◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2018.06.09

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週はしっかりと上昇し、日経平均TOPIX共に3週間ぶりの上昇となった。」

M「そうだな。今週は先週まで懸念だったことが幾つか進展したことが安心感に繋がっている。」

T「まずイタリアだな。先週末にはイタリアの新政権がようやく発足し再選挙の懸念が消えた事で安心感に繋がった。」

M「ただイタリアの懸念は払拭された訳ではない。今週、イタリア新政権のコンテ首相が所信表明演説を行ったが、歳出拡大し景気刺激策を打ち出す方針を示している。」

T「ああ。まあ公約だけに想定されたことだ。」

M「それにより改めてイタリア財政悪化懸念が意識されている。」

T「そうだな。イタリアの長期国債利回りは、新政権発足で低下してきていたものの、足元は財政悪化懸念から再び上昇してきている。」

M「先週の高値水準まで昨日は戻してきており、イタリア株は大きく下落している。」

T「イタリアの主要株価指数であるFTSE MIB指数も、年初来安値水準まで下落しており、更に金利上昇して株安になると、イタリア懸念が欧米株や日本株にも重しになる恐れもありそうだ。」

M「来週にはECB理事会があり、量的緩和政策の終了が示唆される可能性がある状況だ。」

T「イタリアの財政悪化懸念が意識されている状況で、果たしてECBがそれを決められるのかどうか・・・。」

M「ああ。それを決めることで、更にイタリア国債が下落し利回り上昇となる懸念もあるからな。」

T「まあ、今回は協議するだけで正式には量的緩和政策終了を決めないとの見方もあり、来週のECB理事会はいつも以上に注目される。」

M「イタリア懸念は依然として燻っているものの、新政権発足し再選挙が避けられた事だけでも、今週は安心感には繋がっている。」

T「他には米朝首脳会談が当初の予定通り12日に行うことをトランプ大統領が表明したことも今週のプラス要因になったと言えるだろう。」

M「ああ。更に米中貿易問題では、中国の提案を米政府が検討する事を明らかにしたことも安心感に繋がった。」

T「そうだな。中国は米国製品の輸入を700億ドル増やす提案をしている。もちろん、米国が中国製品に対しての追加関税を行わないことが条件だ。」

M「米政府は6月15日までに関税対象となる中国製品公表し、速やかに発動する事を明らかにしている。それだけに来週15日までに米政府が中国の提案を呑み合意できるかが重要となる。」

T「でも米国は500億ドル相当の中国製品への関税をかける予定だから、中国の提案は700億ドルだけに、受け入れるんじゃないのか。まあ関税対象の金額と、輸入拡大の金額を一緒にするべきではないだろうけど・・。」

M「そう期待したいけどな。ただ中国による米国製品の輸入拡大に関しては、トランプ大統領は2000億ドルの輸入拡大を求めているからな。」

T「そんなの無茶苦茶だ。これで中国の提案を却下して、実際に中国製品への関税を実施するようだと、さすがに中国もブチ切れそうだが・・。」

M「まあ来週、どういう進展が見られるのか注目だろう。」

T「その前に現在行われているG7サミットも注目される。今日閉幕だが、果たして共同声明が出されるのかどうか・・。」

M「米国と他の主要国との貿易問題を巡る対立が鮮明になっており、とても話まとまるとは思えない。話まとめられなければ共同声明なんて出せないだろう。」

T「それ次第では週明けのマーケットに良くも悪くも影響与えそうだ。」

M「最初に影響受けるマーケットは株式市場では日本株となる。それだけに注目だな。」

T「ただ来週は重要イベント多いからな。米朝首脳会談もあるし、米中貿易問題の行方も重要だ。それに金融政策決定会合ラッシュもある。」

M「ああ。米国ではFOMC、欧州ではECB理事会、そして日本では日銀会合と立て続けに行われる。」

T「日銀会合は注目度低いものの、やはり利上げが想定されているFOMCに、量的緩和政策終了が協議されると思われるECB理事会は非常に重要だ。」

M「今週はしっかりと日本株も米国株も上げてきたが、来週は重要多いだけにかなり不安定な相場になりそうだ。」

T「ただいずれも無事通過できれば安心感に繋がるだろう。特に米中貿易問題で合意に至り、貿易摩擦懸念が大きく後退すれば買い安心感に繋がる。」

M「そうだな。やはり米中貿易問題がもっとも重要かもな。」

T「取りあえず今は、一つ一つクリアしていって欲しいモンだ。」

M「ああ。来週末どういう結果で週末を迎えているのか注目だな。期待したいモンだ。」