米大統領が核攻撃を命令しても軍は「拒否できる」 元米戦略軍司令官が証言

米大統領が核攻撃を命令しても軍は「拒否できる」 元米戦略軍司令官が証言

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 ドナルド・トランプ米大統領(ロイター)

 【ワシントン=加納宏幸】核戦力の運用を統括する米戦略軍のケーラー元司令官は14日、大統領から核攻撃の命令があったとしても軍が「違法」と判断した場合には拒否することができるとの認識を示した。北朝鮮核・ミサイル開発で軍事的な選択肢が俎上に載せられる中、上院外交委員会が開いた核兵器の使用権限に関する公聴会で証言した。
 ケーラー氏は、大統領から核攻撃の命令があったとしても、軍の指揮系統を通じて軍事的な必要性や攻撃に対する比例性などから命令が適法かどうかを判断するとし、「米軍はやみくもに命令に従うわけではない」と強調した。
 委員会に提出した準備書面で、同氏は軍として「違法な命令や適切な機関から出されていない命令については疑義を呈し、究極的には拒絶する」と指摘した。
 米議会では、北朝鮮に対するトランプ大統領の「炎と怒りに見舞われる」「北朝鮮は完全に破壊される」といった発言から軍事行動に踏み切ることへの懸念が出ており、野党・民主党上院議員らが米国への差し迫った脅威がない状況で大統領が議会承認なく北朝鮮を先制攻撃することを禁止する法案を提出している。