◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2018.10.20

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週も波乱含みの展開だったな。」

M「ああ。日経平均TOPIX共に週間ベースで続落となった。」

T「ただ下げ渋り感も見られている。日経平均は22200円台まで何度か突っ込んだものの、その水準では下げ渋っており、今週は22500円台は維持して終えたからな。」

M「まあ、これだけ急ピッチに下げてくれば、下げ渋りも見られるだろう。今月上旬には日経平均24500円を伺う場面もあったんだ。」

T「それが今週22200円台まで突っ込んだんだからな。夜間取引まで入れれば、日経先物は22000円近くまで突っ込む場面があった。」

M「しかも先月22000円台前半から24000円台まで急ピッチに上げた後の動きだからな。希に見る行って来いの展開だ。」

T「個別株では良く見るが、日経平均でこれほどの値幅の行って来いは珍しい。」

M「そうだな。先月買い上がったのも海外投資家だし、今月売ってきたのも海外投資家だ。」

T「東証が毎週公表している投資主体別売買動向見ると、その動きが明らかだな。」

M「ああ。海外投資家は現物株と先物合わせて9月3週には1兆5000億円近くも買い越した。」

T「その週は先物だけで1兆2000億円超も買い越している。」

M「その後、9月4週、10月1週は、海外投資家先物はやや売り越したが、現物株をそれ以上に買い越している。」

T「そうだよな。それだけに先物主体の投機筋だけでなく、比較的に足の長い海外資金も入ってきていた可能性もある。」

M「日経平均は23000円辺りが壁となり、なかなか抜けきれなかったからな。それが先月には上抜けてきたんだ。海外機関投資家には買わざるを得ない向きも少なくないんだろう。」

T「そうかもな。ところが突如流れが変わり、相場がUターンしてしまった。」

M「10月2週には海外投資家が、現物先物合わせて1兆8000億円超も売り越している。先物だけで1兆5000億円近くも売り越した。」

T「ビックリの数字だよな。その週は祝日あっただけに実質4営業日だけだ。それで1兆8000億円超も売り越したら、そりゃ下がるよな。」

M「その週に日経平均は23000円台後半から、22000円台前半まで一気に突っ込んだ。」

T「今週は下げ渋ったとはいえ、先行きはかなり不透明だな。」

M「そうだな。結局ここまで売り込まれた要因は殆ど外部要因だ。米国株安や中国株安により、日本株も売り込まれた格好だ。」

T「米国株や中国株が売られた要因は、米長期金利の上昇により米ハイテク株の割高感が意識された事や、貿易摩擦により中国の景気減速懸念が一段と意識されたことなどだ。」

M「それに加えて今週はサウジの問題も浮上した。」

T「サウジの反政府記者失踪問題を巡り、米国とサウジとの対立懸念が浮上している。」

M「更にイタリア予算案を巡っての欧州懸念も今週再燃している。」

T「ああ。15日に提出されたイタリアの予算案について、欧州委員会EU財政規律から大幅に逸脱しているとの見解を18日にイタリアへ通達した。」

M「それをうけイタリア国債の利回りが上昇し、イタリア株などが大きく売られた。」

T「あのイタリアの予算案をEUがすんなり承認するなんて誰も思っていなかったはずだが・・。」

M「そうだな。ただ大幅に逸脱しているなんて言われたら、改めて嫌気されるのも無理はないだろう。」

T「まあ、この見解だと、EUはイタリア予算案を拒否するのは確実とも言えるからな。」

M「拒否されればイタリアは修正案を再提出する必要がある。それをせず無視すれば、欧州懸念に繋がる恐れがあり、そういった先行きが警戒されたんだろう。」

T「昨日もイタリアの長期債利回りが一時上昇し、イタリア株が大きく下落したものの、何とか落ち着き利回りは前日比では低下し終えている。」

M「イタリア株も一時プラス圏まで戻すなど下げ渋った。結局はマイナスで引けたが小幅安程度だ。」

T「ただ日本時間朝方にはムーディーズがイタリア国債の格付けを、1段階引き下げて投資適格で最低水準としている。」

M「まあムーディーズの格下げは想定内であり、見通しは安定的としていることから新たな悪材料にはならないとは思われる。」

T「いずれにしろ、この問題は今後も波乱要因となる恐れはありそうだ。」

M「そうだな。今のイタリア政権が、EUが望むような予算案に修正するとも思えないからな。対立は必至だろう。」

T「下手すりゃ、EU離脱なんて話まで出てくる恐れもあるかも知れない。」

M「サウジの問題も不透明だし、まだ暫くは波乱含みと見ておく方が良さそうだ。」

T「そうだな。取りあえず目先はしっかりと下値を固めて欲しいモンだ。波乱含みながらも底堅さが見られれば、買い安心感は徐々に強まってくるだろうからな。」

M「来週末どういう状況になっているのか注目だな。」

T「ああ。期待したいモンだ。」