ロシア、米国防総省など「核報復の標的」を列挙

ロシア、米国防総省など「核報復の標的」を列挙

ロシア国営テレビは、米国防総省(写真)を核攻撃の標的にする可能性があると報じた
ロシア国営テレビは、米国防総省(写真)を核攻撃の標的にする可能性があると報じた Photo: Bill Clark/CQ Roll Call/GETTY IMAGES
【モスクワ】ロシア国営テレビは24日、ロシア政府は米国防総省米大統領山荘キャンプデービッドに攻撃を加え、報復できるなどと戦力を誇示し、米ロが核の応酬を繰り広げる可能性について言及した。
 ロシア24の有力キャスターであるディミトリ・キセリョフ氏はニュースまとめ番組で、米国やその同盟国がロシア領土に向けてミサイルを発射した場合、標的とする場所も含め、どのような報復が可能かを詳細に解説。ロシアが開発中の核搭載可能な潜水艦発射型ミサイル「ツィクロン(Tsirkon)」は5分足らずで米国に到達できるなどと述べた。
 ドナルド・トランプ米大統領が中距離核戦力(INF)廃棄条約からの離脱を発表して以降、ロシアによる武力威嚇が激しさを増している。
 先週には、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が年次演説で、米国が欧州に短・中距離ミサイルを配備すれば、米国の指揮統制拠点を標的にすると述べていた。
 キセリョフ氏は、プーチン氏の発言について、「米国が欧州に短・中距離ロケットを配備すれば、指揮統制拠点を狙うことを断言したものだ」と説明した。
 番組で紹介された地図では、国防総省やキャンプデービッドに加え、ワシントン州ジム・クリーク(海軍の指令拠点)などが標的場所になり得るとしている。また別のグラフィックでは、ロシアの潜水艦は米国沖200マイル(約320キロメートル)の地点からツィクロンを発射することが可能で、米国の防衛システムから撃ち落とされる前に攻撃できると解説していた。