ヘッジファンドの一押し銘柄、実は処分売り対象-大学院生が研究論文
この研究で取り上げたのは有名投資家らが年に数回、会議ホールに集うイベントだ。彼らは好きな企業について公に議論を交わすが、その場では言及しないこともある。それは、大体その頃から、彼らがその銘柄を買い増しするよりも売却する傾向が強いという一面だ。
たしかに、人道に反する罪というほどではない。この論文を発表したハーバード大学博士課程の学生、パトリック・ルオ氏によれば、騒がれ宣伝された銘柄は演壇で言及された後、しばらく、場合によっては数カ月は値上がりし続ける傾向がある。だが「そんなに良いアイデアならなぜ他人に話すのか」という疑問に同氏は以下のように答える。
「ヘッジファンドはこうした会議の宣伝効果に便乗し、自身のポジション情報を戦略的に公表し市場の需要をかき立てる。特に、ヘッジファンドは宣伝した株の利益を確定してより良い投資の機会を探す余地を作るため、その銘柄を会議後に売却している」とルオ氏は指摘する。