◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2017.12.09

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は終わってみれば、週間ベースで日経平均小幅安、TOPIXは小幅高という感じだが、内容的には波乱含みだったといえる。」

M「ああ。日経平均は25日線を久々に割り込んできており、一時22000円付近まで突っ込む場面もあった。」

T「先週末にロシアゲート問題が再浮上したことや、税制改革案絡みで、今週は決行波乱含みだと見られていたが・・・。」

M「そうだな。実際に波乱含みの展開になったといえるが、その要因はまさかのエルサレム問題だ。」

T「トランプ大統領は以前から言っていたことだが、このタイミングでという感じだ。」

M「確かにそうだな。突如、エルサレムイスラエルの首都と認定することを表明することになり、米大使館をエルサレムに移転する準備を指示することを明らかにしたため、日本始めアジア株や欧州株にも波乱を呼んだ。」

T「とうの米国は殆ど悪影響を受けていない。」

M「ああ。日本では今週水曜日の午前中に報じられており、それを機に日本株が売り崩された格好だ。」

T「今思えば、結局はそのエルサレムネタを背景に、投機筋が売り仕掛けたような感じだな。」

M「今週はメジャーSQ週ということもあり、先物が大きく動けば動かざるを得ない向きが非常に増えるため、ボラティリティが大きくなりやすい。」

T「そりゃそうだよな。もうSQは22500~23000円内で決まるのではと見ていた向きも多かったし、それを睨んでのポジションが出来上がっていたような状況だ。」

M「それが22500円を大きく割り込んできたことで、ポジション組み直したり、手仕舞い余儀なくされたり、ヘッジ的に先物打ったりしなければならない向きが増えてしまった。」

T「それだけに水曜日、木曜日とオプションのボラティリティが急騰しており、随分と荒い動きとなっていた。」

M「そのボラを引き出して一儲けしようと動いてきた投機筋が居たんだろうな。」

T「上手く乗れれば妙味ある動きだったといえるが、大抵は振り回されるのがオチだ。」

M「それだけに振り回された投資家も多いだろうな。」

T「こういうことがあるだけにSQ週は荒れるというイメージが付きやすいんだろう。しかも今週は水曜日に波乱的な動きとなったことから、SQ週の水曜日は荒れるというイメージが再び強まってしまった。」

M「まあ、エルサレム問題は今後の不安要素であるのは確かだが、ひとまず大事ならず、あっさり落ち着いたのは良かったといえる。」

T「結局今回も日経平均22000円付近まで突っ込んだところが買い場だったと言うことになった格好だ。先月もそういう格好となっている。」

M「そうだな。再度22000円付近まで突っ込めば、また買いに動く向きも増えるだろうし、それにより実際に下げ止まる期待もあるだろうな。」

T「そう考えれば、もう22000円割れなんて、当面はなさそうに思えてくる。」

M「そう期待したいけどな。懸念されたロシアゲート問題も今のところは大きくはなっておらず、このままフェードアウトしそうにも思えるしな。」

T「ロシアゲート問題では、ABCテレビが一部の内容が誤報だったと認めている。」

M「ああ。フリン氏が大統領選挙中にトランプ氏からロシア側と接触するよう指示されたと証言すると報じたが、それが誤報だったようだ。」

T「実際に指示されたのは、大統領選後だったということらしい。」

M「だからといってロシアゲート懸念が消えたわけではない。トランプ大統領による司法妨害という懸念は生きているし、今後再度波乱要因となる恐れはあるといえる。」

T「そうだな。今回偽証を認めたフリン氏への捜査をやめるよう当時のFBI長官のコミー氏に求めたことだな。」

M「ああ。もしトランプ大統領がフリン氏の偽証を知っていて、捜査をやめるように求めたのであれば、完全に司法妨害だ。」

T「まあトランプ大統領は、捜査をやめるように求めたことは否定しているが・・。」

M「大統領選でロシアと手を組んだという疑惑より、司法妨害の方が立証しやすいと見られている。」

T「色々な報道見る限り、トランプ大統領はクロだろう。ただ立証するのはやはり簡単ではなく、結局捜査打ち切りとなる可能性もあるかもな。」

M「まあ、マーケットにとってはそっちの方が良いだろうな。いずれにしろ、再度浮上してくる恐れはゼロではないだろう。」

T「今週は8日期限を迎える暫定予算問題も懸念材料になるかもと見られていたが、それもひとまず懸念が後退したことも大きい。」

M「そうだな。日本時間で昨日の朝方に、両院共に22日までのつなぎ的な暫定予算を可決している。まあ問題先延ばしにしたに過ぎないが、ひとまず週明けからの政府機関閉鎖への懸念は消えたからな。」

T「22日まで新たな予算もしくは暫定予算を決められないと、政府機関閉鎖懸念が強まってくる。」

M「米議会は来週末までで、その後は休会となる予定だが、果たして来週いっぱいに決められるのかどうか・・。税制改革案の一本化もあるしな。」

T「決められないと、休会入りを22日まで先延ばしだろうな。クリスマスギリギリまで決められないのは、米議員達も避けたいんだろうけど。」

M「取りあえず来週は落ち着いた一週間になって欲しいところだ。FOMCがあるが、恐らく波乱はないだろうな。まあ為替市場には動き出てきそうだが・・。」

T「今回の利上げは既に織り込み済みで問題は来年だ。利上げ回数が思ったより少なくなると見られれば、ドル売りに繋がるし、来年も3回の利上げを見込んでいるFOMCメンバー多いことが解ればドル買いに繋がるかも知れない。」

M「昨日発表された米雇用統計は雇用者数、失業率共にしっかりとした数字だった。ただ平均賃金が想定より弱く、やはり低インフレが懸念される。」

T「この謎と見られている低インフレ状態が、続くようだと、今後の利上げ回数に影響与える可能性もあるからな。」

M「まあ積極的には利上げしにくいだろうからな。米国株には追い風になる要因なのかも知れないが・・。」

T「為替市場ではドル売り要因となり結果円高要因となる。日本株には逆風だ。」

M「まあとにかく来週のFOMC注目だな。特にFOMCメンバーの金利予想、いわゆるドットチャートが注目される。」

T「日本株に追い風となる結果になれば良いけどな。期待したいモンだ。」