◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2017.11.18

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週はさすがに調整となった。日経平均は週間ベースで10週ぶりに下落した。」

M「ああ。先週あれだけ荒い動きして、波乱となったことから、さすがに今週は下落やむなしといった感じだったからな。」

T「それでも、一時今週プラスに転じるような場面も見せており、引き続きダイナミックな動きは見られている。」

M「仕方ないだろう。先週にボラティリティが大きく高まってきたことから、そう簡単には落ち着かない。ボラタイムな動きになるのは仕方ない。」

T「そうだな。今週は先週後半の流れから、売り優勢の展開が続き、日経平均は22000円付近まで下落した。」

M「ああ。5日続落となり、翌日には日経平均22000円割れで始まったからな。」

T「ただその後は戻り基調となり、昨日の前場には22750円台まで上昇する場面があった。わずか1日半弱で日経平均750円超も上げたことになる。」

M「まさか今週も週間ベースでプラスで終えられるのかという期待も出たんだが・・。」

T「そうだな。10週連続での上昇も期待されたんだが、昨日の前場の内から崩れてしまった。」

M「昨日は日経平均400円超の上昇から後場にはマイナスに転じる場面もあったからな。依然としてボラタイムな動き続いているといえる。」

T「先週後半から崩れてきてから、結構空売り比率が高まっている。先物には手仕舞い売りらしき売りも日々出ていたし、やはり先週前半までの上昇は行き過ぎと見る向き多いようだ。」

M「そうだな。確かに日本株は米国株と比べれば、まだ出遅れている面もある。ファンダ的にも割高とは言い難く、日経平均23000円台まで買われても説明は付く。」

T「それは最近よく耳にする。今回の決算発表シーズンで、上方修正相次ぎ、日本株に割安感が出てきたためだ。」

M「ただやはり9月からの上昇、特に10月からの上昇の勢いは行き過ぎなんだろう。これだけ短期間で上昇すれば、そりゃ利食いに動く向きは多く出てくるのはやむを得ない。」

T「そうだな。特にヘッジファンドなどの短期筋にしてみれば、絶好の利食い場面となるし、中にはドテン売りも考える局面といえるだろうからな。」

M「ヘッジファンドなどの投機筋以外でも、この時期は海外勢にポジション調整の動きが出やすい。」

T「確かにそうだな。例年、米感謝祭へ向けて手仕舞いに動いたり、ポジション調整してくる向きは多いといえる。」

M「ああ。中には米感謝祭以降はクリスマス休暇入りする向きもいるからな。休み前にポジション調整するのは当然だろう。」

T「まして、これだけ足元上げてきたんだ。そりゃ利食い売りしたくなる向きは多いだろうな。」

M「そうだな。ただあくまでもポジション調整であり、本格的に日本株を売ってきているわけではないだろう。」

T「そうだろうな。それだけに続く売りでもないと・・。」

M「ああ。更に先週前半までの強い上昇相場に乗れなかった投資家も特に国内では非常に多い。そういった向きにしてみれば、下げてくれば買いに動く向きも多いだろう。」

T「だろうな。海外投資家にだって、下げれば日本株買いに動く向きだって出てくるだろう。」

M「そう考えれば、やはりここからの下値は買いということが言える。」

T「懸念は無いのか。」

M「まあ北朝鮮やサウジのことなど懸念はあるといえるが、やはりもっとも現実的に警戒されるのは米税制改革のことだろうな。」

T「それが来年へずれ込んだり、廃案になったりすれば、米国株は波乱だな。」

M「そうだな。米国株は、大幅減税もある程度は織り込んで買われてきた面もあるからな。」

T「今週は下院共和党案が下院で可決されたが、上院共和党案とは内容的に結構違うため、一本化は難しいとの見方が多い。」

M「ああ。今週下院で可決された案を、そのまま上院で可決なんて無理だろう。まあ採決に至ることも難しい。」

T「それなりに修正されて上院で採決され可決されても、修正具合によっては嫌気される恐れもある。」

M「ああ。現状で言われているのは減税は来年からではなく再来年からということになるかも知れないと言うことだ。」

T「それだと、例え可決成立されても、嫌気される恐れはありそうだ。」

M「ああ。ただ上院共和党ではそういった案が現状有力となっている。」

T「あとは減税の財源確保のためオバマケア廃止も組み込むことを検討なんて話も出ている。」

M「そうだな。ただオバマケア撤廃改正案も今まで何度も協議してきて結局頓挫しているからな。」

T「ああ。上院で可決できず、現状流れている法案だ。それを組み込んで果たして可決できるんだろうか。」

M「まともにも考えれば難しい。いずれにしろ、まだまだ不透明だと言えるだろう。」

T「昨日の米国株の下落も、その不透明さが意識され重しとなっていた面もあるようだ。」

M「来週は上院で協議され、採決まで行けるかも知れないが、どういった内容に修正されるのかが注目される。」

T「そうだな。何とか今年中に可決成立し、来年からの減税開始となれば良いのだが・・・。」

M「ああ。それらの行方も睨んで来週はまだ不安定な相場展開になりそうだ。」

T「ただ来週末から始まる米クリスマス商戦への期待はあるからな。」

M「その期待で相場を支えることが出来るのか、押し上げることが出来るのか注目だな。」

T「あと為替動向も注目される。昨日は米国時間に1ドル111円台まで円高進行する場面も見られており、ここに来て円高圧力が強まっている印象だ。」

M「そうだな。投機筋の円売りポジションはかなり積み上がっているだけに、その手仕舞いによる円買い戻しの動きが出ている可能性がある。」

T「結構積み上がっていただけに、まだその買い戻しが続く恐れがあるのかもな。」

M「そうだな。来週の動向注目だな。」

T「ああ。波乱的な円高とならなければ良いのだが・・。期待したいモンだ。」