韓国、南北会談“惨敗”か 狡猾外交に圧倒される「従北」文政権

韓国、南北会談“惨敗”か 狡猾外交に圧倒される「従北」文政権 

 韓国の文在寅ムン・ジェイン)大統領と、北朝鮮金正恩キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長による南北首脳会談が27日、軍事境界線にある板門店(パンムンジョム)で行われる。「共同宣言の採択」を目指しているとされるが、焦点である「北朝鮮の非核化」は、首脳同士の対話で決めるという、お粗末さだ。すでに韓国側の“おもねり”“媚びへつらい”が目立っており、会談は韓国の惨敗に終わる可能性が高い。
 韓国大統領府は26日、南北首脳会談の日程の詳細を発表した。
 正恩氏は27日午前9時半(日本時間同)に歩いて軍事境界線を越え、10時半から文氏と歴史的な会談に臨む。
 韓国政府高官は、米ワシントンで記者団に「非核化の意思を改めて確認し、核問題を平和的に解決する道筋を描くことになるだろう」と述べた。共同宣言で、非核化や朝鮮戦争の休戦協定に代わる平和協定締結、終戦に触れる可能性がある。
 ソウル郊外のプレスセンターで記者会見した韓国の任鍾ソク(イム・ジョンソク)大統領秘書室長によると、正恩氏には、金永南キム・ヨンナム最高人民会議常任委員長や、正恩氏の妹、金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長らが随行する。李雪主(リ・ソルジュ)夫人が同行するかどうかは未定という。
 韓国政府の動きを見ると、会談の内容よりも、演出やPRが目立っている。背景には、「積弊清算」のスローガンの下、保守派の政治家や官僚が追放される一方、北朝鮮シンパが多く登用されていることがある。
 その代表格が、前出の任氏だ。学生時代の1989年、女子大生を北朝鮮の国際イベントに送り出し、スパイなどを取り締まる国家保安法違反容疑で逮捕され、3年半服役した。2000年に当時最年少の34歳で国会議員になったが、筋金入りの「主体(チュチェ)思想派」とされる。
 対する北朝鮮は、正恩氏の周囲を、従来のエリート層とは異なる若い世代が固め、アドバイスをしているとの指摘がある。

 国際政治学者の藤井厳喜氏は「正恩氏のブレーンには、血筋ではなく、40代ぐらいの有能な人材が並び、欧州留学経験者も多くいると思われる。ドナルド・トランプ米政権の内情や、トランプ氏の性格も研究しているフシがある。『チーム金正恩』の情報収集力や分析力は侮れない。一方、文氏と側近は主体思想に取り込まれ、北朝鮮の対南工作は完成している。韓国は問題にならないだろう」と指摘する。
 国際社会は、北朝鮮の「非核化」の可能性について、極めて懐疑的にみている。南北首脳会談で、狡猾な北朝鮮は何を狙っているのか。
 藤井氏は「韓国に事実上、経済制裁を解除させ、『連邦国家構想』に向けて踏み出すつもりではないか。そして、米国は簡単に乗らないだろうが、(完全非核化を求められる)米朝首脳会談をなるべく引き延ばそうとするだろう」と分析する。
 連邦国家構想とは、韓国と北朝鮮の上位に、連邦国家中央政府を置く構想だ。「従北」の文政権だけに、北朝鮮主導の連邦国家になる可能性が高い。つまり、朝鮮半島に巨大な「反日国家」が誕生し、日本の安全保障ラインは対馬海峡まで南下する。
 国際社会は、南北朝鮮の暴走に「最大限の警戒」が必要といえる。