾道ミサイル)を発射した。ワシントン州シアトルに届く「射程8000キロ以上」との分析もあり、米国が設定した「レッドライン」を越えた可能性もあった。米中首脳の対応が注目された。
 だが、「成果はゼロだ」と、防衛省関係者は断言し、続けた。
 「トランプ氏は『北朝鮮に圧力をかけてくれ。資金源を絶て』と迫ったが、習氏は『対話と協議を堅持する』と逃げた。トランプ氏が習氏をにらみつける場面もあった」
 私(加賀)は前回の連載(6月26日発行)で、米中関係の悪化を、次のように報告した。

(1)4月の米中首脳会談で、中国は《北朝鮮に「100日間」圧力をかける。結果が出なければ、米国の(先制攻撃などの)単独行動を容認する》と合意した
(2)だが、先月21日の米中「外交・安全保障対話」で、中国は「われわれは朝鮮半島から手を引いている」と開き直った
(3)トランプ氏は「裏切られた」と激怒し、7月中旬のデッドラインを待たずに、単独行動の選択に入った-。
 その後のトランプ政権の、中国に対する「報復攻撃」はすさまじい。

 米国務省は先月27日、「2017・人身売買報告書」を発表した。中国を「最悪の人身売買国」に格下げして、中国のメンツを潰した。

 国務省は同29日、台湾に、魚雷やミサイル部品など、総額14億2000万ドル(約1460億円)の武器売却計画を議会に通知した。「1つの中国」政策を無視するもので、中国は驚き、猛反発した。

 財務省は同29日、中国の丹東銀行を「北朝鮮マネーロンダリングに加担している」とし、米国との取引を禁じ、中国に衝撃を与えた。
 米中決裂が鮮明になったのは、7月2日の米中首脳電話会談だ。
 米政府関係者は「習氏は、米国の一連の措置に泣きつくように抗議した。トランプ氏は無視して『単独行動』を宣言した。習氏は翌日、ロシアに駆け込み、プーチン大統領と首脳会談を行い、米国の北朝鮮政策と、在韓米軍への高高度防衛ミサイル(THAAD)配備への『反対』をブチ上げた。トランプ氏は中国を信じない」と語る。

 米国は、中朝攻撃の「さらなる極秘工作」を進めている。以下、複数の米情報当局、米軍関係者から入手した情報だ。

 「米国は、北朝鮮と取引する中国企業を徹底的にたたく。欧米主要銀行8行にある、その中国企業の巨額資産の差し押さえを検討している」「米国は、丹東銀行以外に『約10の中国企業・個人』への制裁も中国に要求している。世界第4位の中国銀行と、人民解放軍系企業も制裁対象にする。中国と北朝鮮は大混乱になる。北朝鮮の資金源を絶ち、飢えた軍部と市民による、正恩政権潰しの暴動をうながす」

 北朝鮮への軍事オプションに向けた準備も進行している。情報は続く。
 「米中央情報局(CIA)が今年5月に新設した北朝鮮工作の司令塔『朝鮮ミッションセンター』の責任者、アンドルー・キム氏が6月30日から今月6日まで、韓国で極秘活動をしていた」
 
キム氏は、CIA韓国支部長などを歴任した人物だ。彼につけられたあだ名は「冥土の使い」。要は、「死に神」「地獄の使者」だ。

 「彼は北朝鮮潰しのプロだ。北朝鮮に潜入中の工作員や、正恩氏の近くにいる協力者の確認、韓国の文在寅ムン・ジェイン)大統領への北朝鮮の汚染度、韓国内に5万人いる北朝鮮工作員、米軍特殊部隊の北朝鮮侵入ルートのチェックなど、極秘任務を行った」
 北朝鮮のこれ以上の暴発は断じて許すわけにはいかない。日本は米国との連携を強めていく必要がある。だが、深刻な不安が浮上している。
 外事警察関係者は「日本国内で、中国や北朝鮮工作員の動きが、突然活発化している。安倍政権を攻撃するものだ」といい、こう続けた。

 「『加計学園問題』や『豊田真由子衆院議員の暴言・暴行問題』『稲田朋美防衛相の失言』などが相次ぎ、自民党は都議選で歴史的敗北をした。ネット上では、中朝工作員とみられる、『安倍政権潰し』の大量の書き込みがあった」

 「彼らは『安倍政権を倒せば、日米同盟は弱体化し、トランプ政権は中国制裁や北朝鮮攻撃が不可能になる』と考えているようだ。工作員たちが政界関係者やマスコミ関係者と接触している。危険だ」

 加賀孝英(かが・こうえい) ジャーナリスト。1957年生まれ。週刊文春、新潮社を経て独立。95年、第1回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞受賞。週刊誌、月刊誌を舞台に幅広く活躍し、数々のスクープで知られている。