◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2018.03.10

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は何とか上昇して終えている。しかし色々あった1週間だった。」

M「ああ。ただ何とか乗り切ったという感じだろう。日経平均TOPIX共に月曜日には200日移動平均線を割り込んで引けていたんだが、踏みとどまった。」

T「そうだな。下抜け懸念も強かったといえるが、米国株が頑張り支えとなった。」

M「引き続きトランプ大統領が言い出した鉄鋼・アルミの輸入制限が重しとなったといえるが、最終的にはかなり曖昧な格好となり、過度な懸念が後退した。」

T「ただその問題で、今週は米国家経済会議のコーン委員長が辞任を表明し波乱となる場面もあったからな。」

M「そうだな。コーン委員長は輸入制限に反対していた。」

T「でもトランプ大統領はそれを押し切り、輸入制限に踏み切った。」

M「ある意味、トランプ大統領の暴走を止めるストッパーとも言える人物の辞任は、トランプ政権への先行き懸念に繋がる問題だ。」

T「ただコーン氏の辞任は今まで何度か浮上したこともあり、それほどの驚きはないとの見方も多い。」

M「まあ、今回も噂は出ていたことだからな。見方によっては、ここまで良く我慢したとも言えるのかも知れない。」

T「税制改革案をまとめた功労者だが、ある意味、それをやりきったことで、トランプ大統領に耐える必要性も無くなったのかも知れない。」

M「それはあるかもな。コーン氏の辞任による悪影響が今後出てくるかも知れないが、ひとまずマーケットは織り込んだ格好だ。」

T「ただ鉄鋼・アルミの輸入制限も最初トランプ大統領が言っていたより、かなり軟化した格好だ。関税率は変わらないが、カナダとメキシコは当面猶予を与え、他の同盟国も交渉次第で関税免除する余地を残している。」

M「カナダとメキシコ以外にも、輸入制限発動前に猶予を与える国も出てくる可能性も示されている。」

T「この分だと欧州とか日本も発動前に猶予与えられる可能性もあるのかもな。」

M「結局、トランプ大統領が鉄鋼・アルミの輸入制限に踏み切ったのは来週のペンシルベニア州下院補選を睨んでのこととの見方も多い。」

T「今回補欠選が実施される選挙区は、鉄鋼の街ピッツバーグに近いからな。」

M「いずれにしろ、ひとまずこの輸入制限問題は落ち着いてくる期待はありそうだ。」

T「まあ、そうなればいいのだが・・。」

M「それに今週は北朝鮮問題に動きがあった。これもマーケットには追い風になったといえる。」

T「ああ。突如北朝鮮が、譲歩する姿勢を示してきており、韓国と首脳会談を行うことや、非核化などについて米国と対話する姿勢も示した。」

M「そして昨日には、5月までに米朝首脳会談を行うことも発表された。」

T「驚いたな。今まで時間の無駄と言ってたトランプ大統領が、北朝鮮の会談要請を受け入れたことが・・。」

M「非核化の可能性を出してきたことが大きいのだろう。ただ会談実現には、北朝鮮が非核化に向けて具体的な行動をとることを、米国が確認出来たらとのことだけに、まだまだ不透明感はある。」

T「そうだろうな。しかし北朝鮮も非核化というカードを出してきたのは、どういう風の吹き回しなんだろうな。」

M「制裁が効いてきて、北朝鮮国内が結構厳しくなっているのか、トランプ大統領にビビリ始めたのかもな。」

T「トランプ大統領なら、マジで北朝鮮に対して軍事行動起こすかも知れないと言う懸念か・・。」

M「もしかすれば米国側は韓国にその可能性を伝えていたのかも知れない。それで焦った韓国が、北朝鮮を説得したということかもな。」

T「まあ北朝鮮にしてみれば、攻撃されればひとたまりもない。報復的に韓国攻撃しても、自分のところは壊滅するのは目に見えている。」

M「実際、北朝鮮が何を考えているのか解らないけどな。」

T「でも北朝鮮にしてみれば、トランプ大統領も何考えているのか解らないともいえ、それだけにビビっているという可能性もあるのかもな。」

M「まあ米朝首脳会談が実現するかは不透明だし、実現しても本当に北朝鮮が非核化に動くのかも不透明だ。ただ暫くは北朝鮮リスクは大きく後退したことは確かだな。」

T「ところで米国では注目の雇用統計が昨夜発表された。」

M「ああ。雇用者数は市場予測を大きく上回る数字となったが、賃金を示す平均時給が伸び鈍化した。」

T「理想の結果になったと言えるだろう。強い雇用情勢の中、賃金の伸びが抑えられている。」

M「これをうけ米長期金利は上昇したものの、上値も限定的で、上昇も続いていない。」

T「まさに適温状態といえ、昨晩の米国市場は適温相場復活だと言わんばかりに強い動きを見せていた。」

M「今回の世界的な波乱相場は、2月頭に発表された1月雇用統計で加速した格好だからな。」

T「それだけに昨日発表された雇用統計で、波乱相場も終焉ということになるのかもな。」

M「まあVIX指数もかなり低下したし、ナスダック指数なんて最高値を更新してきた。ダウやS&P500指数はまだ上値まで余地があるが・・・。」

T「そう考えると日本株の戻りは鈍いな。週明けは上げるだろうけど、果たして上値甥となっていけるのかどうか・・。」

M「ドル円の戻りは鈍く、重しとなる恐れはあるだろう。」

T「そうだな。まあ来週は何処まで戻せるのか注目したい。期待したいモンだ。」