◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2017.09.09

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「先週は日経平均が7週ぶりの上昇となったんだが、今週はあっさり反落だ。」

M「ああ。またしても北朝鮮だな。9/9の建国記念日への警戒はあったが、その
1週間前の日曜日に核実験に踏み切った。」

T「8/29には、日本上空を通過する弾道ミサイル発射したばかりだ。それだけに
タイミング的には意表突かれた格好かもな。」

M「そうだな。建国記念日の1週間も前に核実験行ったことで、建国記念日には更
に何かをしてくるのではとの警戒も強まったといえる。」

T「ああ。北朝鮮で、新たなミサイル発射の兆候が確認されており、建国記念日
ICBM、つまり大陸間弾道ミサイルを撃つ可能性があるとの見方もある。」

M「現状では、まだ撃っていないが、建国記念日後に撃つ恐れも否めない。」

T「週明けまで何も行動起こさなければ良いが、もし実際に撃ってくるようだと、
何処に撃つかでも懸念の強さは変わりそうだ。」

M「まさかグアム方向に撃つとは思えないが・・・。」

T「ミサイル発射ではなく、再度核実験を行うとの見方もある。」

M「いずれにしろ何らかの軍事行動を起こしてくる懸念はあるからな。」

T「ああ。来週には国連安保理北朝鮮への新たな制裁決議が行われる見込みだ。
それを牽制する意味でも、北朝鮮何らかの挑発行為する懸念は否めない。」

M「もしくは制裁決議されてから、何らかの行動を起こしてくる恐れもある。」

T「となれば、来週もまだ北朝鮮リスクは意識され続けるという訳か・・。」

M「そうだな。まあ取りあえず週明けまで何も無ければ、ひとまず落ち着きを見せ
る期待はありそうだが、楽観ムードにはならないだろうな。」

T「今週は北朝鮮リスクに加えて、米国の新たな大型ハリケーンへの警戒も相場の
重しとなったといえる。」

M「ああ。先月下旬に米南部テキサス州を直撃したハービー以上の勢力があるイル
マが、米フロリダ州を直撃する懸念が強まっている。」

T「既にカリブ海諸島では、かなりの被害が出ており、実際にフロリダ州に上陸す
るようだと、米国経済にも大きな影響を与える。」

M「それが懸念され今週の米国株は重かった面もあるだろう。」

T「ああ。週末にも上陸の可能性がいわれていただけに、警戒されるのも無理はな
い。」

M「ここに来て勢力がやや落ちてきているようだが、まだ安心できる状況ではない
。」

T「米国はハービーで結構な被害を受けたばかりだ。相次ぐハリケーン被害となれ
ば経済への悪影響も避けられないか・・。」

M「そうだな。既に先週の失業保険申請件数が増加してきている。ハービーの影響
だ。今後、更に増加する恐れもあり、他の経済指標への悪影響も今後出てくるのは
必至だ。」

T「だろうな。9月の経済指標は警戒されるというわけか・・。それが発表されるの
は10月だが。」

M「まあ、事前にある程度は織り込むだろうし、復興需要というのもあるからな。
これを機に米国景気が失速ということにはならないだろう。」

T「一時的に悪影響が出るということなら、まだ良いが・・。」

M「ただイルマの被害状況にもよるだろうし、現状ではやはり不透明感強いという
ことだ。」

T「その不透明感から今週はドルが売られた。ECB理事会でユーロ買いになったこと
もドル安を後押しした。」

M「ああ。今回のECB理事会は政策変更無かったが、会見でドラギECB総裁が次回会
合での政策変更を決める可能性を示唆している。これがユーロ買いに繋がった。」

T「恐らく来年からの量的緩和政策縮小、いわゆるテーパリングを決めるんだろう
な。」

M「既にある程度は想定されてユーロも買われてきたんだが、ドラギECB総裁の発言
で、出尽くしとはならず改めてユーロ買いとなっている。」

T「出尽くし的にユーロ売られるのも、まだ先なのかもな。」

M「いずれにしろ大型ハリケーンへの懸念からドルは売られやすい状況だ。相対的
にユーロは買われやすいということだろう。同じ理屈で円も買われやすい。」

T「再来週にはFOMC控えており、バランスシート縮小を決めると見られている。た
だもしハリケーン被害が大きくなるようだと、そのバランスシート縮小も出来るの
かどうか・・。」

M「その辺も不透明になってくるかもな。やはり市場は不透明を嫌うだけに、それ
によりリスクオフの動き強まらなければ良いのだが。」

T「ただ今週、懸念されていた米連邦債務上限問題がひとまず解決した。」

M「解決と言えるのかどうか解らないが、3ヶ月間だけ上限撤廃出来る法案が成立し
た。」

T「しかも3ヶ月間の暫定予算含んだ法案だ。これで10月からの政府機関閉鎖という
懸念はなくなった。」

M「8月下旬に米国を襲ったハービーの復興支援予算を早期に決める必要があり、そ
れも今回の暫定予算に盛り込まれている。」

T「ある意味、ハービーにより難なく可決成立したとも言えるのかもな。」

M「それは確かにあるかもな。被害受けて困っている人や街があるだけに、早期に
復興予算決めて支援する必要がある。与野党で予算巡って揉めている場合じゃない
。」

T「ああ。そんなことになれば米国民から叩かれるだろうし炎上必至だ。下手すれ
ば政治生命も終わってしまう恐れもあるからな。下手に反対できないということだ
な。」

M「ただ、今回議会で可決し大統領が署名して成立した法案は、もともと野党であ
民主党が提案した法案だ。与党の共和党内では、その法案には反対する声も少な
くない。」

T「でも上院でも下院での賛成多数で可決された。」

M「仕方ないんだろう。トランプ大統領民主党と早々と合意してしまったんだか
ら。」

T「確かにそうだな。」

M「ただ今回のことで、トランプ政権の先行きは一段と不透明になったとの見方も
多い。大統領と共和党との亀裂が拡大したのは間違いなく、更に税制改革なども遅
れる恐れも強まったためだ。」

T「まあ今回、ひとまず政府機関閉鎖という懸念は後退したが、あくまでも12月ま
で問題を先送りにしたに過ぎない。」

M「ああ。12月には、再度懸念視されてくるのは必至だろう。そうなると果たして
年内に来年からの税制改革を決められるのかどうか・・。」

T「確かに難しくなるように思える。」

M「まあ取りあえず9月の懸念要因の一つだった、債務上限問題と10月から予算に関
してはクリアした。」

T「そうだな。いずれ懸念視されるのは必至でも、取りあえず9月の懸念にはならな
いといえるかもな。」

M「ただ北朝鮮リスクが、まだ燻りそうで、日本でいえば円高が懸念だろう。」

T「今週ドル円相場は下抜けてきたからな。既に輸出企業の想定為替レートより円
高水準となっている状況だ。」

M「ああ。更に円高へ進むようだとストレートに日本株売り材料になってしまう。
それだけに来週、ドル円が戻せるかどうかが重要になりそうだ。」

T「北朝鮮リスク落ち着いてくれば、ドル買い戻しに繋がるとは思うのだが・・。」

M「まずは北朝鮮の行動だな。動き見せるのかどうか、注目したい。」

T「ああ。あとイルマの動向に注目だな。勢力更に弱まって、進路が変わり上陸避
けられれば良いのだが・・。そういう展開に期待したいモンだ。」