みずほ、なぜ6800億円損失? 3つのポイント

みずほ、なぜ6800億円損失? 3つのポイント

3ポイントまとめ
金融機関
2019/3/7 6:30
みずほフィナンシャルグループ(FG)が2019年3月期に6800億円の損失を計上します(「みずほFG、6800億円損失 今期純利益800億円に下方修正」参照)。大規模な損失で連結純利益は前期比で86%も落ち込みます。なぜこうした事態に陥ったのでしょうか。
記者会見するみずほフィナンシャルグループの坂井辰史社長(6日、日銀本店)
記者会見するみずほフィナンシャルグループの坂井辰史社長(6日、日銀本店)
(1)稼いでいた店舗が重荷に
損失のうち400億円は、百数十拠点に上る店舗の統廃合に向けた固定資産の減損です。かつて店舗は個人から預金を集める大事な接点でした。ただ日銀のマイナス金利政策や、金融とIT(情報技術)が融合したフィンテック企業による金融サービスの参入で、貸し出し収益や来店客が減り、利益を生む役割を果たしづらくなっていました。
(2)システムを前倒し処理
預金口座などの管理などを担うソフトウエア「勘定系システム」では、4600億円に上る減損を計上します。みずほは2018年から19年7月にかけて新システムへの刷新を進めています。従来は20年3月期から4000億円超の開発費用を償却する予定でしたが、過大な投資と、個人部門が将来生み出す収益が釣り合わなくなっています。前倒しで処理して財務を身軽にする狙いがあります。
(3)債券も運用難
残りの1800億円は、外国債券の簿価と時価の差である含み損益の処理です。マイナス金利政策で日本国債の運用益が下がったことで、銀行は米国など外債の運用を広げていました。ところが米金利の上昇で債券の価格が下がり、含み損が膨らみました。運用資産の内容を入れ替えるためにも、早く損失を出し切った方が良いと判断したのです。