電子納税しやすく 国税庁、証明書や専用機器不要に

電子納税しやすく 国税庁、証明書や専用機器不要に

 国税庁は2019年をめどにインターネットで電子申告・納税しやすくする。今の電子申告では本人確認のための読み取り機器やマイナンバーカードなどの電子証明書が必要だが、税務署でいちど本人確認すればIDとパスワードで認証できるようにする。海外に比べ普及が遅れる電子申告・納税を広げるため。


 電子申告・納税はネットで個人や法人が確定申告をして、事前に登録した口座から納税する制度。国内では15年度の所得税申告で52%、個人事業主などが行う消費税の申告では59%が利用している。
 国の電子申告・納税サイト「e―Tax」で電子申告をするには、マイナンバーカードや住民基本台帳カードなどの電子証明書と、証明書を読み込む「ICカードリーダー」という機器が必要だ。読み込み機器は1千~4千円程度かかるため普及の妨げになっていた。

 新しい方式では、ICカードリーダーやマイナンバーカードなどの電子証明書が要らなくなる。まず税務署で申告を始める届け出書と免許証など本人確認ができる証明書を提出する。職員が対面で本人確認をしてなりすましなどを防ぐ。

 そこで受け取ったIDとパスワードを国税庁のサイトで入力するだけでe―Taxを通じて電子申告ができる。18年分の申告分からが対象で、翌年度以降も同じIDとパスワードを使いネットで申告できる。
 国税庁スマートフォンなどにカードの読み取り機能の導入が進むと見ており、3年程度の暫定措置として実施する。その後はマイナンバーカードの普及状況などを見て制度を続けるかどうかを決める。