ムンジェイン政権の「囊中之錐」

ムンジェイン政権の「囊中之錐」

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(囊中之錐(のうちゅうのきり):すぐれた才能の持ち主は、大衆の中に交じっていても、自然と才能を発揮することから目立ってくることのたとえ。「嚢中」は袋の中という意味。「錐」は小さな穴をあけるための鋭い刃先の工具袋の中に錐を入れておくと、錐の刃先が自ずと袋を突き破り、外に出てくることから。)
ムンジェイン政権は14日、北朝鮮に向けた国際社会(国連)の対応に逆行する対北朝鮮支援(国際機関経由800万ドル)に乗り出す計画があると発表した。
そして北朝鮮はこれに対して「これが私たちの方法だ」と応えるかのように、次の日の15日、歴代最大級の弾道ミサイルを発射した。

ところで、このような北朝鮮の挑発にもかかわらず、ムンジェイン政権はいまだに、「ミサイルはミサイル、人道支援人道支援」として意地を折らない姿である。
また、14日の対北朝鮮支援の発表は、15日の北朝鮮弾道ミサイル挑発を事前に認知した状態で出てきた状況がほぼ確実で、米国と日本は特に表現はしなくても、事実上「驚愕レベル」に陥ったと思われる。

日本政府のスポークスマンは、韓国側の対北支援の発表と関連して、「北朝鮮への圧力を毀損する行為」という直接的な表現で失望感を示しており、15日、北朝鮮の挑発による韓日間の電話会談でも、安倍首相はムンジェイン大統領に「対北朝鮮支援の時期を考慮してほしい」と、事実上ムンジェイン政権の対北朝鮮支援に反対という意思を明らかにした。
米国トランプ政権は、韓国の対北支援に対する意見を問う取材陣に向かって、「韓国政府に直接聞いて見なさい」という反応を見せたことが分かった。 
「直接聞いて見なさい」という米国政府の表現が「非常に不満」ということの迂回的表現だということを知らない人はいない。

また、ムンジェイン大統領は14日、CNNとのインタビューで、「北朝鮮の核開発は北朝鮮体制の安全の確保を受けるためだと考えている」と述べた。
非常に懸念される部分だ。
某元大統領(*盧武鉉のことかな)が粘り強く歌っていた「過去の歌」が、壊れたレコードで、歪んだ音で、今日まで無限に繰り返し流れているという感じを消すことができない。

北朝鮮は15日の弾道ミサイル発射を意図的に露出させた状況がはっきりしている。
米国と日本の偵察衛星が24時間昼も夜も監視していることを知らないはずのない北朝鮮は、発射の日の前の14日未明から弾道ミサイルを積んだロケットなど大型トラックの移動と発射準備兵力の動き、発射準備のための展開過程などをあえて隠さなかった。
なるべく密かに発射しようとしていた以前の状況に比べて大きく変わった姿である。
北朝鮮は「見てようが見てなかろうが、自分の行く道を行く」という式になった。
こういった北朝鮮の「見てようが見てなかろうが、自分の行く道を行く」方式で南北協力するため、ムンジェイン政権は、国際社会の対応とは違う動きを本格的にまさかしはじめた訳じゃないだろう?

錐のように自然に、優れた才能が袋を突き抜けて出てくるのなら、心配はしない。
しかし、深いところの潜在的な左派本能(左派DNA)が、一時的な我慢もできず、国際社会の雰囲気に正面から逆らって、錐のように突き抜けて出てくるのなら、話は違う。
大韓民国の国民は、北朝鮮の核・ミサイル心配するだけで頭が痛いのに、袋を突き抜けて出てきた鋭い錐(ムンジェイン政権の左派本能)まで追加で懸念しなければならない二重苦を経験することになった。
ますます日暮途遠(日が暮れてしまったけれど、前途はまだまだ遠い)の心情である。

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