さらに現実味を帯びた? 百家争鳴な海自空母導入の是非
さらに現実味を帯びた? 百家争鳴な海自空母導入の是非
多用途防衛型空母への改修が検討されているヘリコプター搭載護衛艦「いずも」(竹内 修撮影)。「防衛大綱」とはおおむね10年後までを念頭に置いて、どのような方針で防衛力の整備を進め、防衛省・自衛隊がどのように活動していくかを定めたもの、「中期防衛力整備計画」は、防衛大綱の策定から5年間で、防衛大綱で定められた方針を実行するためにどんな装備を導入し、それをどう使うかを定めたものです。
現在の防衛大綱は2014(平成26)年度に定められたものですが、北朝鮮の核兵器や弾道防衛ミサイルなどにより、日本を取り巻く安全保障環境が一段と厳しくなっていることから、安倍晋三首相は2017年8月に小野寺五典防衛大臣へ防衛大綱の見直しを指示していますが、それとは別に自由民主党は与党の立場として、防衛大綱をどのようなものにすべきかの検討を行なっており、安全保障調査会の提言はそれをまとめたものです。
この提言には注目すべき点が非常に多いのですが、提言の発表後、最も大きな反響を呼んだのは、おそらく「多用途防衛型空母」を導入すべしという項目なのではないかと思います。
日本政府は1978(昭和53)年に、海上自衛隊が保有できる空母と保有できない空母について、地上や艦船を攻撃する攻撃機を搭載する「攻撃型空母」は導入できないが、対潜ヘリコプターなどを搭載する「対潜空母」は導入できるとの見解を示しています。