◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2018.10.13

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週の日本市場は大幅な続落となった。」

M「ああ。日経平均TOPIXは2週連続の下落となり、先月上げてきた分をあっさりと吐き出してしまった。」

T「見事な行って来いとなっている。短期間に株価指数がこれだけの値幅で行って来いとなるのも珍しい。」

M「日経平均は2000円近く上昇し、それを2週間程度で戻してしまった。」

T「日本市場で特に悪材料が出た訳でもない。」

M「やはり要因は米国だろう。米国株が波乱的な下落をしたことで、日本株も煽りを受けた格好だ。」

T「ああ。米国株は今週派手に下落しており、世界同時株安とも言える状況に繋がった。」

M「米長期金利の上昇により、米国株の割高感が意識されたとの見方が多いが、結局は利食いに動いたファンドなどが多く出てきたと言うことなんだろう。」

T「利食いのタイミングを探っていたファンド勢が、米長期金利上昇などをきっかけに動いてきたとの見方も出来るが。」

M「それに来月には米中間選挙を控えている。過去の例からも中間選挙前には調整となることが非常に多い。」

T「だよな。それだけに中間選挙までには一旦手仕舞いしようと考えていた向きも多いのかも知れない。」

M「ああ。そのタイミングを探っていた向きが、米長期金利上昇などを機に動いてきたんだろうな。」

T「今年2月の暴落時も始まりは米長期金利上昇だっただけに、その記憶がまだあるだけに、警戒的に売りに動いた向きも多いんだろう。」

M「米長期金利上昇の他にも今週は売り材料が幾つか出ていた。」

T「そうだな。IMFが世界経済見通しを米中の貿易摩擦を理由に下方修正した。」

M「それにより改めて米中貿易摩擦懸念が意識された面もあるだろう。」

T「更にトランプ政権は中国を為替操作国と認定することを検討と報じられたことも重しとなったと言えるだろう。」

M「そうだな。来週15日に発表される半期に一度の為替報告書で、中国を為替操作国に認定するかが注目されている。」

T「もし認定されれば、米中貿易摩擦は一段と強まることが必至だ。」

M「そういった懸念が今週浮上したことも売り材料になっていると言えるだろう。」

T「まあそれに関しては昨日、一部報道で、米財務省のスタッフはムニューシン米財務長官に、中国は為替操作をしていないと報告したと報じられている。」

M「そうだな。ただムニューシン米財務長官がそれを受け入れるかは不透明との事だし、やはり実際に為替報告書出るまでは油断は出来ない。」

T「トランプ大統領は中国を為替操作国に認定するよう、ムニューシン米財務長官に圧力かけているようだし、果たしてどういう結論を出すのか注目だな。」

M「為替操作国への認定を今回も見送るならば、市場には安心感に繋がる期待はありそうだ。」

T「あと企業決算発表シーズンを控えていると言うことも手仕舞い要因となった可能性もありそうだ。」

M「まあ、今回の企業決算も増益が期待されているものの、やはり米長期金利上昇や、それに米中貿易摩擦などによる悪影響が見られるのではとの警戒も強い。」

T「ああ。足元の業績は大幅増益でも、そういった要因で先行き懸念が示されれば嫌気されるからな。」

M「現状が業績のピークとなるなら、今の業績が幾ら良くても、当然株売り要因となる。」

T「今回の企業決算でピーク感示されるようだとやっかいだ。」

M「昨日は幾つかの大手金融機関が決算発表したが、来週から本格的に決算発表シーズンが始まる。」

T「まあ事前にこれだけ売り込まれただけに、逆に企業決算発表を機に見直すきっかけとなれば良いのだが・・。」

M「そうだな。ただ投資家心理が今は弱気に傾いている状況だけに、まずはそれが落ち着くことが必要だろう。」

T「昨日の米国株は大きく反発したものの、自立反発の域を出ていない。派手に売られてきただけに、この程度の反発は当然あるわけだかならな。」

M「昨日だってダウが一時マイナスに転じるなど結構荒い動きで、まだ売りが出ている印象だ。」

T「これだけ派手に下げてきただけに、売るつもりも無かった向きにも売らざるを得ない向きが出てくる恐れもあるわけだからな。」

M「そうだな。ある程度売られると、それにより更なる売り物を誘発する事は非常に多い。いわゆる売りが売りを呼ぶということだ。」

T「相場が崩れるとテクニカル的な売りも出てくるのは仕方ない。」

M「来週落ち着きを取り戻せるかが注目だろう。落ち着いてくれば、見直そうとする向きも増えてくるし、押し目買いも強まってくる期待はある。」

T「米国株が落ち着けば日本株も見直される可能性が高いからな。」

M「せっかく日本株が見直されて海外勢によって買われてきたというのに、米国株に水を差された格好だ。」

T「先週も海外投資家は日本株を買い越している。しかも先物ではなく現物株をだ。」

M「ああ。それだけに日本株を見直して買いに動いてきた海外の中長期資金がいたのは確かだろう。」

T「彼らにとっても今回の暴落は想定外だったのかも知れない。」

M「だろうな。先月ガンガンに先物を買い上がってきた投機筋にとっても想定外なんだろう。」

T「だよな。未だに先物買いポジを大量に抱えている手口も見られている。」

M「足元はさすがに手仕舞いに動いて来た投機筋もいるんだろうけど、まだまだ売り切れていない。」

T「ただここから投げてくれば結構な損失だろうけどな。」

M「更に手仕舞いに動く投機筋が出てくるのか、それとも静観する向きが多いのか、はたまた改めて買いに動いてくるのか、結局は外部要因次第なんだろう。」

T「だろうな。つまり米国株が落ち着きを取り戻すかがやはり重要と言えそうだ。」

M「先月の上昇は非常に急ピッチだっただけに乗れていない向きも多い。そういった向きにしてみれば、ある意味今回の下落はチャンスとなる可能性もあると言える。」

T「そうだな。まだ暫くは波乱含みだろうけど、来週にも落ちつき取り戻して欲しいモンだな。」

M「ああ。期待したいモンだ。」