◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2018.04.07

=================
◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
=================

T「名実共に新年度相場入りとなった今週はしっかりと続伸した。」

M「ああ。ただ結構不安定な動きで、波乱含みの場面もあったが、取りあえず週間ベースでは先週末比で日経平均TOPIXも上昇し今週を終えている。」

T「今週も波乱要因となったのは、米中貿易摩擦だ。」

M「ああ。まず米国が3日に中国製品の約1300品目に追加関税をかける事を正式に発表した。総額500億ドル分だ。実際の発動までは約2ヵ月の猶予を儲けている。」

T「既に先月、トランプ大統領が中国製品に追加関税をかける大統領令に署名していた。」

M「それだけに目新しいことではないが、これをうけ早速中国が対抗措置を発表してきた。」

T「ああ。中国は4日に、米国製品106品目に追加関税をかける計画を発表した。対象品目の規模は500億ドル程度であり、まさに米国と同レベルの対抗措置だ。」

M「しかもその品目に米国産大豆を入れてきたからな。中国は米国産大豆の最大輸入国であり、それに追加関税をかけるということは、米大豆農家は死活問題となる。」

T「米大豆に輸入制限をかけることは中国にとっても悪影響となるんだが、それでも米国の弱いところをしっかり突いてきたことからも、中国の本気度が伺える。」

M「更に米航空機や自動車なども対象品目に入れている。」

T「実際の発動時期は明らかにしてないが、米国が実際に追加関税発動させれば、中国も発動されるということだろう。」

M「そうだな。中国の本気度示したことで、米国株は波乱となる場面も見られた。4日の米国株は、朝方にダウ500ドル超の下落となったからな。」

T「ただ更に売り込む動きは見られず、寄り後は下げ渋って、逆に買われていく展開になっている。」

M「ああ。中国が対抗措置取ってくるのは分かっていたし、実際に発動されるかは不透明で、結局米中協議で、良い落とし処を見つけるという期待もあるんだろう。」

T「まあ、米国も中国も話し合いをする姿勢は示しているからな。」

M「米中当局者らが貿易交渉を示唆しているだけに、結局は貿易摩擦解消されるとの見方も多かったようだ。」

T「それに米政権は中国への新たな措置は検討していないとの表明もしたことから、安心感に繋がって、その日結局米国株は上昇して終えているからな。」

M「ところが、そんな政府関係者のフォローも無視するかのように、トランプ大統領は昨日の日本時間朝に、中国製品への1000億ドルの追加関税を検討するよう米通商代表部へ指示した。」

T「倍プッシュだな。もう無茶苦茶だ。これで中国が引くと思うのかね。」

M「引かないだろうな。さっそく中国は声明を発表したからな。米国が保護貿易主義に動くならば、中国は最後まで付き合うと・・。」

T「ああ。中国は、いかなる代償も惜しくないし、必ず反撃すると豪語している。」

M「互いに貿易戦争上等だという感じだ。まだ口だけで実際に発動されていないものの、どう落とし処を見つけるのか読みにくくなってきたと言える。」

T「確かに・・。中国は絶対に引かないだろうし、トランプ大統領だって引かないだろう。じゃあどう落とすんだ。」

M「かなり不透明だな。トランプ大統領の周りが懸命に火消しに動き続けるだろうけど、どうせまたトランプ大統領が火を付けるだろうな。」

T「昨日はトランプ大統領が改めて強気な姿勢を示しており、米中貿易問題で米国も若干の痛みが出る可能性もあるが、長期的には米国のためになるとの発言も伝わっている。」

M「ああ。米中貿易問題で米国株の短期的な下落の可能性も示唆している。」

T「ムニューシン米財務長官も、中国と交渉続けるものの貿易戦争になる可能性はあるとの見解を示した。」

M「こういったことからも、やはりフェードアウトして消えていくような問題ではない。米中交渉で落とし処を見つけられなければ、本当に貿易戦争やり合うしか無くなる。」

T「確かに・・・。その警戒が改めて意識されたのか昨日の米国株が派手に売られた。」

M「来週もまだ米中貿易問題が相場の重しとなる懸念は続きそうだ。」

T「抵抗力も付いてくるだろうけど、無視して買い上がれる状況でもない雰囲気だ。またトランプ大統領が何言い出すかわかったモンじゃない。」

M「結局はトランプリスクがマーケットを不安定にしているということだろう。」

T「来週も日本株下げたとしても下げ渋り見せられるか注目だな。期待したいモンだ。」